ものづくり補助金平成24年度熊本県

新培養システムを導入し、サナギタケ冬虫夏草の大量安定生産を確立

株式会社峯樹木園

この事例のポイント

  • サナギタケ冬虫夏草は健康食品として知られるが、安定的に生産することが難しい。
  • 補助金により「温度・湿度制御無菌周年培養システム」を導入し、無菌周年養蚕システムと冬虫夏草の培養技術を融合させた「昆虫生体培養システム」を確立した。
  • 無菌周年培養システムにより、安定的に冬虫夏草を大量生産できることが実証された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社峯樹木園
所在地熊本県 合志市
業種農業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

株式会社峯樹木園は昭和60年に設立された。日本では冬虫夏草は健康食品として用いられているが、中国の天然冬虫夏草は薬用キノコとして長い歴史があり、1997年には中国政府により医薬品として認定されている。世界的にサナギタケ冬虫夏草の需要が拡大していた。当社は地域資源の有効活用として無菌周年養蚕システムを導入し、蚕の飼育に取り組んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力サナギタケ冬虫夏草は健康食品として知られるが、安定的に生産することが難しい。

やったこと

補助金により「温度・湿度制御無菌周年培養システム」を導入し、無菌周年養蚕システムと冬虫夏草の培養技術を融合させた「昆虫生体培養システム」を確立した。IC工場並みの清浄性を備えた無菌室と機械設備を充実させた。冬虫夏草の培養に用いる宿主である蛹の安定供給を年間を通じて可能にする無菌周年養蚕システム技術を確立した。さらに宿主への接種技術を改善・改良した。

  • その他温度・湿度制御無菌周年培養システム無菌室機械設備

新しい製品・サービス:サナギタケ冬虫夏草を用いた健康食品

事業の効果

無菌周年培養システムにより、安定的に冬虫夏草を大量生産できることが実証された。商品は国内メーカーや百貨店・専門店との商談が成立し、販売を開始している。東アジアを中心とした海外への輸出販売を強化する計画である。冬虫夏草の生産と関連商品を新規事業としてコア事業に育て、地域の若者を採用する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値中国では医薬品として認定され、世界的に需要が拡大している中で、無菌からの安定生産を世界で初めて成功したと記されており、新規性の高さがうかがえる。
  • 4
    地域経済への波及地域の遊休施設や耕作放棄地の活用、地域の若者の採用を掲げ、地域の特性を活かした雇用創出と地域経済への貢献が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標増産や低コスト化を目指すとあるが、高付加価値や賃上げの具体的な目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    中国の天然冬虫夏草の位置づけや無菌周年培養の取組を背景に挙げ、冬虫夏草の安定生産を目指す流れは読み取れるが、経営戦略上の位置づけの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    東アジアへの海外販売や商談成立に触れ市場機会は読み取れるが、自社の強み・弱みを比較する記述は見当たらない。

  • 課題の認識と解決3

    安定的な生産が難しいという課題と、培養システムで大量生産できたという解決の方向は書かれているが、事業計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    増産や低コスト化を目指すとあるが、高付加価値や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    IC工場並みの清浄性をもつ無菌室や機械設備の充実、培養技術の確立に触れており、体制面の記述はあるが人員や事務体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    中国天然品との比較や健康食品としての需要拡大、海外商談成立など顧客・ニーズの裏付けはあるが、ターゲットの整理は簡潔。

  • 事業化までの道筋3

    生産規模の拡大や培養環境の改善、増産体制の整備などの方向は示されているが、スケジュールや課題の解決方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    中国では医薬品として認定され、世界的に需要が拡大している中で、無菌からの安定生産を世界で初めて成功したと記されており、新規性の高さがうかがえる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域資源の有効活用や遊休施設の再活用、地域の若者の雇用創出に言及しており、地域波及の意図は読み取れる。

  • 費用対効果2

    補助金投入額や付加価値額の増加、生産性向上の具体的な数値は示されておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    温度・湿度制御の無菌周年培養システムと昆虫生体培養の融合という技術面の革新は書かれているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    地域の遊休施設や耕作放棄地の活用、地域の若者の採用を掲げ、地域の特性を活かした雇用創出と地域経済への貢献が具体的に書かれている。

今後の展望

生産規模の拡大による低コスト化と培養技術・環境の改善により、顧客満足度の高い価格・品質を目指す。東アジアを中心に海外へ輸出を強化し、世界へ発信していく。地域の遊休施設や耕作放棄地の再活用にも連携して取り組む。

事業者の声

増産体制を整え、地域の若者たちを積極的に採用したいですね

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。