【2026年最新】自動車整備業の持続化補助金|採択事例13件と販路開拓のコツ

小規模事業者持続化補助金 補助金

自動車整備業やその他のサービス業が小規模事業者持続化補助金を使うとき、何に投資して採択されているのか。この記事では、公開されている自動車整備業・その他サービス業の採択事例13選を取組内容ごとに整理し、この業種ならではの傾向と、採択につなげるための申請のポイントをまとめます。自社の販路開拓のヒントとして役立ててください。

(事例の一次出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ。本記事は同事例をもとにレオン・ストラテジーが分類・分析したものです)

小規模事業者持続化補助金とは?

持続化補助金は、ものづくり補助金新事業進出補助金デジタル化・AI導入補助金と並び、通年で公募が行われている補助金です。年3〜4回の公募サイクルで実施されており、申請のチャンスが複数あります。

補助上限額は最大250万円(インボイス・賃上げ等の特例要件を満たした場合)、補助率は2/3〜最大3/4。小規模事業者にとって、自己負担を抑えて新しい挑戦ができる大きなチャンスです。令和8年度の予算規模は総額3,400億円にも上り、毎年約3万件以上の応募があります。

詳しくはこちら:【2026年】小規模事業者持続化補助金の最新情報を解説!

自動車整備業の採択事例にみる傾向

自動車整備業・その他サービス業13件を取組内容で分類すると、内訳は次のとおりです。

取組カテゴリー 件数
機械・設備導入 4
ホームページ制作・改修 4
その他販路開拓 2
チラシ・パンフ・DM 2
看板・サイン 1
合計 13

ここに自動車整備業ならではの特徴が出ています。機械・設備の導入とホームページが同数で並ぶのが特徴です。これは、設備で対応できる車種やサービスの幅を広げて新規受注を取り込む取組と、ホームページや看板で技術と信頼を見せて来店を促す取組の、二つの方向があるからです。

整備業は「どこに頼んでも同じ」と思われやすく、また地域密着で商圏も限られます。採択事例を見ると、大型車両への対応やコーティング専用設備のように、他店にはない対応力を設備で獲得し、それを武器に新規顧客を開拓する取組が目立ちます。出張修理のように、商圏を物理的に広げる取組も見られます。

つまり自動車整備業で持続化補助金を活かすなら、「設備やサービスで何を強化し、どの新しい顧客層を取り込むか」を具体的に描くことが出発点になります。

注目の採択事例3選

まず、取組の中身がイメージしやすい3件を、公開情報をもとに紹介します。

大型車対応の設備で新規顧客を獲得|西部オート(機械・設備導入)

取組内容:町内で唯一大型自動車を整備できる強みを活かし、エアーコンプレッサーを導入して販路開拓を図った。地域の消防団体をはじめ、大型車保有者をターゲットにした営業活動を行った。

成果:これまでは1台のコンプレッサーで普通車・大型車の両方に対応しており、依頼に応えきれず売り逃しが発生していた。設備導入により町内外の大型車の受注が増え、新規顧客を約20件獲得、売上高は前年比3%程度増加した。

事業者の声:今回は整備事業が中心となったため営業活動に課題が残った。今後は商工会から営業活動の支援を受けながら、事業承継につなげていきたい。

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ)

専用設備の「見える化」で安心感を訴求|ケースタイルオート(機械・設備導入)

取組内容:コーティングの品質を上げるため、作業場兼車庫にシャッターやLED照明12台などの専用設備工事を実施した。

成果:来店客が専用設備を見て安心して施工を依頼してくれるようになり、個人客比率が10%程度増加。同業者から共同作業を依頼されることも増え、平均売上も20%程度増加した。炎天下や夜間・雨天でも作業が可能になり、作業効率も上がった。

事業者の声:専用設備工事により個人客が増え、同業者から共同作業の依頼や紹介を受ける店舗になった。今後も毎年ブラッシュアップを行い、さらに発展させていきたい。

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ)

出張修理サイトで遠方顧客を開拓|友輪館野辺地(ホームページ制作)

取組内容:首都圏など遠方からのバイクツーリング客向けの出張修理サービスの告知と、ライダー間のコミュニケーション機能を兼ねたホームページを作成し、スマホ対応も整備した。

