ものづくり補助金平成24年度岩手県

水耕栽培装置開発と生産ラインの不良率低減

東北資材工業株式会社

この事例のポイント

  • 既存の水耕栽培装置「ファームボックス」は電動ポンプで養液を循環させ、LED照明を使う仕様で、配管や電力が必要だった。東日本大震災後は電力不足が社会問題となり、電力を使わない構造の新たな栽培装置が求められた。
  • 既存のファームボックスに改良を加えた二段式の発泡スチロール製プラントを製作した。
  • 土耕と水耕の長所を組み合わせ、長期間水やりが不要になった。

事業者のプロフィール

事業者名東北資材工業株式会社
所在地岩手県 花巻市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数140人
資本金1億円
設立1966年

事業の背景

当社は1966年の創業以来、発泡スチロール製品のパイオニアとして実績を積み重ねてきた。主力は魚箱などの発泡スチロール製品で、水耕栽培装置「ファームボックス」は商品化済みであった。平成23年3月の東日本大震災による津波で漁業関係者や水産加工業者が大きな損害を受け、当社の主力である発泡スチロール製の魚箱の受注量は大きく落ち込んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の水耕栽培装置「ファームボックス」は電動ポンプで養液を循環させ、LED照明を使う仕様で、配管や電力が必要だった。東日本大震災後は電力不足が社会問題となり、電力を使わない構造の新たな栽培装置が求められた。
  • 品質・精度水耕栽培装置として開発した発泡スチロール成形品は発泡倍率が低く硬いため、金型から落下して衝撃吸収マット上に着くと製品に傷が多く発生し、歩留まりが悪かった。

やったこと

既存のファームボックスに改良を加えた二段式の発泡スチロール製プラントを製作した。上段に給水シートを敷いた育苗ポットをセットし、下段に水耕養液を入れることで、植物の毛細管現象により養液が培養土へ供給される構造とした。吸水性に優れたセーム製の給水シートと培養土で試験を行い、無電源・無動力で養液を供給できることを確認した。栽培槽を種の植え付け穴の数を変えずに帯状の連続する溝型とし、植物の大きさや生育状況に応じて栽培面積を調整できるようにした。さらに金型で成型された発泡スチロールを、離型と同時にバキュームパッドで吸着してコンベアまで搬送する取り出し装置を開発した。

  • その他発泡スチロール成形品の取り出し装置バキュームパッドによる吸着搬送装置

新しい製品・サービス:ハイブリッド水耕栽培装置「プラントファクトリー」および小型の「ファームボックスキューブ」

事業の効果

土耕と水耕の長所を組み合わせ、長期間水やりが不要になった。発泡スチロールの断熱性により温度管理の手間も軽減され、養液循環ポンプや配管が不要で無電源・無動力で栽培できるようになった。栽培槽を溝型にしたことで栽培面積を自在に調整できるようになった。取り出し装置の導入により離型時の傷が発生しなくなり、不良品がなくなったことは大きな成果である。

今後の展望

「プラントファクトリー」は無電源で過酷な環境でも栽培できるため、海外の砂漠地帯や寒冷地への販売を見込み、現在、中東で販売強化を図っている。「ファームボックスキューブ」は一般家庭、ホテル、学校、公共施設などへの販売を見込んでいる。国内特許は出願済で、国際特許を出願中である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。