中小企業・小規模事業者の“挑戦”を後押しする補助金として、毎回高い注目を集める「ものづくり補助金」。その第24次公募が、2026年受付開始となります。今回も、通常枠に加えてグローバル枠など多様な申請枠が用意されており、最大で3,000万円の補助を受けられるチャンスもあります。
本記事では、最新の公募要領に基づいてわかりやすく解説していきます。
目次
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金は、小規模事業者持続化補助金・新事業進出補助金・デジタル化・AI導入補助金と並び、通年で公募が行われている補助金です。年3回の公募サイクルで実施されており、申請のチャンスが複数あります。
ものづくり補助金は、中小企業等の革新的サービス開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。
詳しくはこちら:【最新】ものづくり補助金とは?補助額や申請要件、採択傾向を解説!
ものづくり補助金の申請枠
ものづくり補助金第24次には、革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化を目指す「製品・サービス高付加価値化枠」と、海外事業の実施による国内の生産性向上を目指す「グローバル枠」の2つあります。それぞれの対象や補助率・補助上限、対象経費は以下の通りです。
※1 大幅賃上げ特例を適用する場合、()内の補助金額が上限となります。
※2 最低賃金引上げ特例を適用する場合、中小企業も補助率2/3となります。
※3 以下の定義に該当する小規模事業者・再生事業者は補助率2/3が適用されますが、補助金交付候補者としての採択から交付決定までの間や、交付決定後から補助事業完了後までの間に、以下の定義に該当しなくなった場合は、補助率1/2となります。
ものづくり補助金24次 公募期間
- 公募開始:2026年8月頃
- 申請受付:2026年9月頃
- 応募締切:2026年10月頃
- 採択発表:2027年1月頃
※第24次公募は現時点で正式発表されていませんが、これまでの公募間隔や過去スケジュールをもとにした予想です。第23次公募が2026年5月8日に締切となっているため、過去の傾向から見ると、次回の第24次公募は夏頃に実施される可能性が高いと考えられます。
なお、2026年度は制度再編の議論も進んでおり、「新事業進出・ものづくり補助金」への統合や要件変更が行われる可能性があります。最新情報は必ず公式サイト・公募要領をご確認ください。
補助上限・補助率
製品・サービス高付加価値化枠
- 補助上限:
5人以下750万円(850万円)
6~20人1000万円(1250万円)
21~50人1500万円(2500万円)
51人以上2500万円(3500万円) - 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
- 補助事業実施期間:交付決定日から10か月(ただし採択発表日から12か月後の日まで)
詳しくはこちら:【2026年】製品・サービス高付加価値化枠を解説
グローバル枠
- 補助上限:3,000万円
- 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
- 補助事業実施期間:交付決定日から12か月(ただし採択発表日から14か月後の日まで)
詳しくはこちら:【2026年】 ものづくり補助金 グローバル枠を解説
ものづくり補助金 補助対象者
「ものづくり補助金」という名前から、製造業における機械装置などの設備投資にしか使えないと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
ものづくり補助金は、製造業のみならず、印刷業、建設業、飲食業、食品加工業、小売業、サービス業など、全業種の中小企業が対象となるため、様々な経費が補助対象となります。
補助率・補助上限
ものづくり補助金第24次の補助率は対象経費の1/2(小規模事業者なら2/3)で、補助上限額は3,000万円です。申請枠や従業員数によって異なります。
補助事業実施期間
「製品・サービス高付加価値化枠」、「グローバル枠を解説」のいずれの申請枠においても、交付決定日からおよそ12か月以内です。この期間内に、計画された補助事業の支払い・納品等を完了させる必要があります。
補助対象経費と注意点
ものづくり補助金の補助対象経費は、大きく11つの項目に分類されます。

2026年の公募に基づく、ものづくり補助金の対象経費の区分一覧は以下の通りです。
【主な対象経費一覧】
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 海外旅費
- 通訳・翻訳費
- 広告宣伝・販売促進費
※なお、すべての申請枠において、「機械装置・システム構築費」の経費計上が必須となります。
※グローバル枠のみ、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も補助金の対象経費となります。またものづくり補助金の対象経費としてまず、機械装置・システム構築費は必須となります。
詳しくはこちら:【2026年】ものづくり補助金の補助対象経費一覧|対象外・注意点も解説
補助対象経費の注意点
本補助金では、「交付決定日以降、補助事業実施期間内に支払われた補助対象経費」に対して補助金が交付されます。そのため、採択発表や交付決定より前に契約・発注・支払済の経費は、補助対象外となりますのでご注意ください。
また、経費の支払いについては、銀行振込の支払実績によってのみ確認が行われます。クレジットカード決済、現金支払い、手形、電子マネー等の方法による支払は、原則補助対象外となります。
ものづくり補助金 業種別採択事例
制度の概要だけでは「自社でも使えるイメージが湧かない」という声をよく聞きます。ここでは、ものづくり補助金の公式グッドプラクティス集・成果事例集をもとに、業種別の活用事例を紹介します。直近の採択率は第19次31.8%・第20次33.6%・第21次34.1%と3社に1社程度の厳しい審査です。採択された事業者の事例を読むことで、どのような計画が評価されるのかを把握することができます。
事例① 洋菓子製造業|自動化で品質安定を実現
- 課題: 手作業中心の製造ラインで、繁忙期に生産量が追いつかず、品質のばらつきも課題になっていた。
- 取り組み: 大型ミキサーや自動整列機を導入し、製造工程の一部を自動化。設備投資にものづくり補助金を活用した。