成果:実施後すぐに検索サイト経由で3件の依頼があった。バイクの応急修理だけでなく、除雪機のエンジントラブルなど機械修理の依頼も増え、販路拡大につながった。

事業者の声:「気軽に立ち寄れる町のバイク屋さん」として高い技術とサービスを提供したいと考えていた。商工会からの提案で引き合いが増えた。今後は後継者候補の長男も巻き込みながら事業展開したい。

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ)

取組カテゴリー別のポイント

3件のように、自動車整備業の取組はカテゴリーごとに勘どころが異なります。

機械・設備導入は、対応できる車種やサービスの幅を広げて新規受注を取り込む取組です。採択されるのは、その設備が新たな顧客の獲得や新サービスの提供につながることを明確に説明できている場合です。単なる老朽設備の更新は対象になりにくいです。

ホームページは、技術力や対応サービスを掲載し、検索からの問い合わせや来店につなげる取組です。ここで注意したいのは、ウェブサイト関連費には上限がある点です。補助金交付申請額の4分の1、最大50万円までで、しかもこの費目だけでは申請できません。広報費など他の経費と組み合わせて設計します。

看板・チラシは、地域内での認知度を高め、来店動機をつくる取組です。設備や機械の修理・製造に関わる取組は製造業の採択事例も参考になります。

自動車整備業が採択されるための申請のポイント

事例から見えてくる、この業種特有の落とし穴と対策を整理します。

設備導入は「販路開拓」と必ず結びつける。 整備業は設備投資が多い業種ですが、「古くなったから買い替える」では通りません。その設備で対応できる車種・サービスがどう広がり、どんな新規顧客を取り込めるかを明確にします。

地域密着の強みと新規開拓を両立させる。 商圏が限られるからこそ、大型車対応・専門特化・出張対応など、他店にない切り口で新しい顧客層を狙う計画が評価されます。

設備の「見える化」を集客につなげる。 専用設備や対応力を顧客に見せることで安心感が生まれ、来店や成約につながります。その流れを計画書で描きます。

ウェブ費の上限を前提に経費を組む。 ウェブサイト関連費は交付申請額の4分の1・最大50万円までで、単独申請もできません。広報費や機械装置費と組み合わせて全体を設計します。

持続化補助金の直近採択率

正直に申し上げると、直近の持続化補助金の難易度は上がっており、採択結果は非常に厳しいものとなっております。最新】小規模事業者持続化補助金の第16回情報が公開?今後のスケジュールに関して解説。

たとえば第16回締切分の結果は、7371件の申請のうち2741件、採択率は37.2%でした。これは前回(第15回)の採択率41.8%を下回り、過去最低となる事業者にとって非常に厳しい結果となりました。

ただし上の数字が示すとおり、公募回によって40%を切ることもあれば50%を超えることもあります。最終的に明暗を分けているのは事業計画書の完成度です。

記事:【令和8年度】補助金採択率が急減!原因と成功の秘訣を解説

自動車整備業の採択事例13選(全一覧)

公開されている自動車整備業・その他サービス業の採択事例を一覧にまとめました。自社の取組に近いものを探す際の参考にしてください。

企業名 取組カテゴリー 取組概要
Body Shop神谷 その他販路開拓 リフトの導入で作業効率をアップし顧客対応頻度のアップに成功
吉松自動車有限会社 看板・サイン 「デザイン看板でアピール」総合オートショップ!
日之影自動車整備工場 機械・設備導入 大型車両にも対応できる機器を導入し、顧客需要に対応
西部オート 機械・設備導入 大型車両の整備機器導入による新規顧客獲得の取り組み
ちいさな伝記株式会社(その他サービス) ホームページ制作・改修 古いアルバム写真を整理して、個人や会社のオリジナルストーリーを紡ぐ
K.D.S(その他サービス) ホームページ制作・改修 これまでにない手法の広告実施で成約増に成功
有限会社有福モータース ホームページ制作・改修 ロードサービス部門を強化し、地域貢献と持続的発展を両立する
大喜工業株式会社(その他サービス) チラシ・パンフ・DM 清掃から工事まで、「水のプロ集団」が掲げるトータルサービス
友輪館野辺地 ホームページ制作・改修 出張バイクレスキューサービスによる遠方顧客の開拓プロジェクト
Balloonmilk(その他サービス) チラシ・パンフ・DM バルーンアートの利用シーンを遡求しオーダーメイドにも対応
ケースタイルオート 機械・設備導入 高級外車にターゲットを絞ったトータルリファイン事業
Grun technisch その他販路開拓 移動修理作業車の機能アップで取引機会増に成功
えびす島鉄工(機械修理) 機械・設備導入 幅広い素材に対応できる工具の導入で、顧客需要に対応

