【2026年最新】専門・技術サービス業の持続化補助金|採択事例14件と申請のコツ

小規模事業者持続化補助金 補助金

士業や写真館、コンサルティングなどの専門・技術サービス業が小規模事業者持続化補助金を使うとき、何に投資して採択されているのか。この記事では、公開されている専門・技術サービス業の採択事例14選を取組内容ごとに整理し、この業種ならではの傾向と、採択につなげるための申請のポイントをまとめます。自社の集客と販路開拓のヒントとして役立ててください。

(事例の一次出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ。本記事は同事例をもとにレオン・ストラテジーが分類・分析したものです)

小規模事業者持続化補助金とは?

持続化補助金は、ものづくり補助金新事業進出補助金デジタル化・AI導入補助金と並び、通年で公募が行われている補助金です。年3〜4回の公募サイクルで実施されており、申請のチャンスが複数あります。

補助上限額は最大250万円(インボイス・賃上げ等の特例要件を満たした場合)、補助率は2/3〜最大3/4。小規模事業者にとって、自己負担を抑えて新しい挑戦ができる大きなチャンスです。令和8年度の予算規模は総額3,400億円にも上り、毎年約3万件以上の応募があります。

詳しくはこちら:【2026年】小規模事業者持続化補助金の最新情報を解説!

専門・技術サービス業の採択事例にみる傾向

専門・技術サービス業14件を取組内容で分類すると、内訳は次のとおりです。

取組カテゴリー 件数
ホームページ制作・改修 9
チラシ・パンフ・DM 1
パッケージ・ブランディング 1
広告・SNS・Web広告 1
予約・POS・業務システム 1
機械・設備導入 1
合計 14

ここに専門・技術サービス業ならではの特徴が出ています。圧倒的に多いのがホームページで、動画やロゴ制作といったブランディングがそれに続きます。これらに共通するのは、**「形のない専門サービスを、目に見える形にして伝える」**という狙いです。

士業やコンサル、写真・映像サービスは、提供価値が外から見えにくく、「どこも同じでは」と思われがちです。採択事例を見ると、その無形の専門性を、Webサイト・説明動画・ロゴで可視化し、新規顧客や継続契約につなげる取組が中心になっています。

つまり専門・技術サービス業で持続化補助金を活かすなら、**「自社の専門性や提供価値を、どう見える形にして、どの顧客に伝えるか」**を具体的に描くことが出発点になります。

注目の採択事例3選

まず、取組の中身がイメージしやすい3件を、公開情報をもとに紹介します。

説明動画で「どこも同じ」の壁を破る|Brew株式会社(ホームページ制作)

取組内容:日本ではあまり見かけない「ホワイトボードアニメーション動画」を作成。自社の特徴や強みをシンプルで分かりやすい動画にして、ホームページに掲載した。

成果:動画で説明することで、「研修なんてどこも同じ」という顧客の既成概念を破り、自社の強みを伝えられるようになった。動画の提供開始から5か月程度で新規顧客を4社獲得した。

事業者の声:動画作成にあたって自社の特徴や強みを改めて考え直す機会を得たことで、営業時の会社紹介や商談で強みを訴求しやすくなった。アニメーション動画という目新しさもあり、視聴者からの評判も良い。

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ)

ロゴで士業の堅いイメージを変える|星田税務会計事務所(ブランディング)

取組内容:堅苦しい税理士事務所のイメージを払拭するため、自らの苗字に含まれる「星」を用いた親しみやすいロゴマークを制作。創業者支援や相続業務に特化したリーフレットにロゴを掲載し、金融機関などへの営業に活用した。

成果:インパクトのあるロゴを名刺・Webサイト・SNSにも展開したことで、営業活動で相手の印象に残ることが増え、人脈形成やその後の受任に大いに役立った

事業者の声:開業間もない時期に経営計画を策定し、事務所の強みや方向性、ブランディングを考えたことは有益だった。商工会議所からの営業活動に関する助言も成功の要因だった。

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ)

新機材で撮影サービスを拡充し単価を上げる|なかじま写真(機械・設備導入)

取組内容:高解像度対応機器を導入してドローン空撮サービスを拡充し、販促ツールを作成。印刷媒体にも使える素材提供を可能にし、PR用VTRの制作や映像素材の提供といった新たな需要に対応した。

成果:通常の写真撮影に加え、ドローンによる動画・静止画撮影サービスを提供できるよう設備を増強。高品質で臨場感のあるイメージカットを提供することで、新規顧客の獲得と単価アップにつなげた。

