ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業岩手県

太陽光パネル及び自動車フロントガラス等の剥離ガラスの精製装置の開発と事業化

株式会社 環境保全サービス

成果太陽光パネル全体の約95%を有価物として利用できるように

この事例のポイント

  • 太陽光パネルと自動車フロントガラスの剥離ガラスには樹脂や金属等が混入しており、リサイクルできず産業廃棄物となっている。
  • 剥離したガラスから樹脂や金属片を取り除くガラス精製装置を開発した。
  • 太陽光パネル全体の約95%を有価物として利用できるように。太陽光パネルと自動車フロントガラスの全体の約95%を資源として再活用できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 環境保全サービス
所在地岩手県 奥州市
業種その他の卸売業
従業員数25人
資本金3,600万円
設立1986年

事業の背景

当社はホウトク薬品産業の子会社として環境用品やリサイクル機械等を開発・販売してきた。ガラスリサイクル事業には平成12年より取り組んでいる。平成25年にはアルミ枠解体機と剥離解体機「ガラスわけーる」を開発し、金属、樹脂、ガラス類への分離分別が可能となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力太陽光パネルと自動車フロントガラスの剥離ガラスには樹脂や金属等が混入しており、リサイクルできず産業廃棄物となっている。
  • 新製品・新技術剥離したガラスから異物を除去する精製システムが必要であった。

やったこと

剥離したガラスから樹脂や金属片を取り除くガラス精製装置を開発した。精製工程は、ホッパーから投入したガラスを風力選別機で微粉や細かい混入樹脂を除去し、色選別ソーターでガラスに付着した樹脂を分別除去する。続く金属検出器で銅線を主とした金属類を分別除去し、精製ガラスを取り出す。投入ホッパー、風力選別機、色選別機、金属検知機、各検知器をつなぐバケットコンベアを本補助事業により導入した。昨年開発した「ガラスわけーるⅡ型」で剥離したガラスを用いて分離試験を行った結果、太陽光パネル・自動車フロントガラスともに重量の約88%を工業用原料に活用できる良品として採取でき、当初の目標を達成した。

加工機投入ホッパー
加工機風力選別機
加工機色選別機
検査測定金属検知機
その他バケットコンベア

新しい製品・サービス:太陽光パネル・自動車フロントガラスの分別・精製システム(ガラス精製装置)

事業の効果

  • 太陽光パネル全体の約95%を有価物として利用できるように
  • 重量の約88%を工業用原料に活用できる良品として採取

太陽光パネルと自動車フロントガラスの全体の約95%を資源として再活用できるようになった。従来産業廃棄物として最終処分されていたガラスが、グラスファイバーや標識等の有価物、ガラスビーズの原料として再利用可能になる。ガラスリサイクル事業と装置販売事業の2本柱で展開し、一連のリサイクルシステムを持つのは当社のみであるため、価格競争に巻き込まれず適正な利益を確保できる見込みである。複数社から問い合わせも受けている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成12年からのガラスリサイクル事業と平成25年の装置開発という過去の取組との連続性が読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国初の取り組みで一連のシステムを持つのは当社のみとあり、競争優位は読み取れる。ただし市場動向の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    従来産業廃棄物となっていたガラスを工業用原料に変える課題に対し、重量の約88%を良品として採取でき、全体の約95%を資源化できると書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    重量の約88%を工業用原料として採取でき当初目標を達成したとあり、付加価値向上の目標と達成見込みが数字で示されている。賃上げへの言及はない。

  • 事業を進める体制2

    専用工場の建設中とあるが、人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    精製ガラスを工業用原材料やグラスファイバー等に使えると用途が示され、複数社から問い合わせを受けているとあり、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    ガラスリサイクル専用工場の建設や装置販売の展開など今後の計画は示されるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    太陽光パネル・自動車フロントガラスの完全リサイクルは全国初の取り組みで、現時点で一連のシステムを擁するのは当社のみとある。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    少資源国のわが国に必須の事業で循環型社会形成に貢献するとあり、有価物の再利用による国の政策的意義が示されている。

  • 費用対効果3

    投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は示されていないが、産業廃棄物の再資源化率95%という成果は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    ホッパーから金属検出までを連結した精製システムを開発し、廃棄物から工業原料を生むリサイクル体系を構築している。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    循環型社会形成や資源の有効活用に資するとあるが、日本経済の構造転換との関係は具体的に書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    東北の岩手県奥州市での事業とわずかに読み取れるが、地域の雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ガラスリサイクル事業専用工場を建設中で、太陽光パネル・自動車フロントガラスのリサイクル事業は全国初の取り組みである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。