ものづくり補助金平成24年度宮崎県

チタン製パイプに対する連続開孔および開先加工技術の確立

森山工業株式会社

この事例のポイント

  • パイプへの連続開孔作業と溶接の前工程となる開先加工を手作業で行っており、加工に時間がかかっていた。
  • 既に保有していたウォータージェット切断技術を応用し、パイプの曲面に沿って切断と開先加工を同時に行う立体的な切断技術の開発に取り組んだ。
  • チタン製パイプに対する連続開孔及び開先加工技術を確立することができた。

事業者のプロフィール

事業者名森山工業株式会社
所在地宮崎県 延岡市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工

事業の背景

当社は1962年にチタンの溶接を手掛け始め、ニッケルやアルミニウム、ジルコニウム、高機能ステンレスなど特殊金属の溶接加工に特化してきた。チタン溶接は当社の主力技術で、全国的に品質とコストで高い評価を得ている。チタンは耐食性や生体適合性に優れ、化学工業や航空宇宙、海洋エネルギー、医療などで使われるが、熱に弱く加工が難しい材料である。そのため熱を伴うレーザー溶断は不向きとされ、当社は2007年に研磨剤入りの超高圧水で切断するウォータージェットカッターを導入していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力パイプへの連続開孔作業と溶接の前工程となる開先加工を手作業で行っており、加工に時間がかかっていた。

やったこと

既に保有していたウォータージェット切断技術を応用し、パイプの曲面に沿って切断と開先加工を同時に行う立体的な切断技術の開発に取り組んだ。3DCADを用いて綿密なプログラムを組み、投入する研磨剤の量などの要素技術を組み合わせて試作を行った。3次元の位置制御数値を設定して確認するとともに、数値がずれないようパイプを固定する治工具を新たに開発した。さらに、開孔加工と開先加工の連続した加工プロセスを既存のチタン溶接技術と組み合わせて試作を行った。

事業の効果

チタン製パイプに対する連続開孔及び開先加工技術を確立することができた。手作業だった加工を全てアブレシブジェットカッターで自動化したことで、加工時間の大幅な短縮とコスト対応力の向上が確認できた。既存のチタン溶接技術との融合により大きなシナジー効果が生まれ、計画どおりの目標を達成した。本技術は応用性が高く、今後の事業展開において市場性が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1962年からチタン溶接を手掛け主力技術と位置付け、2007年にウォータージェットを導入した過去の取組を応用して今回の開先加工技術に発展させている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性チタンの難加工性という市場課題に対し、全国的に高評価の溶接技術とウォータージェットを融合させ、加工時間短縮とコスト対応力を強みとしている。
  • 4
    新しさ・高付加価値チタンは難加工材で、レーザー溶断が不向きという高水準の加工技術を要し、一般的に普及していない分野での取組である。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標加工時間の大幅短縮とコスト対応力の向上を目標に挙げているが、具体的な数値目標や付加価値額の目標は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    1962年からチタン溶接を手掛け主力技術と位置付け、2007年にウォータージェットを導入した過去の取組を応用して今回の開先加工技術に発展させている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    チタンの難加工性という市場課題に対し、全国的に高評価の溶接技術とウォータージェットを融合させ、加工時間短縮とコスト対応力を強みとしている。

  • 課題の認識と解決3

    現在手作業で行う連続開孔と開先加工を自動化して加工時間を大幅短縮する課題認識があり、高付加価値化につながる計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工時間の大幅短縮とコスト対応力の向上を目標に挙げているが、具体的な数値目標や付加価値額の目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    3DCADの運用、治工具開発、既存のチタン溶接技術との併用など、技術者による要素技術の組合せと試作を実施している。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    化学プラント部品を対象に、難加工材の連続開孔・開先加工をニーズに応える技術として位置付け、他分野への応用性も示している。

  • 事業化までの道筋3

    試作、治工具開発、位置制御数値の確認という遂行手順があり、今後は既存ユーザーと新業界への営業強化を計画している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    チタンは難加工材で、レーザー溶断が不向きという高水準の加工技術を要し、一般的に普及していない分野での取組である。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    化学、航空宇宙、医療、次世代エネルギーなど多分野への応用可能性に言及し、産業波及の余地を示している。

  • 費用対効果2

    加工時間の大幅短縮とコスト対応力の向上に触れているが、補助金額に対する付加価値や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3DCADを用いた立体的なウォータージェット切断を取り入れているが、サプライチェーン全体への貢献は記述が薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    医療や次世代エネルギーなど成長分野への応用可能性に触れているが、構造転換への言及は限定的である。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

チタンは化学プラント以外にも医療、航空宇宙、次世代エネルギーなど様々な分野で応用できると考えている。既存のユーザーに加え、これまでつながりの薄かった業界に新たな保有技術をアピールし、営業体制の強化を図る方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。