事業者の声:出張デモフライトは、製作段階で顧客とのイメージ共有が容易になり、業務効率の改善や納期短縮、コスト削減にもつながり、顧客満足度の高い価値を提供できた。

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ)

取組カテゴリー別のポイント

3件のように、専門・技術サービス業の取組はカテゴリーごとに勘どころが異なります。

ホームページや動画は最多で、無形のサービスを分かりやすく伝え、新規顧客の問い合わせや契約につなげる取組が中心です。ここで注意したいのは、ウェブサイト関連費には上限がある点です。補助金交付申請額の4分の1、最大50万円までで、しかもこの費目だけでは申請できません。サイトや動画中心の計画でも、広報費など他の経費と組み合わせて設計します。

ロゴ・パンフレットなどのブランディングは、専門性や信頼感を伝え、営業活動の武器になります。誰に・どの場面で使い、どう受注につなげるかまで描けている計画が評価されます。

機材・設備導入は、新しいサービスメニューを生み出して単価を上げる取組です。その設備が新規顧客の獲得や単価アップにつながることを説明できれば対象になり得ます。映像・印刷物などの制作物を伴う場合は製造業の採択事例、IT・システム寄りの取組なら情報通信業の事例もあわせて参考になります。

専門・技術サービス業が採択されるための申請のポイント

事例から見えてくる、この業種特有の落とし穴と対策を整理します。

無形の価値を「見える化」する。 専門サービスは中身が伝わりにくく、価格競争に巻き込まれがちです。Webサイト・動画・ロゴで自社の専門性や提供価値を可視化し、それがどんな顧客に響くのかを示すと評価されます。

「誰に・何が刺さるか」を具体化する。 「丁寧に対応します」では弱く、ターゲット顧客とその課題、自社だからこそ提供できる価値を明確にします。

契約獲得・継続率で効果を語る。 士業やコンサルは単発でなく継続契約が収益の柱です。新規契約件数や継続率、紹介の増加といった数字で効果を裏づけます。

ウェブ費の上限を前提に経費を組む。 ウェブサイト関連費は交付申請額の4分の1・最大50万円までで、単独申請もできません。広報費や機械装置費と組み合わせて全体を設計します。

持続化補助金の直近採択率

正直に申し上げると、直近の持続化補助金の難易度は上がっており、採択結果は非常に厳しいものとなっております。最新】小規模事業者持続化補助金の第16回情報が公開?今後のスケジュールに関して解説。

たとえば第16回締切分の結果は、7371件の申請のうち2741件、採択率は37.2%でした。これは前回(第15回)の採択率41.8%を下回り、過去最低となる事業者にとって非常に厳しい結果となりました。

ただし上の数字が示すとおり、公募回によって40%を切ることもあれば50%を超えることもあります。最終的に明暗を分けているのは事業計画書の完成度です。

記事:【令和8年度】補助金採択率が急減!原因と成功の秘訣を解説

専門・技術サービス業の採択事例14選(全一覧)

公開されている専門・技術サービス業の採択事例を一覧にまとめました。自社の取組に近いものを探す際の参考にしてください。

企業名 取組カテゴリー 取組概要
日の出写真館 チラシ・パンフ・DM 新しい写真プランの提案で売り上げ30%アップ
星田税務会計事務所 パッケージ・ブランディング 事務所ロゴ制作による認知度向上と販促活動への活用
冨士寫眞館 ホームページ制作・改修 情報発信でPR全開!ホームページ・チラシ作成事業
有限会社ビレジ 広告・SNS・Web広告 ドローンによる建設竣工写真撮影販売を強化し、売上増大を図る
株式会社コムラッドファームジャパン ホームページ制作・改修 月額サービスの立ち上げで新規顧客獲得と経営の安定化を目指す
ユーリンク株式会社 ホームページ制作・改修 小規模IT企業が自社メディアを持つことによる社会貢献
color food ホームページ制作・改修 歌って踊れるフードクリエイター
Brew株式会社 ホームページ制作・改修 当社の特徴を伝えるホワイトボードアニメーション動画を作成!
オフィス・メイプル ホームページ制作・改修 廉価な新設(オンデマンド)教室で新規顧客獲得とIT活用推進!
先山社会保険労務士事務所 ホームページ制作・改修 運輸業のトータルサポート
株式会社Kiraba ホームページ制作・改修 写真のレタッチサービスやストックフォトサービス等をウェブで展開
株式会社エー・ジー・エム ホームページ制作・改修 販促用品・キャラクターグッズ・記念品の生産を少量・短納期で対応
株式会社ドリームディレクション 予約・POS・業務システム 情報発信ツール活用し、小規模事業者の広告戦略を支援!!
なかじま写真 機械・設備導入 従来の撮影サービスに付加してドローンでの新しいサービス提供

