ものづくり補助金平成24年度宮城県

鉄道用分岐ゲージの量産化技術確立

株式会社畠茂商店

この事例のポイント

  • 分岐器のレール間隔は測りにくく、正確かつ簡便に測定できる測定器が求められていた。
  • 鉄道用分岐ゲージの試作として、本体の再設計と通信機能の追加、分岐ゲージ本体強度試験、基盤収納ボックスの試作、通信機能付傾斜計の開発、温度特性試験、振動試験の6点に重点を置いた。
  • 分岐ゲージは展示会での高い評価をもとにサンプル提供と市場調査を経て商品化され、売上は順調に伸びている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社畠茂商店
所在地宮城県 大崎市
業種機械器具卸売業
技術分野位置決め
従業員数10人
資本金1,000万円
設立2001年

事業の背景

当社は機械工具の販売と特注機械の製作を行い、近年は鉄道関連や高速道路関連の開発、特注生産設備の製作に注力していた。鉄道保線工事では計測精度の高さとデータ蓄積が必須になっており、当社は産学官連携でSELゲージを開発していた。鉄道会社の要望を受けて分岐器用の測定器の開発に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度分岐器のレール間隔は測りにくく、正確かつ簡便に測定できる測定器が求められていた。
  • 新製品・新技術分岐ゲージを量産するための技術が確立されておらず、試作段階にとどまっていた。

やったこと

鉄道用分岐ゲージの試作として、本体の再設計と通信機能の追加、分岐ゲージ本体強度試験、基盤収納ボックスの試作、通信機能付傾斜計の開発、温度特性試験、振動試験の6点に重点を置いた。外力によるたわみや変形の影響を排除するため、3次元FEM構造解析を用いて躯体と部品を設計し、測定精度を保証する剛性を確保した。分岐ゲージに接続できるブルートゥース対応のデータ送信基盤を製作し、タブレットへの測定データ送信を確立した。データ通信・集計ソフトを開発し、タブレットでのデータ表示と保存を可能にした。分岐ゲージ本体強度試験と温度特性試験は社内で実施し、振動試験は宮城県産業技術総合センターの協力を得て測定精度を確保できるよう設計に反映した。

ソフトデータ通信・集計ソフト

新しい製品・サービス:鉄道用分岐ゲージ(分岐器内ガード・フランジ巾測定器)と、通信機能付の傾斜計

事業の効果

分岐ゲージは展示会での高い評価をもとにサンプル提供と市場調査を経て商品化され、売上は順調に伸びている。傾斜計は土木・建築分野で離れた場所の測定結果を手元で確認したいという要望に応えられる見込みである。商社を通じた販売に加え、自社営業力も強化している。測定データをタブレットで表示・保存できるようになり、製品の使いやすさも高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に展示会出品や産学官連携でSELゲージを開発しており、分岐ゲージは既存の取組の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    地域の部品調達で8割を大崎市近隣から調達し、強みとして示されるが、市場での競争優位性の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決2

    鉄道会社の要望で分岐器の測定が難しいという課題は示されるが、事業計画や付加価値・成長の数値は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    試作の試験を社内実施や宮城県産業技術総合センターの協力で行うなど、遂行体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鉄道保線工事向けの測定精度・データ蓄積の必要性や、土木・建築分野からの要望は示されるが、顧客ターゲットの詳細は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作項目6点と試験の実施内容は具体的だが、量産化や海外展開のスケジュールと課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    分岐器レール間隔の測定が難しいという従来課題に対する新製品で、ニッチ分野であることは示されるが、高価格化の根拠は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    鉄道の安全な列車走行や国の鉄道システム海外展開の流れに触れ、地域の製造業者からの調達による雇用・経済波及が示される。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    ブルートゥース通信によるデータ送信・タブレット表示や産学官連携による開発が示され、デジタル活用の方向性は読み取れる。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    国の鉄道システム海外展開推進を受けた分岐ゲージの海外販売検討が書かれ、成長分野への進出の方向性がうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    大崎市近隣の製造業者から部品の約8割を調達し、メイド・イン・大崎の製品展開で地域の雇用・経済に貢献すると具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

鉄道分野はニッチながら測定業務に応じた製品展開が可能で、分岐ゲージは海外販売も視野に入れている。製品は操作が簡単で、特に発展途上国でのニーズが高いと見込んでいる。今後も大崎市近隣の製造業者との連携を基に、メイド・イン・大崎の製品展開を進め、地域活性化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。