ものづくり補助金平成24年度熊本県

耐高温及び耐震性を備えた温度センサーの新規開発

東邦電子株式会社

この事例のポイント

  • 現在主流の温度センサーは振動に弱い白金素子を使っており、耐震性のあるセンサーは適合温度が-200℃から350℃と低く用途が限られていた。
  • 耐高温と耐震性を兼ね備えた白金素子の開発に取り組んだ。
  • これまでになかった耐高温と耐震性を兼ね備えた白金素子の開発に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名東邦電子株式会社
所在地熊本県 熊本市
業種電気機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数195人
資本金4,800万円
設立1963年

事業の背景

現在主流の温度センサーは振動に弱い白金素子を使用している。耐震性を持つセンサーも開発されているが、適合温度は-200℃から350℃と高温域が低く、用途が限られている。当社はこれまで白金素子を外部から購入していたが、自社製品に組み込み、外販まで視野に入れて開発を進めることとした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現在主流の温度センサーは振動に弱い白金素子を使っており、耐震性のあるセンサーは適合温度が-200℃から350℃と低く用途が限られていた。
  • その他温度センサーの白金素子は外部から購入しており、自社製品に組み込むことができなかった。

やったこと

耐高温と耐震性を兼ね備えた白金素子の開発に取り組んだ。棒状のセラミックに白金線を巻き付け、そのセラミックを保護管に入れる構造とした。細い白金線を断線させずにセラミック棒へ巻き付けるため、専用の白金線巻き装置を作成した。白金線と0.2mmのリード線の導通には、トランジスタ方式の溶接機を用いて様々な条件で検証し、溶接に成功した。これらの取り組みにより、600℃までの耐熱性を持つ温度センサーの技術を確立した。

新しい製品・サービス:耐高温と耐震性を兼ね備えた白金素子を用いた温度センサー

事業の効果

これまでになかった耐高温と耐震性を兼ね備えた白金素子の開発に成功した。現状では生産性と品質にさらなる改良が必要で、セミオート製造から作業手順書による誰でも製作できる体制へ移す計画である。将来は完全オートメーション化と小型化も目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性既存品は振動に弱く適合温度が低い市場課題を踏まえ、耐高温850℃・耐震の白金素子で差別化し、外販まで視野に入れている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け既存品では適合温度が-200〜350℃と低く用途が限られるという市場の課題を示し、600℃耐熱と耐震性で選ばれる理由を整理している。
  • 4
    新しさ・高付加価値850℃程度の高温域で使える耐震性温度センサーは従来なかったと述べ、同分野で高水準の機能を図る内容になっている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標素子単価1000円以下という目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現性の根拠も薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    外部購入していた白金素子を自社商品に組み込む方向へ転換し、これまでの温度センサー事業を発展させる一貫した取組として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    既存品は振動に弱く適合温度が低い市場課題を踏まえ、耐高温850℃・耐震の白金素子で差別化し、外販まで視野に入れている。

  • 課題の認識と解決3

    耐震性と耐高温の両立という課題を認識し、巻線・溶接技術の確立と量産化、単価1000円以下の目標を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    素子単価1000円以下という目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員195人の企業で、試作と設備導入を進めてきた実績があり、作業手順書の作成など遂行体制の方針も示している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存品では適合温度が-200〜350℃と低く用途が限られるという市場の課題を示し、600℃耐熱と耐震性で選ばれる理由を整理している。

  • 事業化までの道筋3

    現状のセミオート製造の課題を認識し、作業手順書の作成、完全オートメーション、小型化へ段階的に進める方法を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    850℃程度の高温域で使える耐震性温度センサーは従来なかったと述べ、同分野で高水準の機能を図る内容になっている。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    「TOHOブランド」として市場に出す展望はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は記述が薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    専用の白金線巻き装置や溶接技術を開発し、高温・耐震センサーという新しい製品技術で産業分野の高度化に貢献し得る内容である。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    高温・耐震の温度センサーは成長分野への進出と読めるが、日本経済の構造転換への言及は事例中に明示されていない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

作業手順書を作成して誰でも製作できるようにし、将来は完全オートメーション化を目指す。白金素子の小型化も見据えて開発を続ける。市場調査を行い市場に合わせた完成形の温度センサーを開発し、近いうちに量産化を考えている。素子の単価は1000円以下に抑え、素子単体での販売や自社製の温度センサーへの組み込みを行い、「TOHOブランド」として市場に出すことを目標としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。