ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

カッティングプロッターで形状提案・サービス強化

エス・パックス株式会社

この事例のポイント

  • 化粧箱の提案では立体形状と箱のデザインを別々に作り、手作業で貼り合わせて提示していた。
  • 高性能カラーフォトセンサーを備え、原点位置や座標の傾き・距離を補正できるカッティングマシンを導入し、印刷されたデザイン面を正確な位置でカットできるようにした。
  • 高性能な機械の導入により、正確な位置でのカットと高画質なプリントが可能になり、完成品に近いサンプル箱を制作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名エス・パックス株式会社
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野切削加工
従業員数100人
資本金4,000万円
設立1953年

事業の背景

同社は紙加工品の製造業で、化粧箱などの包装物を顧客に提案している。主要な顧客は地場企業であり、県外資本の大手ライバル会社に対抗するため、地域密着型の営業体制の強化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能化粧箱の提案では立体形状と箱のデザインを別々に作り、手作業で貼り合わせて提示していた。
  • 品質・精度デザインの印刷に事務用カラープリンターを使っていたため、実際の印刷機の色が再現できず、色や光沢を口頭で補足説明していた。
  • 納期・工程完成品に近いサンプル箱をスピーディーに作れず、顧客の満足度向上に課題があった。

やったこと

高性能カラーフォトセンサーを備え、原点位置や座標の傾き・距離を補正できるカッティングマシンを導入し、印刷されたデザイン面を正確な位置でカットできるようにした。高画質プリントで豊かな色彩と光沢のある画像を再現できるUVプリンターを導入し、完成品に近いサンプル箱を制作できるようにした。UV照射時の発熱量を大幅に低減したUVプリンターにより、熱の影響を受けやすいメディアにも印刷できるようにした。プリント後すぐに硬化するUV硬化インクを用い、乾燥待ちが不要になって作業時間を大幅に短縮した。印刷後の箱の展開図を自動でカットできるカッティングプロッターも導入した。

  • 加工機カッティングマシンUVプリンターカッティングプロッター

事業の効果

高性能な機械の導入により、正確な位置でのカットと高画質なプリントが可能になり、完成品に近いサンプル箱を制作できるようになった。UV硬化インクの採用で乾燥時間が不要になり、プリントから加工までの作業時間が大幅に短縮された。デザインから製造までのリードタイムも短縮され、短期間で密度の濃い提案ができるようになり、顧客の満足度向上に貢献できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手作業の貼り合わせやカラープリンターによる色再現の課題を認識し、UVプリンターとカッティングマシンで解決した経緯が具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け完成品に近いサンプル箱を提示でき顧客満足が上がる点、POPツールも提案する顧客ターゲットが明確に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性過去の取組との一貫性は文中に示されず、既存の化粧箱提案の手作業やカラープリンターの課題が書かれているだけである。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性は文中に示されず、既存の化粧箱提案の手作業やカラープリンターの課題が書かれているだけである。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客満足の向上や地域密着型営業への言及があり、大手県外資本に追いつく意図が書かれているが、市場動向の数値は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の貼り合わせやカラープリンターによる色再現の課題を認識し、UVプリンターとカッティングマシンで解決した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイム短縮や作業効率の飛躍的向上は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    オペレーターの技量向上に努めたとあるが、人材体制や事務処理能力の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    完成品に近いサンプル箱を提示でき顧客満足が上がる点、POPツールも提案する顧客ターゲットが明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    機械の特性把握やPOP提案といった今後の方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    完成品の印刷状態に近いサンプル箱を制作する高付加価値化が示されるが、分野全体の普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    地場企業との取引やPOPツール提案による地域密着型の展開がうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    UV硬化インクやカッティングマシンなどのデジタル機器を活用した点は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    地場企業を主要顧客とする地域密着型営業が書かれ、地域の特性を活かした事業だとうかがえるが、雇用や成長の数値はない。

今後の展望

主要な顧客である地場企業に対し、店頭POPやイベント販促品などのPOPツールも化粧箱と一緒に提案し、地域密着型の営業を展開して県外資本の大手ライバル会社に追いつくことを期待している。顧客の要望に迅速に応え、満足いただける商品ときめ細かなサービスを安定して提供していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

岡山県平成24年度

多品種小ロット、短納期の生産体制を実現

生産工程を改善するため、高性能の研磨設備を2台導入し、消耗品・部品を共通化するとともに、1台に不具合が生じても生産に影響が出ないようにした。

効果:塗装の乾燥時間 2日→0.67日

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。