ものづくり補助金平成24年度沖縄県

オカラと有用微生物の省エネ型発酵方法による高機能飼料の試作品の開発

株式会社JELLホールディングス

この事例のポイント

  • 「OOBO」の製造工程が手作業に頼っており、品質を安定させ向上させる必要があった。
  • 同社保有の枯草菌とオカラを発酵させた「OOBO」の製造工程に機械化を導入し、専用機器の導入と試作検証を行った。
  • 個体培養装置による発酵過程の安定化と、生産物の品質向上を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社JELLホールディングス
所在地沖縄県 那覇市
業種その他の製造業
技術分野発酵
従業員数6人
資本金600万円
設立2011年

事業の背景

同社は独自に研究開発を行い、家畜飼料用高機能発酵製品「OOBO」を製品化していた。「OOBO」はオカラを有用菌である枯草菌で発酵させたもので、豚に与えると肉質(旨み)が向上し、糞尿の臭いが低減するなどの効果があることが分かっていた。安定生産のため、それまで手作業に頼っていた工程に発酵装置等の機械化を組み入れる計画だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能「OOBO」の製造工程が手作業に頼っており、品質を安定させ向上させる必要があった。
  • コスト・採算製品の乾燥に凍結乾燥を用いておりコストがかかっていた。

やったこと

同社保有の枯草菌とオカラを発酵させた「OOBO」の製造工程に機械化を導入し、専用機器の導入と試作検証を行った。手作業の工程をそのまま機械に移行できないことが試作検証の過程で判明したため、工程の根本的な見直しを行った。製品の乾燥工程は、凍結乾燥ではコストがかかるため、温風乾燥へと改良に取り組んだ。

事業の効果

個体培養装置による発酵過程の安定化と、生産物の品質向上を実現した。製品の乾燥工程も凍結乾燥から温風乾燥へ大幅に改良し、コストダウンを図ることができた。機械化により製品化した「OOBO」は飼料会社に試験的に導入されている。また「OOBO」で育てた肉質の良い豚を「琉球豆豚」としてブランド化し、飲食店へ卸販売している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性飼料会社への試験導入や飲食店への豚卸販売はあるが、市場動向や競合に対する自社の強み・弱みへの言及は読み取れない。
経営戦略との整合性2.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存製品「OOBO」の安定生産のため工程を機械化する計画で、製品化済みの事業との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    飼料会社への試験導入や飲食店への豚卸販売はあるが、市場動向や競合に対する自社の強み・弱みへの言及は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    手作業工程の機械化と凍結乾燥から温風乾燥への改良でコストダウンを実現したとあり、課題認識と対応は読み取れるが付加価値額の数値は示されていない。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    月産50頭の出荷目標はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の根拠も薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員6人の小規模体制であることは読み取れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    オカラと枯草菌による肉質向上や糞尿臭低減という効果や、琉球豆豚のブランド化による顧客像がうかがえるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作検証で手作業を機械に移せないと判明し工程を根本的に見直したとあり、課題解決の方法は示されるがスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    オカラ発酵の家畜飼料は一般的な分野ではなく、肉質向上や糞尿臭低減の効果を持つ点は読み取れるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    県内外の飼料会社への拡販や豚以外の家畜・養殖への展開が見込まれ、地域での波及効果がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果3

    凍結乾燥から温風乾燥への改良によるコストダウンは読み取れるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による品質安定化は書かれるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    沖縄県那覇市の企業で、県内の飼料会社や飲食店と連携する地域性は読み取れるが、雇用創出や成長の数値はない。

今後の展望

品質が安定した家畜飼料用高機能発酵製品「OOBO」について、県内外の飼料会社への営業拡販を進める。あわせて自社ブランド豚「琉球豆豚」の専用飼料に配合し、肉質のさらなる向上と飼育システムの確立を図り、月産50頭の出荷を目指す。将来的には豚以外の家畜や養殖分野への展開も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。