ものづくり補助金平成25年度製造業大阪府

高精度化・高デザイン化された板金筐体の生産効率の向上

株式会社光製作所

この事例のポイント

  • 試作品製造の段階で加工が難しい部分が見つかることがあり、高品質かつ短納期での顧客からの依頼に対応するには不十分だった。
  • 板金用の3次元CADシステムを導入し、製造する筐体のデザインを自社で入力・設計できるようにした。
  • 高度な加工技術と最新のCADシステムを融合させ、設計から生産までを一貫して自社で担えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社光製作所
所在地大阪府 大阪市東成区
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数12人
資本金3,000万円
設立1937年

事業の背景

大阪市東成区の金属加工メーカーで、創業は昭和12年、来年で80周年を迎える。長年培った精密板金加工の技術を生かし、GSユアサの協力工場として官公庁向けの照明器具の板金筐体を作製しており、1〜3mmほどの薄い板金を加工している。街角の照明器具は依頼ごとに形が異なり、丸みを全面に出した複雑な形状などデザイン性の高い製品の依頼が増えている。多品種少量生産が多く、1回の生産は10台から20台程度の少ロットであることも多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度試作品製造の段階で加工が難しい部分が見つかることがあり、高品質かつ短納期での顧客からの依頼に対応するには不十分だった。
  • 人手・技能依頼主から受け取った紙図面をデータに入力する作業が必要で、設計から生産までの工程に手間がかかっていた。
  • 新製品・新技術依頼主の図面通りに製造するスタイルが主流で、顧客の要望を基に自社で提案する体制が整っていなかった。

やったこと

板金用の3次元CADシステムを導入し、製造する筐体のデザインを自社で入力・設計できるようにした。レーザーロボット溶接機を導入し、高精度な加工技術が求められる製品に対応できる体制を整えた。3次元CADでは試作前に加工が難しい部分を画面上で判別でき、曲面同士の接合など複雑な加工も可能になった。設計データから製品完成までの工程を一貫して管理・把握できるようにし、今まで作ってきた商品の設計データも蓄積して管理できるようにした。

ソフト板金用3次元CADシステム
ロボットレーザーロボット溶接機

新しい製品・サービス:工場や倉庫の天井に設置する無電極プラズマライトを自社で設計し、完成品をメーカーに提案した。

事業の効果

高度な加工技術と最新のCADシステムを融合させ、設計から生産までを一貫して自社で担えるようになった。設計データの活用により、製造スピードの向上と効率化を実現し、高品質化と短納期化、価格の低減に向けた生産体制の確立につなげている。自社で提案できるようになったことで、顧客と連携して加工性やデザインを協議しながらものづくりができるようになった。従業員が最終組立を意識して商品を作るようになり、ものづくりに対する意識も高まっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業昭和12年の精密板金加工の技術を生かし、依頼主図面からの脱却で提案型への転換を明確に位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種少量生産や曲面の複雑形状に強みがある一方、市場動向との関係は事例に具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    試作段階で加工困難部分が発覚した課題を挙げ、3次元CAD導入で設計から生産まで一貫管理する実効性ある対策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製造スピードの向上や価格低減に触れているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名で技術者や職人が加工を担う体制は読み取れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    街角照明の景観に溶け込む形状や京都駅前の事例、10〜20台の少ロット対応など顧客ニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    自社ブランド展開や照明以外への展開を将来像として示すが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    デザイン性の高い曲面筐体で高付加価値を狙う姿勢はあるが、分野の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    街灯や医療機器筐体など公共性のある製品を扱うが、波及効果や雇用創出の国の関与理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値がなく、費用対効果はうかがえる程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元CADとレーザーロボット溶接の導入で設計から生産を一貫させ、提案型ビジネスという新モデルを構築している。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ものづくりの提案型転換は読み取れるが、市場成長分野や日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    大阪市東成区の拠点で地域の人々への働きかけや体験事業を行い、地域産業をリードする姿勢が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

照明以外のジャンルにも展開予定で、未開拓の分野を開拓していく方針。将来は自社ブランドを作って販売していくことを目指している。

事業者の声

たくさんの人が訪れる会社を目指す。オープン性とアピール性を高めていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。