ものづくり補助金平成24年度秋田県

蓋・底製作の改善による部材の有効活用と生産性の向上

株式会社大館工芸社

この事例のポイント

  • 受注に生産が追いつかない状況が続いていた。
  • 目合わせ後の接合した板材の上下面をカンナ掛けして段差をなくす二面カンナを導入した。
  • ストックヤードの設置により加工機械と倉庫間の移動の無駄が半減し、木取り担当者が目合わせをせず直ちに加工に取りかかれるようになって作業性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大館工芸社
所在地秋田県 大館市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野金属プレス加工
従業員数30人
資本金3,700万円
設立1959年

事業の背景

大館曲げわっぱは秋田杉の木目の美しい部分を使い、板を曲げて成形する秋田県を代表する伝統工芸品である。木材の香りや吸湿性、断熱性、軽量性などが評価され、本物志向の風潮もあって秋田県全体の出荷額は増加傾向にある。大館工芸社は業界を代表するリーディングカンパニーとして売上を順調に伸ばしてきたが、天然秋田杉の伐採終了により良品材が不足していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力受注に生産が追いつかない状況が続いていた。
  • 品質・精度考朽化したベルトサンダーの加工精度が低く、仕上工程での手直しや不良発生の原因となっていた。
  • コスト・採算秋田杉の良品材が不足しているため、目合わせ作業に時間がかかり生産性を低下させていた。
  • 人手・技能技術者の高齢化や生産工程の自動化の遅れがあった。

やったこと

目合わせ後の接合した板材の上下面をカンナ掛けして段差をなくす二面カンナを導入した。職人が材料を見極め、部材をサイズ別、木目別、年輪幅別、色別に仕分けして保管するストックヤードを設置した。最新のワイドベルトサンダーを導入して加工精度を向上させ、効率的な運用方法を確立した。

  • 加工機ワイドベルトサンダー二面カンナ

事業の効果

ストックヤードの設置により加工機械と倉庫間の移動の無駄が半減し、木取り担当者が目合わせをせず直ちに加工に取りかかれるようになって作業性が向上した。これまで廃棄していた端材もストックヤード担当者が再加工して保管するため、良品材の有効活用につながっている。ワイドベルトサンダーの導入と運用方法の確立により、蓋・底製作における仕上げ工程の手直しや不良発生は大きく減少した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    伝統工芸の継承と技術者の高齢化への対応という課題が示され、ワイドベルトサンダー等の導入が生産工程の課題解決として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    秋田杉の良品材不足という外部環境に触れているが、市場動向や自社の競争優位との関連は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    目合わせ作業に時間がかかり生産性が低下していた課題に対し、二面カンナやストックヤードを導入し、移動の無駄が半減したと記載されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げに触れた記述はあるが、付加価値額や労働生産性の具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    職人による材料の見極めや担当者配置に触れているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    曲げわっぱの木目や吸湿性などの特徴と、本物志向の風潮が示されているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備の運用方法確立や手直し削減の成果は述べられているが、今後のスケジュールや課題解決の具体的な手順は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    伝統工芸品で本物志向の製品であり、秋田県の出荷額も増加傾向と記載されているが、高価格化の具体的数値は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    伝統工芸の継承や木の文化継承への貢献がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    秋田杉の利用率が4割程度とされる中、端材の再加工で良品材の有効活用につながったと記載されている。費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    秋田県の伝統工芸品として地域の特性を活かし、地域の小学生や森育成事業との連携も記載されている。

今後の展望

地域の小学生が手作りした曲げわっぱを学校給食で使用する事業や、将来の原材料確保を目的とした「大館曲げわっぱ150年の森育成事業」に協力や寄付を行っており、今後も人材や木の育成を進めていく考えである。

事業者の声

「曲げわっぱは材目の良品部分を使用するため、樹齢100年の秋田杉でも4割程度しか利用できない。設備導入とストックヤードを設置したことで、貴重な資源の有効活用につながった」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。