ものづくり補助金平成27年度卸売業、小売業宮城県

加工食品開発における新たな分析ニーズへの対応

株式会社フードケアリ

成果栄養成分分析の所要時間 14日→7日

この事例のポイント

  • 栄養成分表示の義務化(平成32年)への対応と、異物クレーム発生時の迅速な対応および異物混入防止の体制づくりが求められている。
  • ものづくり補助金を活用し、栄養成分分析器「カロリーアンサー」と、混入異物を分析するフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を導入した。
  • 栄養成分分析の所要時間 14日→7日。導入した機器により、栄養成分分析は半月ほどから1週間に、異物分析は1週間から1カ月以上かかっていたものが数日間に短縮さ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フードケアリ
所在地宮城県 仙台市
業種飲食料品卸売業
技術分野測定計測
従業員数12人
資本金1,200万円
設立2005年

事業の背景

同社は食品添加物や食品素材、環境衛生関連製品を選定・提案して販売する企業で、東北から関東を中心に事業を展開している。新商品開発サポートなどに取り組んでいるが、日々増える栄養成分や異物の分析依頼に対し、より詳細な分析は外部機関に依頼していた。近年は新商品の開発サイクルが短期化しており、迅速な分析結果の提供が必要になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑栄養成分表示の義務化(平成32年)への対応と、異物クレーム発生時の迅速な対応および異物混入防止の体制づくりが求められている。
  • コスト・採算栄養成分分析は半月ほど、異物分析は1週間から1カ月以上を要しており、分析結果が出るまでのタイムラグが課題となっていた。
  • 人手・技能中小規模の食品製造事業者は計測機器や検査体制が不十分で、専門知識を持つ人材も不足しており、外部機関に分析を委託せざるを得ない状況だった。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、栄養成分分析器「カロリーアンサー」と、混入異物を分析するフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を導入した。これにより社内で栄養成分分析と異物分析を行えるようにし、スピード感のある対応力の強化と、両者の有償サービス化を目指した。導入後、カロリーアンサーでとり釜飯の素、ストレートタイプの鍋スープ2種、調味液入りミートボール、キムチの計5商品を検査し、表示の栄養成分と比較して確からしい分析値が得られることを確認した。FT-IRでは、従来自社では同定が難しかった透明フィルム状のポリエチレンとナイロンを検体にして測定シミュレーションを行い、分析準備、計測、報告書作成までの所要時間も計測した。

検査測定カロリーアンサー
検査測定フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)

新しい製品・サービス:栄養成分分析と異物同定の有償サービス

事業の効果

  • 栄養成分分析の所要時間 14日→7日
  • 異物分析の所要時間 30日→3日

導入した機器により、栄養成分分析は半月ほどから1週間に、異物分析は1週間から1カ月以上かかっていたものが数日間に短縮され、報告書作成までの時間も大幅に短くなった。平成29年4月には栄養成分分析と異物同定の有償サービスを開始し、従来の半額近い費用で分析できることから、顧客からの発注や問い合わせが増えている。異物同定サービスは異物混入前からの営業ツールとしても展開し、顧客の長期的な事業継続を支えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事業の柱は食品添加物や素材の販売と分析サービスとあり、分析サービスを強化する方向性は読み取れるが、過去の取組との連続性を示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    東北で新商品開発サポートを行う同業他社は少ないとあり、年間500の新商品開発に携わるデータ蓄積を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    分析に半月、異物分析に1カ月以上かかっていた課題に対し、栄養成分は1週間、異物は数日に短縮したと具体的な数字で示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    従来の半額近い費用で分析できるとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    年間500の新商品開発に携わる専門スタッフがいると記述があるが、補助事業を遂行する体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異物同定サービスは混入前のアプローチが特徴で、顧客ニーズや選ばれる理由が事例の中で具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は地域の水産物や農産品の開発、海外の製造サポート案件が増えると述べられているが、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    新商品開発サポートを行う同業他社は東北でも数少ないとあり、同分野での希少性がうかがえるが、高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    表示義務化や異物クレーム対応など食の安全に関する社会的な課題に触れており、公的な意義はうかがえるが、経済波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    分析期間が半月から数日に短縮され、従来の半額近い費用で分析できるとの効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    FT-IRや栄養成分分析器の導入でサービスを強化したとあるが、サプライチェーン全体への貢献の記述は限定的である。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    東北から関東を中心に事業展開し、地域の水産物や農産品を用いた商品開発に言及しているが、地域経済への効果は数字で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地域の水産物や農産品を用いた商品開発や、海外における食品製造サポートの案件が増えてくると見込んでいる。補助事業で導入した機器をさらに活用し、顧客を支え続けていく方針。

事業者の声

これからは地域の水産物や農産品を用いた商品開発や、海外における食品製造サポートの案件も増えてくるでしょう。当社は補助事業で導入した機器をさらに活用しながら、お客様を支え続けていきたいと思います

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。