ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

「短期熟成技術の確立による芋焼酎の生産効率化と品質の多様化」

濵田酒造株式会社

この事例のポイント

  • 芋焼酎は蒸留直後に不快なガス臭を持ち、欠点臭とされている。
  • 芋焼酎の発酵や蒸留の条件別にガス臭濃度を調べ、製造工程でのガス臭低減方法を検証した。
  • 短期熟成技術により、蒸留直後のガス臭成分が少ない芋焼酎を製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名濵田酒造株式会社
所在地鹿児島県 いちき串木野市
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数270人
資本金3,000万円
設立1951年

事業の背景

濱田酒造は芋焼酎を製造する蒸留酒の会社である。芋焼酎はサツマイモと米麹、酵母を用いて発酵させた液を蒸留して作られる。焼酎市場では品質面と販売価格面で優位に立つことが求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度芋焼酎は蒸留直後に不快なガス臭を持ち、欠点臭とされている。
  • 生産能力ガス臭があるために熟成が進まず、品質の確認が製造期間中にできなかった。
  • コスト・採算短期間で熟成できる技術がないため、生産性や効率化、コスト低減に限界があり、収益性も上げにくい。

やったこと

芋焼酎の発酵や蒸留の条件別にガス臭濃度を調べ、製造工程でのガス臭低減方法を検証した。次に、蒸留後の芋焼酎からガス臭を強制的に除去する方法を検証した。これらの結果を短期熟成方法として活用し、試作芋焼酎を開発した。ガス成分分析装置を導入して、これまで官能評価に頼っていたガス臭成分の濃度を数値化し、見える化した。試作芋焼酎は通常品と比べて香りがおだやかで味がまろやかになり、一般消費者でも判別できる差があると確認された。

新しい製品・サービス:短期熟成技術を活用した試作芋焼酎

事業の効果

短期熟成技術により、蒸留直後のガス臭成分が少ない芋焼酎を製造できるようになった。製造期間中に品質を確認でき、熟成期間を短縮して生産性や効率化、コスト低減につなげられる見込みである。香りがおだやかで飲みやすい味わいの商品により、これまで焼酎を飲まなかった消費者や女性の新しい顧客を獲得できると期待される。酒質の多様化と商品の多様化にも対応できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決蒸留直後のガス臭が課題と明示され、短期熟成で生産効率化とコスト低減につなげる方針が具体的に述べられている。
  • 4
    事業化までの道筋発酵・蒸留条件別の調査、除去方法の検証、試作、消費者アンケートの段階と、今後のマーケティング調査や市場投入の流れが示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性従来の芋焼酎製造の課題に取り組んだことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は記載がない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    従来の芋焼酎製造の課題に取り組んだことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性は記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    消費者アンケートで香りがおだやか、味がまろやかとの評価があり、女性や焼酎を飲めなかった層に期待とあるが、市場動向との比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    蒸留直後のガス臭が課題と明示され、短期熟成で生産効率化とコスト低減につなげる方針が具体的に述べられている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産効率化や収益性向上は述べられるが、賃上げや付加価値額の数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    商品開発研究室の室長名が示されるのみで、補助事業を遂行する人員や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    香りがおだやかでまろやかという製品の特徴と女性や焼酎初心者向けの想定は示されるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    発酵・蒸留条件別の調査、除去方法の検証、試作、消費者アンケートの段階と、今後のマーケティング調査や市場投入の流れが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    芋焼酎は一般的な分野だが、ガス臭を短期熟成で除去する技術は差別化の要素として示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    地域の酒造業との関係や雇用創出への言及はわずかで、国が補助する積極的理由は読み取りにくい。

  • 費用対効果3

    短期熟成による生産性向上やコスト低減が述べられるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ガス臭成分を分析装置で数値化し見える化した点は技術的な工夫として示されるが、サプライチェーンへの波及は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島の芋焼酎製造という地域資源を活かした事業であることは読み取れるが、地域経済への効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

海外マーケットも視野に入れ、マーケティング調査やコンセプト、酒質、商品仕様を決めて市場に投入する。消費者の動向や反応を見ながら改良し、本技術を活用した商品で売上拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。