(出典:中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビをもとにレオン・ストラテジーが分類・作成)

上の一覧は、各事例の取組概要のみを掲載しています。それぞれの事業者がどんな課題からどう計画を組み立て、どの取組で採択に至ったのか、そして自社の場合に何をどう使えるのかといった具体的な活用方針は、個別の面談でお話ししています。 「自分の工場だとどの事例が近いか分からない」「うちの設備投資が対象になるか知りたい」という段階でも構いません。240社以上の支援実績をもとに、自社に合った進め方を一緒に整理します。まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

自動車整備業でも持続化補助金は使えますか?

使えます。自動車整備業などのサービス業は常時使用する従業員が5名以下であれば小規模事業者に該当します。

個人経営の整備工場でも申請できますか?

申請できます。法人・個人事業主のどちらでも対象です。従業員数の要件を満たせば、個人経営の工場も申請できます。

補助金額の上限と補助率はどのくらいですか?

一般型・通常枠の場合、補助上限は50万円、補助率は3分の2が基本です。賃上げなどの特例や創業型では上限が異なります。公募回によって条件が変わるため、申請前に最新の公募要領で確認してください。

整備機器や設備の導入に使えますか?

新たな顧客の獲得や新サービスの提供につながる場合は、機械装置等費として対象になり得ます。対応車種の拡大など、販路開拓との結びつきを計画書で示すことがポイントです。汎用的な工具の買い替えは対象になりにくいです。

作業場や車庫の設備工事は対象になりますか?

新規顧客の獲得や成約率の向上につながる工事であれば対象になり得ます。一方で、老朽化の修繕や原状回復だけの工事は対象外です。

ホームページの制作に使えますか?

ウェブサイト関連費として対象です。ただし上限は交付申請額の4分の1・最大50万円で、この費目単独での申請はできません。広報費など他の経費と組み合わせる必要があります。

出張サービスの開始に使えますか?

新たな販路の開拓として対象になり得ます。出張用の機材導入や、その告知の広報費などが該当します。

部品代や外注の修理費は対象になりますか?

通常の部品代や外注費は対象外です。 補助の対象は、販路開拓や業務効率化のための経費に限られます。

商工会議所・商工会の会員でないと申請できませんか?

会員でなくても申請できます。 ただし申請には商工会議所または商工会が発行する事業支援計画書(様式4)が必須です。発行には日数がかかるため、締切から逆算して早めに相談してください。

補助金はいつ受け取れますか?

後払い(精算払い)です。 採択後すぐに入金されるわけではなく、交付決定を受けてから補助事業を実施し、実績報告を提出して金額が確定した後に振り込まれます。先に自己資金で支払う必要がある点に注意してください。

関連する業種の採択事例

自社の業態に近い業種の事例もあわせてご覧ください。

自動車整備業の持続化補助金について、どの設備投資が販路開拓につながるか、どの経費区分で組むべきか迷う場合は、計画段階からの伴走支援をご利用ください。240社以上の支援実績をもとに、採択される事業計画づくりをお手伝いします。

出典・参考資料

免責事項・ご注意

  • 本記事について
    本記事は、中小企業庁・補助金事務局が公表している公式資料をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の補助金申請の採択を保証・推奨するものではありません。
  • 制度変更について
    本補助金は公募回(現在:第19回)ごとに要件・補助率・スケジュール・申請枠が変更される場合があります。また申請窓口は商工会地区と商工会議所地区で異なります(事業支援計画書(様式4)の発行先が異なるため、事前に自社の管轄を必ずご確認ください)。
  • 申請の際は必ずご確認ください
    商工会議所地区 補助金事務局サイトに掲載の最新公募要領
    管轄の商工会または商工会議所への事前相談(様式4の発行受付締切に注意)
    認定支援機関または中小企業診断士等の専門家への相談
  • 損害免責
    本記事の情報に基づいて生じた損害・損失・不利益について、当社は一切の責任を負いかねます。
  • 著作権
    本記事の文章・構成の著作権は leon-strategy.com に帰属します。引用・転載の際は出典を明記してください。

PROFILE

神谷 恒一
神谷 恒一
中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。

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