ものづくり補助金平成24年度沖縄県

短納期化により顧客ニーズに応え競争力強化を実現する

有限会社海邦ベンダー工業

この事例のポイント

  • 溶接作業は3年以上の経験が必要な熟練技術に頼っており、作業に時間がかかっていた。
  • ものづくり補助金で溶接機3台と、金属加工業界で使われる設計システムTB-CAD32を導入した。
  • 新たに導入した溶接機は作業が半自動化され、高い技術や手間が求められなくなったため、作業スピードが格段にアップし生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社海邦ベンダー工業
所在地沖縄県 那覇市
業種金属製品製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数65人
資本金300万円
設立1992年

事業の背景

同社はステンレス、スチール、アルミなどの非鉄金属を素材として建具などの製造・加工を手掛けている。従業員65人と規模は大きくないが、県内でも3本の指に入る企業である。「沖縄のものは沖縄で作る」という意気込みのもと、さらなる競争力強化を目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力溶接作業は3年以上の経験が必要な熟練技術に頼っており、作業に時間がかかっていた。
  • 人手・技能高い技術と手間が求められる従来の溶接作業では、熟練者への依存から製作工程のスピードアップが難しかった。

やったこと

ものづくり補助金で溶接機3台と、金属加工業界で使われる設計システムTB-CAD32を導入した。溶接機は従来の機械では3年以上の経験が必要だったところ、半年程度の経験で操作できる機械を購入し、製作工程のスピードアップを図った。TB-CAD32はステンレス、スチール、アルミ等の設計図をコンピュータ上で図面化し、設計を支援するソフトである。同社は同タイプのTB-CADを既に運用しており機能の高さを熟知していたため、補助金で2台目を購入した。

事業の効果

新たに導入した溶接機は作業が半自動化され、高い技術や手間が求められなくなったため、作業スピードが格段にアップし生産性が向上した。TB-CAD32は一度行った処理を記憶するため、同じ作業の手間が省け、使うほど仕事が早く楽になった。その結果、作業効率が向上し従業員の残業が減るなどの大きな効果があった。会社にとって非常に有用なシステムのため、自費による3台目の導入も検討している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.5 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、生産性向上の定性的な効果にとどまる。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    同じタイプのTB-CADを既に運用しその機能を熟知しており、2台目導入という過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「沖縄のものは沖縄で作る」の意気込みと県内3本の指に入る業界上位の地位を背景に、競争力強化を図る計画となっている。

  • 課題の認識と解決3

    溶接の熟練依存という課題を半自動化で解消し、作業スピードと生産性向上につなげる方向が示されている。

事業の実現可能性2.2
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、生産性向上の定性的な効果にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    既存のTB-CAD運用経験はあるが、体制や人材確保について触れた記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    納期対応や競争力強化の目的は触れているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは記載が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入機器や効果は述べられているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    建具製造の業界で県内上位という位置づけはあるが、高付加価値化や高価格化の記述は弱い。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    従業員の残業減少など雇用環境への効果が示され、地域の金属加工業の競争力強化に資する点が読み取れる。

  • 費用対効果2

    作業効率向上や残業減少の効果は示されているが、投入額に対する付加価値増加などの数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    CADシステムの導入は述べられているが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    沖縄の地域で作る意気込みを掲げ、県内有数の企業として地域の製造業を牽引する姿勢が読み取れる。

今後の展望

補助金も得て新型の金属加工機やレーザー溶接機を導入した経験を生かし、今後も生産効率や品質の向上に役立つ機械やソフトウェアの導入に積極的に取り組んでいきたいとしている。

事業者の声

沖縄のものは沖縄で作る

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。