ものづくり補助金平成24年度宮崎県

シラス多孔質ガラス(SPG)膜の多様多品種要求に対応する製造システムの構築

エス・ピー・ジーテクノ株式会社

成果酸処理で貫通できる厚み 1mm→3mm

この事例のポイント

  • SPGの製造は、ユーザーの研究段階に対して多品種小ロット・短納期に対応できる製造システムを構築することが課題となっていた。
  • まず板状SPGの材料となる基礎ガラスブロックを成形し、気泡混入や組成ムラのない素材を作った。
  • 酸処理で貫通できる厚み 1mm→3mm。湿式ガラス切断機とガラス研磨試作機により必要分のブロックを内製できるようになり、オファーに迅速に対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名エス・ピー・ジーテクノ株式会社
所在地宮崎県 宮崎市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野粉末治金

事業の背景

SPGは膜乳化、バブリング、精密ろ過などに使われ、近年は次世代情報機器や環境関連測定器への搭載も研究されている。半導体関連では溶融金属の精密ろ過、パソコンでは電子デバイスの冷却機構への応用が検討されている。用途によって形状、寸法精度、細孔径、清浄度の仕様が異なり、多品種小ロット・短納期に対応できる製造体制が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力SPGの製造は、ユーザーの研究段階に対して多品種小ロット・短納期に対応できる製造システムを構築することが課題となっていた。
  • コスト・採算板状SPGの加工を外注に頼っており、外注加工費がかかり納期も長くなっていた。
  • 品質・精度酸処理による貫通の厚みは従来1mm程度が限界で、厚みを増すとワレやキズが課題となっていた。
  • 品質・精度ガラスパイプは職人の技量に左右されるため、規格外品が多く発生していた。

やったこと

まず板状SPGの材料となる基礎ガラスブロックを成形し、気泡混入や組成ムラのない素材を作った。湿式ガラス切断機を導入し、ニーズに合った必要分のブロックを切り出せるようにした。ガラス研磨試作機で板状SPGの試作を行い、シリコンウェハーなどの切削・切出技術を応用して高寸法精度の板状分相ガラスを得る加工技術を開発した。酸処理工程でワレやキズが生じないよう板状SPGの薬品処理システムを試作開発し、ミクロン細孔領域で厚み3mmまで貫通させられるようにした。規格外のガラスパイプを規格内に再成形するガラス再加工装置も試作した。

  • 加工機湿式ガラス切断機ガラス研磨試作機
  • その他板状SPGの薬品処理システム
  • 加工機ガラス再加工装置

新しい製品・サービス:厚み3mmの高寸法精度SPGディスク(ろ過用の高精度フィルター、製造用部品)

事業の効果

  • 酸処理で貫通できる厚み 1mm→3mm

湿式ガラス切断機とガラス研磨試作機により必要分のブロックを内製できるようになり、オファーに迅速に対応できるようになった。これにより必要以上の外注加工費が削減され、納期短縮と低コスト化が図られた。板状SPGは厚み3mmまで貫通させられる見通しが立ち、高寸法精度の加工法も確認された。小ロットから大ロットへのスムーズな取引と低価格での提供が可能になると見込まれている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    新しさ・高付加価値SPGは1956年開発で国内に広く普及した素材ではなく、細孔径の均一性と気孔率の豊富さで他の多孔質体にない高水準の性能を持つと述べている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性細孔径0.05〜50μm、気孔率50〜60%、耐熱500℃など具体的数値で他の多孔質体との差を示し、他社の追随を許さないと強みを述べている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けろ過・冷却など用途を具体的に示し、ネットワーク機器の高密度実装や半導体の溶融金属精密ろ過など顧客ニーズの裏付けを挙げている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値創出や賃上げを実現する目標値は示されておらず、外注加工費削減や納期短縮の効果が定性的に述べられるにとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    SPG膜の製造・販売を事業とし、多品種小ロット対応の製造体制整備を課題に挙げているが、過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    細孔径0.05〜50μm、気孔率50〜60%、耐熱500℃など具体的数値で他の多孔質体との差を示し、他社の追随を許さないと強みを述べている。

  • 課題の認識と解決3

    ユーザー研究段階に対する多品種小ロット・短納期対応の必要性と、外注加工費削減という課題認識は読み取れるが、高付加価値化の具体的な計画数値は薄い。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値創出や賃上げを実現する目標値は示されておらず、外注加工費削減や納期短縮の効果が定性的に述べられるにとどまる。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ろ過・冷却など用途を具体的に示し、ネットワーク機器の高密度実装や半導体の溶融金属精密ろ過など顧客ニーズの裏付けを挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    板状SPGの切断・研磨・酸処理装置の試作開発という工程が示されるが、中長期の検証計画やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性5.0
  • 新しさ・高付加価値5

    SPGは1956年開発で国内に広く普及した素材ではなく、細孔径の均一性と気孔率の豊富さで他の多孔質体にない高水準の性能を持つと述べている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    情報機器や半導体分野への波及効果が極めて大きいと述べるが、雇用創出や地域経済への具体的な数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    外注加工費の削減や納期短縮が述べられるが、補助金額に対する付加価値増加や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ガラス研磨機の試作やシリコンウェハー切削技術の活用など新技術の利用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    電子機器全般への新たな多孔質体用途市場の獲得を目指すと書かれ、成長分野への進出の方向性は読み取れるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    宮崎県工業技術センター開発の素材という地域の技術基盤はうかがえるが、地域経済や雇用への牽引効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

厚み3mmの高寸法精度SPGディスクは、物理的強度が高く有機膜のような網目の変形もなく、500℃耐熱を持つ高機能フィルターとして国内トップクラスのユーザーに採用されると見込まれている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。