ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

グランドピアノ並みのソフトペダル機能を有する新型アップライトピアノの試作開発

有限会社藤井ピアノサービス

この事例のポイント

  • グランドピアノに近い性能のアップライトピアノを作るには、ベルクランクの開発、ブラケットの切削加工、レール取付の精度向上が重要だった。
  • 試作した新型アップライトピアノを全国12か所に展示し、演奏家、調律師、一般の客に試弾してもらい好評を得た。
  • ベルクランクの形状と可動部の改良により、異音、ペダル操作感、ウナコルダの作動不具合が解消に向かい、製品化につながる見通しが立った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社藤井ピアノサービス
所在地鹿児島県 薩摩川内市
業種その他の製造業
技術分野動力伝達
従業員数3人
資本金500万円
設立1989年

事業の背景

有限会社藤井ピアノサービスは、薩摩川内市でアップライトピアノを製造している。自社開発の特許技術「グランドピアノ並みの連打性」を組み込んだアップライトピアノ(グランフィールピアノ)を販売している。アップライトピアノはグランドピアノに性能で劣るとされ、より近い性能を求める利用者からの期待が大きいと考えられていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度グランドピアノに近い性能のアップライトピアノを作るには、ベルクランクの開発、ブラケットの切削加工、レール取付の精度向上が重要だった。
  • 生産能力スライドレールの穴あけ加工を量産できる体制がなく、量産化への道筋が立っていなかった。

やったこと

試作した新型アップライトピアノを全国12か所に展示し、演奏家、調律師、一般の客に試弾してもらい好評を得た。異音、ペダルの操作感、ウナコルダの作動不具合に対し、ベルクランクの形状と素材を幾通りか試作し、可動部にメタルブッシュを入れた。試弾と展示を繰り返し、製品化の見通しを得た。横型タッピングボール盤を導入し、スライドレールの穴あけ加工について、データ収集、コンピュータへの入力、レールの稼働確認、穴あけ位置の設定、センターレールの加工を繰り返した。これにより量産化の道筋ができた。

新しい製品・サービス:グランドピアノに近い性能を持つアップライトピアノ(ソフトペタルの表現性とウナコルダペダルを備えたもの)

事業の効果

ベルクランクの形状と可動部の改良により、異音、ペダル操作感、ウナコルダの作動不具合が解消に向かい、製品化につながる見通しが立った。横型タッピングボール盤の導入により、スライドレールの穴あけ加工が改善され、量産化の道筋ができた。機械がなければ不可能と思われた工程が改善された。展示会や試弾を通じて、性能の高いウナコルダペダル付きアップライトピアノへの需要を確認した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付けピアノ教室・専門家・技術者から試弾とアンケートを行い、ウナコルダ付きで他社にない点が選ばれる理由として示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ウナコルダペダル付きアップライトは他社に製造がないと記載され、グランドピアノに近い高性能機で高水準の差別化を図る内容である。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員3人の小規模体制と試作展示の実施は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    特許技術「グランドピアノ並みの連打性」を組み込んだ既存製品を基に、より高性能な機種を開発する流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社はウナコルダペダル付きアップライトを製造していないと記載があり、差別化の方向性はうかがえる。市場データや定量的な比較はない。

  • 課題の認識と解決3

    ベルクランク形状の試作や異音・ペダル不具合の改善など課題認識は具体的だが、高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    従業員3人の小規模体制と試作展示の実施は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ピアノ教室・専門家・技術者から試弾とアンケートを行い、ウナコルダ付きで他社にない点が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋3

    全国12か所での展示や英語版パンフレット作成、海外フェア出展準備など今後の手順は示されるが、期限や工程表は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ウナコルダペダル付きアップライトは他社に製造がないと記載され、グランドピアノに近い高性能機で高水準の差別化を図る内容である。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    海外展開や楽器業界への周知など地域外への広がりはうかがえるが、雇用や波及効果の記載は読み取れない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    横型タッピングボール盤の導入によるデータ収集やコンピュータ入力はあるが、デジタル技術によるサプライチェーン貢献の記載は薄い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    薩摩川内市の企業であることはわかるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は読み取れない。

今後の展望

全国の展示会に出展し、ピアノ業界、技術者、楽器店、ピアノ教室に周知する。英語版パンフレットを作成し、海外の楽器フェアやピアノフェアへの出展準備を始める。他社はウナコルダペダル付きアップライトピアノを製造していないため、さらなる事業展開を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。