- 成果: 製造時間の短縮と省人化を実現。繁忙期の生産能力が向上し、安定した品質での供給体制が整った。
- 採択のポイント: 単に「設備を入れたい」ではなく、数値で示したことが評価につながった。
事例② 精密部品加工業|設備導入で売上10%増
- 課題: 既存設備では対応できない高精度加工の受注機会を逃しており、スクラップ率(損失)も高止まりしていた。
- 取り組み: 最新鋭の加工設備を導入し、人材配置も見直すことで生産プロセスを全体的に刷新した。
- 成果: 付加価値が従来比10%増大し、加工ミスや損失コスト(損金)の削減にも成功した。
- 採択のポイント:改善効果を具体的な数字とグラフで表現することで、事業計画書の説得力を高めたことが採択につながった。
事例③ アパレル製造業|裁断機導入で作業効率30%向上
- 課題: 熟練の職人による手作業に依存した裁断工程がボトルネックとなっており、受注増加への対応と技術継承が課題だった。
- 取り組み: 新工場への移転に合わせて自動裁断機を導入。手作業で行っていた裁断工程の機械化を推進した。
- 成果: 旧来の機械と比較して作業効率が約30%向上。職人の技術に依存していた工程が標準化され、安定生産が可能になった。
- 採択のポイント:設備導入で「どう標準化するか」という革新性と、具体的な効率化数値を示したことが評価された。
事例④ 建設業|ドローンで点検を省人化・安全化
- 課題: インフラ点検の足場組み作業に伴う墜落リスクと、点検に要する長い所要時間が経営上の制約になっていた。
- 取り組み: 高性能ドローンと撮影データを管理するクラウドシステムを導入し、点検業務の安全性向上と効率化を実現した。
- 成果: 足場組みが不要になることで危険作業が大幅に減少。点検所要時間も短縮し、1チームあたりの対応件数が増加した。
- 採択のポイント: 定量的な効率改善効果を事業計画書で丁寧に説明したことが採択につながった。
事例⑤ 酒造業|全自動化で高品質化を実現
- 課題: 瓶詰や火入れ(殺菌)工程が手作業中心で、外気温の影響による品質ブレが生じていた。
- 取り組み: 瓶詰や火入れといった工程の全自動化を実現し、外気温に触れる前に充填できる設備を導入。
- 成果: 品質の安定化と衛生管理水準の向上を達成。輸出対応可能な品質基準を満たせるようになり、販路が国内から海外へと広がった。
- 採択のポイント:ものづくり補助金の「政策面」の審査基準に強く合致していた点が評価された。
上記の事例は弊社の申請サポートにより実際に採択された事例をベースにご紹介しています。申請をご検討の方はぜひ一度ご相談ください。
ものづくり補助金 直近採択率
ものづくり補助金は申請したら必ず活用できる補助金ではなく、申請後に事務局から採択されなければ活用することはできません。以下では、過去のものづくり補助金の採択率を確認していきましょう。
かつては採択率50%前後の回もありましたが、直近では30〜35%程度まで低下しており、「とりあえず申請すれば通る補助金」ではなくなっています。実際、直近の第19次〜第21次公募では、高付加価値化枠の採択率は約32〜35%前後で推移しています。
詳しくはこちら:【2026年最新】ものづくり補助金23次までの採択率を分析|最近の不採択傾向とは?
ものづくり補助金 審査観点
ものづくり補助金の審査項目について見ていきましょう。すべての審査観点を網羅する必要はありませんが、バランスの良い事業計画書を作成しなければ採択はできません。
(1)技術面
- 新商品や新サービスは革新的な取り組みか
- 課題が明確で、課題を解決させる事業であるか
- 事業に取り組めるだけのリソースがあるか
(2)事業化面
- 人材・財務状況は十分か
- 新事業のマーケティングができているか
- 無理なく事業を行えるスケジュールか
- コストパフォーマンスは高いか
(3)政策面
- 地域貢献できる事業か
- ニッチな分野で高いシェアを確保できるか
- 難しい課題について各連携帯で協力し解決できるか
- 新しいデジタル技術やビジネスモデルを活用しているか
- コロナに対応した事業か
実際、近年は採択率も以前より低下しており、「とりあえず申請」では通りにくくなっています。そのため、最近の審査傾向や採択されやすい事業計画の特徴を理解したうえで準備することが重要です。
ものづくり補助金の審査観点や最近の採択傾向については、以下の記事で詳しく解説しています。
詳しくはこちら:【2026年最新】ものづくり補助金で採択される会社は何が違う?審査観点を解説
第17次以降は高等審査も加わる
採択率を上げる5つの実務ポイント
申請検討中・希望の方
補助金申請は膨大な時間と労力をかけても、採択されなければ一円も入ってきません。だからこそ、採択の可能性を最大限に高めるためには、“経験ある専門家の力を借りる”ことが最も合理的な選択肢です。
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参考・引用資料
本記事は以下の公式資料をもとに作成しています。
免責事項・ご注意
本記事について
本記事は、中小企業庁およびものづくり補助金事務局が公表している公式資料をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の補助金申請の採択を保証・推奨するものではありません。
制度変更について
ものづくり補助金は、公募回ごとに補助率・補助上限額・対象要件・スケジュール等が変更される場合があります。また、2026年度以降は「新事業進出・ものづくり補助金」として制度再編が行われる可能性もあります。制度内容は予告なく変更される場合があるため、申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
申請の際は必ずご確認ください
- ものづくり補助金総合サイトに掲載されている最新公募要領
- GビズIDプライムアカウントの取得状況
- 認定支援機関または中小企業診断士等の専門家への相談
損害免責
本記事の情報に基づいて生じた損害・損失・不利益について、当社は一切の責任を負いかねます。
著作権
本記事の文章・構成の著作権は leon-strategy.com に帰属します。引用・転載の際は出典を明記してください。
PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。
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