ものづくり補助金平成24年度青森県

地域資源を活かした清涼飲料商品展開事業

八戸製氷冷蔵株式会社

この事例のポイント

  • 青森県南部の果樹生産現場では規格外品の処理が課題となっている。
  • 地場産果実を原料とした新規清涼飲料の開発のため、果汁及び酸味料・糖類等を調合済みの溶液に炭酸ガスを圧入するプレミックス法を採用した設備を導入した。
  • 果汁入り清涼飲料の多品種小ロット生産が可能となり、量産体制を確立することができた。

事業者のプロフィール

事業者名八戸製氷冷蔵株式会社
所在地青森県 八戸市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野冷凍空調
従業員数16人
資本金3,375万円
設立1921年

事業の背景

青森県南部地方は農業が盛んで、果実類は既に認知されブランド化している。しかし付加価値を高めた加工商品は少なく、例えば八助梅は漬物やジャムなどにしか加工されていない。弊社は創業以来、三島の湧水を使った清澄な氷や清涼飲料を作り続け、清涼飲料では高い製造技術で信頼性のある地域ブランドを確立している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他青森県南部の果樹生産現場では規格外品の処理が課題となっている。
  • 新製品・新技術地場果実は漬物やジャムなどにしか加工されておらず、付加価値を高めた加工商品が少ない。
  • 生産能力現有のポストミックス法では果汁と炭酸水を混ぜると発泡するため、果汁を使った清涼飲料を製造できない。

やったこと

地場産果実を原料とした新規清涼飲料の開発のため、果汁及び酸味料・糖類等を調合済みの溶液に炭酸ガスを圧入するプレミックス法を採用した設備を導入した。試作の準備として無果汁でシミュレーションを行い、充填機・カーボネーター・キャップ巻締め機の試験運転を実施した。原材料はリンゴとイチゴを搾汁し、-30℃以下の凍結室で凍結処理した後、-20℃以下の冷蔵庫で静置保管し、解凍して使用した。搾汁した果汁と濃縮果汁を用いて、果汁100%・20%・2%の果汁入り炭酸飲料をそれぞれ試作開発した。

加工機プレミックス法を採用した設備
加工機充填機
加工機カーボネーター
加工機キャップ巻締め機

新しい製品・サービス:地場産果実を原料とした弊社ブランドの果汁入り炭酸飲料(プレミックス法による新規清涼飲料)

事業の効果

果汁入り清涼飲料の多品種小ロット生産が可能となり、量産体制を確立することができた。果汁100%で試作した際はカーボネーターが繊維質で目詰まりし充填できなかったが、再濾過で繊維質をさらに除去する必要があると判明した。20%および2%では搾汁技術による繊維質除去で目詰まりせず充填できた。原料果汁の搾汁精度と濾過密度には課題が残る。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来、三島の湧水を柱に清涼飲料を作り続けてきたことや、大正10年創立の歴史が書かれ、一貫した事業の流れがうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地場果実のブランド力や高い製造技術は書かれるが、大手メーカーとの競争における自社の優位性は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    ポストミックス法では果汁入り炭酸が作れない課題を認識し、プレミックス法の導入とOEM受注体制の整備で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    量産化やOEM生産の方向は書かれているが、付加価値額や賃上げなどの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員16名と記載があるのみで、補助事業を担う具体的な人材や事務体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    リンゴ・イチゴなど地場果実の多品種小ロット生産と、生産者向けOEMという対象は示されているが、顧客ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作での繊維質による目詰まりを特定し、再濾過が必要と判明した点など課題と対策は書かれるが、量産までのスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    地場産果汁を使った果汁入り清涼飲料は既存の付加価値加工品が少ないと記載され、高付加価値化を狙う方向がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地場特産品のブランド力強化と果樹生産者の市場競争力向上が目的として書かれ、地域への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    投資額に対する付加価値増加や生産性向上を示す数値は書かれておらず、費用対効果は読み取りにくい。

  • イノベーションへの貢献2

    冷凍技術の活用や果樹生産者との連携は書かれるが、デジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及はない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    成長分野への進出や構造転換を示す記述はなく、地場果実の果汁飲料への展開がわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及4

    青森県南部の果樹やリンゴ・イチゴ、八助梅、三島湧水など地域資源を活かした事業であることが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地場産果実の果汁入り清涼飲料を多品種小ロットで生産できるようになったため、弊社ブランドの果汁入り清涼飲料の開発と製品化を進め、既存の販売網に乗せて量産化を図る。あわせて果樹生産者組合や団体などに向けてOEM受注体制を整備し、付加価値のある飲料製品を生産していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。