ものづくり補助金平成24年度鹿児島県

地域資源と独特な発酵技術を活用した発酵調味料の開発・改良

九州化工株式会社

この事例のポイント

  • 発酵酸味液は製造過程で生じる色素により濃褐色となり、食材の彩りを変えてしまうため使われる範囲が限られていた。
  • 発酵の際に色素の生成が少ない菌株の取得に取り組み、複数回の改良選別を繰り返して候補菌株を50体近く取得した。
  • 濃褐色が生じない淡い色調の発酵調味液を開発できたことで、これまで使われる範囲が限られていた食材の彩りを損なわない用途に展開できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名九州化工株式会社
所在地鹿児島県 鹿屋市
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数50人
資本金6,200万円
設立1960年

事業の背景

当社はクエン酸製造で日本一の企業であり、クエン酸関連商品に加えて発酵酸味液などの製造販売にも注力してきた。鹿児島県が生産量日本一を誇るサツマイモを原料として活用している。近年はコンビニ店舗数などの増加に伴い、冷凍食品などの加工食品に必要な発酵調味液の需要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術発酵酸味液は製造過程で生じる色素により濃褐色となり、食材の彩りを変えてしまうため使われる範囲が限られていた。
  • 生産能力濃色であることを理由に、冷凍食品など加工食品メーカーのニーズに応えられていなかった。

やったこと

発酵の際に色素の生成が少ない菌株の取得に取り組み、複数回の改良選別を繰り返して候補菌株を50体近く取得した。しかし最終確認試験で著しく色調を改善する優位株は得られなかった。そこで発酵調味液から色素を直接取り除く方法に取り組み、特殊な吸着樹脂を用いることで効率よく色素を除去することに成功した。これにより淡い色調の発酵調味液の開発に成功した。

新しい製品・サービス:淡い色調の発酵酸味液

事業の効果

濃褐色が生じない淡い色調の発酵調味液を開発できたことで、これまで使われる範囲が限られていた食材の彩りを損なわない用途に展開できるようになった。既存ユーザーに加え、これまで参入できなかった分野のユーザーにも積極的にPRして新たな販路を開拓していく計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    新しさ・高付加価値従来は濃褐色で使用が限られていた発酵酸味液を淡い色調に改良し、高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制社員数50人や研究開発の取組はうかがえるが、体制や事務処理能力を具体的に示す記述はない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の発酵酸味液製造という従来事業の延長で開発した点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    冷凍食品など加工食品向けの需要増とコンビニ店舗数増加に触れており市場動向はうかがえるが、自社の経営資源の強みとの関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    濃色が需要に応えられない課題を認識し淡い色調の製品で解決を図った点は読み取れるが、事業計画の収益効果は書かれていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    社員数50人や研究開発の取組はうかがえるが、体制や事務処理能力を具体的に示す記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    淡い色調で彩りを損なわず使用範囲を広げる点や新規販路の開拓に触れており、顧客ターゲットの方向性は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    色素生成の少ない菌株育種と色素の直接分離除去の二段階で検証した経緯が書かれており、課題解決の方法は読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    従来は濃褐色で使用が限られていた発酵酸味液を淡い色調に改良し、高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    加工食品の需要増や新たな販路開拓に触れており国が補助する理由はうかがえるが、経済波及や雇用への言及は薄い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    食品添加物分野での製品改良にとどまり、日本経済の構造転換に資するという記述はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島県産サツマイモを活用する地域資源利用は書かれているが、雇用創出や地域経済成長への言及はわずかである。

今後の展望

今回の淡い色調の発酵調味液により、既存ユーザーに加えて新たな分野のユーザーへ積極的にPRし、新たな販路の開拓に取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。