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビをもとにレオン・ストラテジーが分類・作成)

上の一覧は、各事例の取組概要のみを掲載しています。それぞれの事業者がどんな課題からどう計画を組み立て、どの取組で採択に至ったのか、そして自社の場合に何をどう使えるのかといった具体的な活用方針は、個別の面談でお話ししています。 「自分の事業だとどの事例が近いか分からない」「うちのサービスのPRや機材が対象になるか知りたい」という段階でも構いません。240社以上の支援実績をもとに、自社に合った進め方を一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

士業や専門サービス業でも持続化補助金は使えますか?

使えます。専門・技術サービス業は常時使用する従業員が5名以下であれば小規模事業者に該当します。個人で営む事務所も対象です。

開業したばかりでも申請できますか?

申請できます。法人・個人事業主のどちらでも対象です。開業間もない事務所がブランディングやWebに活用した採択事例もあります。

補助金額の上限と補助率はどのくらいですか?

一般型・通常枠の場合、補助上限は50万円、補助率は3分の2が基本です。賃上げなどの特例や創業型では上限が異なります。公募回によって条件が変わるため、申請前に最新の公募要領で確認してください。

無形のサービスでも対象になりますか?

なります。サービスを紹介するホームページ・説明動画・ロゴ・パンフレットなど、新規顧客の獲得につながる販路開拓の取組が対象です。

説明動画やロゴの制作費は対象ですか?

対象になり得ます。動画やWebはウェブサイト関連費(上限あり)、ロゴやパンフレットは広報費として扱われることが多く、経費区分の確認が必要です。

撮影機材やソフトの購入に使えますか?

新しいサービスメニューで新規顧客の獲得や単価アップにつながる場合は対象になり得ます。汎用的な備品の更新は対象になりにくいです。

予約システムや業務システムの導入は対象ですか?

業務効率化や販路開拓につながるものは対象になり得ます。ウェブを介する場合はウェブサイト関連費の上限の対象になることがあります。

商工会議所・商工会の会員でないと申請できませんか?

会員でなくても申請できます。 ただし申請には商工会議所または商工会が発行する事業支援計画書(様式4)が必須です。発行には日数がかかるため、締切から逆算して早めに相談してください。

補助金はいつ受け取れますか?

後払い(精算払い)です。 採択後すぐに入金されるわけではなく、交付決定を受けてから補助事業を実施し、実績報告を提出して金額が確定した後に振り込まれます。先に自己資金で支払う必要がある点に注意してください。

関連する業種の採択事例

自社の業態に近い業種の事例もあわせてご覧ください。

専門・技術サービス業の持続化補助金について、自社の専門性をどう見える化して新規顧客につなげるか、どの経費区分で組むべきか迷う場合は、計画段階からの伴走支援をご利用ください。240社以上の支援実績をもとに、採択される事業計画づくりをお手伝いします。

出典・参考資料

免責事項・ご注意

  • 本記事について
    本記事は、中小企業庁・補助金事務局が公表している公式資料をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の補助金申請の採択を保証・推奨するものではありません。
  • 制度変更について
    本補助金は公募回(現在:第19回)ごとに要件・補助率・スケジュール・申請枠が変更される場合があります。また申請窓口は商工会地区と商工会議所地区で異なります(事業支援計画書(様式4)の発行先が異なるため、事前に自社の管轄を必ずご確認ください)。
  • 申請の際は必ずご確認ください
    商工会議所地区 補助金事務局サイトに掲載の最新公募要領
    管轄の商工会または商工会議所への事前相談(様式4の発行受付締切に注意)
    認定支援機関または中小企業診断士等の専門家への相談
  • 損害免責
    本記事の情報に基づいて生じた損害・損失・不利益について、当社は一切の責任を負いかねます。
  • 著作権
    本記事の文章・構成の著作権は leon-strategy.com に帰属します。引用・転載の際は出典を明記してください。

PROFILE

神谷 恒一
神谷 恒一
中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。

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