ものづくり補助金平成26年度製造業京都府

薄板溶接における高精度溶接技術の確立

株式会社筒井

この事例のポイント

  • 食品製造装置の外装カバーでは原料や細菌の滞留を防ぐため、凹凸や歪みの少ない製品が求められている。
  • 株式会社レーザックス(愛知県知立市)が平成26年春に販売を開始したハンドトーチ型ファイバーレーザ溶接機「OPTICEL/FH-300」を導入した。
  • 高精度・低ひずみ・低入熱の溶接を必要とする付加価値の高い製品に対応できる基盤ができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社筒井
所在地京都府 長岡京市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数31人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

当社は精密板金加工、製缶加工、機械加工を中心に、金属のほか樹脂材料も扱うものづくりの会社である。製品は自動車関連機器、半導体製造装置、検査機器、省力化機器などの分野で使われている。食品製造装置や半導体製造装置、医療関連機器などのユーザーでは、安心・安全を求める消費者ニーズの高まりや微細化技術の進展、検査・計測の精密化により、歪みが少なくピンポイントで溶接する技術への要求が強まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度食品製造装置の外装カバーでは原料や細菌の滞留を防ぐため、凹凸や歪みの少ない製品が求められている。
  • 品質・精度ステンレス素材等では熱が製品全体に伝わりやすく、従来の溶接機を使った加工では製品の歪みにつながりやすい。
  • 販路・情報発信取引先の食品製造装置メーカーや半導体製造装置メーカー等から凹凸や歪みの少ない製品を求める声が広がっており、取引先の確保・拡大が必要になっていた。

やったこと

株式会社レーザックス(愛知県知立市)が平成26年春に販売を開始したハンドトーチ型ファイバーレーザ溶接機「OPTICEL/FH-300」を導入した。一千万円以上する高価な装置である。本機は平均300W、ピーク3000Wの高出力で、ステンレスでは最大溶込み2.5mm、冷間圧延鋼板では2mmまで溶接でき、チタン・マグネシウム合金にも対応する。本体寸法は865mm×595mm×1415mmで、ストッパー付キャスターにより移動と固定が容易である。この装置を使い、技術者が現場で高精度溶接技術の確立に取り組んだ。

加工機OPTICEL/FH-300(ハンドトーチ型ファイバーレーザ溶接機)

新しい製品・サービス:ハンドトーチ型ファイバーレーザ溶接機による高精度溶接技術(食品製造装置の外装カバー等)

事業の効果

高精度・低ひずみ・低入熱の溶接を必要とする付加価値の高い製品に対応できる基盤ができた。0.5mmのステンレス鋼板も熱による変形や変色がなく、高精度で綺麗に溶接できるようになった。最新装置の導入で技術者の技術力向上へのモチベーションが高まり、技術者としての成長にもつながっている。高精度溶接が可能なことは当社の競争力となり、ユーザーへの新たな提案にも役立っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    精密板金・溶接の事業を基盤に、高精度溶接技術の確立を訴求力として取引先拡大を進めると書かれており、一貫性はあるが過去の取組の具体的な経緯は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    食品製造装置や半導体製造装置メーカーから凹凸や歪みの少ない製品を求める声が広がっていると、市場動向と自社の強みの関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    顧客ニーズへの対応と取引先拡大は書かれているが、課題解決の数値目標や実効性を示す記述は少ない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    技術者の技術力向上や営業部の設置、組立一括受注体制の強化が書かれており、体制の一端はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    0.5mmステンレス鋼板を変形・変色なく溶接できる点や、歪みの少なさを求める食品製造装置分野などのニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は取引先拡大を進め全国的に顧客拡大を図るとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ハンドトーチ型ファイバーレーザ溶接機を導入し高精度溶接技術を確立した企業は少なく、同分野で高水準の高付加価値化を図ると書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    食品・医療・半導体分野の安心・安全ニーズへの対応は書かれているが、国が補助する積極的な理由や経済波及効果は述べられていない。

  • 費用対効果2

    一千万円以上の装置導入とあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ファイバーレーザによる高精度溶接の技術確立は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルは述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    京都府長岡京市に立地する事業者であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高度精密溶接技術を訴求力として取引先拡大を進め、組立まで一括受注する体制を強化する。営業部を設けて管理機能も担い、全国的に顧客拡大を図る考えである。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。