ものづくり補助金平成24年度秋田県

食中毒対策を目的とした水道蛇口取付型電解次亜水生成装置の試作品開発

三浦電子株式会社

成果生成可能な塩素濃度 50ppm→200ppm

この事例のポイント

  • 前モデルは生成できる塩素濃度が50ppmのみで、ノロウイルス対策など高濃度処理が推奨される用途に対応できなかった。
  • 水道蛇口に取り付ける混合器を備えた電解次亜水生成装置の新製品を開発した。
  • 生成可能な塩素濃度 50ppm→200ppm。新製品は小規模厨房を持つ保育所、介護施設、飲食店などで食中毒対策やノロウイルス対策に使われている。

事業者のプロフィール

事業者名三浦電子株式会社
所在地秋田県 にかほ市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野組込みソフトウェア
従業員数18人
資本金3,000万円
設立1973年

事業の背景

三浦電子は1987年に日本で初めて強酸性電解水生成装置を開発し、電解水市場の形成につながった企業である。電解次亜水生成装置も1991年に他社に先駆けて開発しており、2005年開発のモデルは設置の容易さや小規模厨房に合ったサイズ、価格面で優位性を保ってきた。環境汚染や食の安全性への関心が高まるなか、衛生管理の需要が背景にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度前モデルは生成できる塩素濃度が50ppmのみで、ノロウイルス対策など高濃度処理が推奨される用途に対応できなかった。
  • 新製品・新技術開発から年月が経過し、技術や製品仕様面で陳腐化が否めない状況にあったため、前モデルから性能・品質を向上させた新製品の開発が必要だった。

やったこと

水道蛇口に取り付ける混合器を備えた電解次亜水生成装置の新製品を開発した。混合器は特許取得済みの蛇口取付型とした。蛇口をひねると、センサーが吐出量を計測し、塩素濃度ランプ(200/100/50ppm)が点灯する。本体側では一定量の塩水の電気分解を開始し、生成された電解次亜水の原液がホースを通って水道水に混合され、所定濃度で吐出する仕組みとした。混合器のランプで塩素濃度を確認できる。

  • その他電解次亜水生成装置ビーコロンCL-S60

新しい製品・サービス:水道蛇口取付型の電解次亜水生成装置(ビーコロンCL-S60)。塩素濃度を200/100/50ppmの3段階で生成できる。

事業の効果

  • 生成可能な塩素濃度 50ppm→200ppm

新製品は小規模厨房を持つ保育所、介護施設、飲食店などで食中毒対策やノロウイルス対策に使われている。大手厨房機器メーカーからOEM供給の申し出があり、平成29年から供給を開始した。前モデルと比べて売上が大幅に伸び、新規社員の採用にもつながった。今後は食品衛生法改正によるHACCPの制度化を追い風に、販路拡大を進める計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    1987年に強酸性電解水装置を開発し、1991年に電解次亜水装置を先行開発したという継続的な取組が書かれ、事業の一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社参入で市場が形成されたこと、小規模厨房向けの設置容易性・価格面の優位性は読めるが、競争環境の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    前モデルは50ppmのみで高濃度処理に対応できない課題を挙げ、200/100/50ppmの3段階生成に改良している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上を平成29年度対比で20%アップと計画しているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    製品開発後の改良や新規社員採用に触れるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記載はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    保育所・介護施設・飲食店の小規模厨房向けと明記し、ノロウイルス対策や200ppmの高濃度処理など選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成31年秋に中規模厨房向け新製品を投入する時期と販路拡大方針は示されるが、遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    1991年に他社に先駆けて電解次亜水生成装置を開発し、同分野で高付加価値の製品を展開している点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    食中毒やノロウイルス対策、HACCP制度化による衛生管理の需要増が書かれ、社会的必要性はうかがえるが具体性は薄い。

  • 費用対効果2

    前モデル対比で大幅な売上アップと記載があるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    センサーで吐出量を計測し濃度を自動調整する仕組みはあるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの波及は乏しい。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    衛生管理意識の高まりや海外引き合いに触れるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

食品衛生法改正によるHACCP制度化で需要増が見込まれ、保育所、介護施設、飲食店等への販路拡大に注力する。中規模厨房向け製品もモデルチェンジし、平成31年秋に市場投入して平成29年度対比で20%の売上増を計画している。

事業者の声

製品開発後も衛生面を考慮すれば非接触タイプにできないかなどのアイデアが出てきている。15年ぶりに食品衛生法の大改正が行われ、電解水市場に影響が出てくると考えられるため、常により良い製品を目指し改良を重ねたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。