ものづくり補助金平成24年度福島県

ハイブリッドねじ切り丸ダイスの試作開発

株式会社彌満和プレシジョン

この事例のポイント

  • 従来の一体型ダイスの製造方式では小径ねじの製作ができなかった。
  • 超硬材料を用いた高速・高品位・長寿命のねじ切り丸ダイスの開発を目指し、超硬製丸部を鉄製本体部に組み込む組み合わせ式ダイスの試作開発を実施した。
  • ワイヤカット放電加工機の導入により超硬製刃部を含む組み合わせ式ダイスの製造が可能になり、小径ねじ用のダイスが実現できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社彌満和プレシジョン
所在地福島県 福島市
業種一般機械器具製造業
技術分野部材の締結
設立1912年

事業の背景

株式会社YAMAWAグループは、タップ・ダイスの専門メーカーとして大正12年の創業から100年以上にわたり切削工具の製造販売を続けている。福島工場は切削工具の製造に加え、製品開発・研究部門や自家製工作機械の製造部門を持ち、技術の中核を担っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の一体型ダイスの製造方式では小径ねじの製作ができなかった。
  • コスト・採算枯渇が懸念される希少金属を含む超硬材料は高価でコストがかかった。
  • 品質・精度超硬で一体型ダイスを製造すると加工性が低く、使用時にダイス外周部で保持すると割れる恐れがあった。

やったこと

超硬材料を用いた高速・高品位・長寿命のねじ切り丸ダイスの開発を目指し、超硬製丸部を鉄製本体部に組み込む組み合わせ式ダイスの試作開発を実施した。超硬製刃部及び鉄製本体部の精密形状加工のため、ワイヤカット放電加工機を導入した。刃部のねじ形状は切削時の干渉を避けるため傾斜を持たせた治具に固定して加工した。刃部と本体部は両面から蓋で固定する手法を取った。

新しい製品・サービス:超硬製刃部を鉄製本体に組み込んだハイブリッドねじ切り丸ダイス

事業の効果

ワイヤカット放電加工機の導入により超硬製刃部を含む組み合わせ式ダイスの製造が可能になり、小径ねじ用のダイスが実現できるようになった。高価な超硬材料の使用量が少なくて済むため、コストも下げられる見込みである。試作時のねじ切り試験では超硬製刃部のねじ山に欠けが発生したため、ねじ部形状の見直しが必要な段階である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業大正12年から980年以上、切削工具を製造してきた経緯が書かれ、一体型ダイスの課題から組み合わせ式への発展が続いている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    高速切削の需要増や難削化の傾向に触れ、超硬材料の採用で刃部の超硬化を目指すとあるが、市場規模や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    一体型では小径ねじ化ができない、希少金属で高価といった課題を挙げ、組み合わせ式で解決する方針が具体的に示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    8~12mmの小径ねじへの展開が今後の目標として書かれるが、付加価値額や賃上げにつながる数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    福島工場が製品開発・研究部門や自家製工作機械の製造部門を持つとあるが、補助事業の遂行体制や人材の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高速・高品位・長寿命を求める顧客の声や、コスト低減の効果が示されているが、ターゲット顧客は特定されていない。

  • 事業化までの道筋3

    ねじ切り試験で刃部に欠けが出たため傾斜・逃げ・すくい角の見直しと固定方法の改善が次の課題として挙げられている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超硬材料を用いたハイブリッドダイスは従来の一体型と異なる新方式で、一般的に普及していない高付加価値の製品と読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地球環境への貢献や切削工具の産業分野への貢献が書かれているが、経済波及や雇用創出の具体的な記述はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    ワイヤカット放電加工機の導入で超硬刃部の精密形状加工を可能にした点は技術革新と読めるが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    産業分野の技術革新への貢献は触れられているが、日本経済の構造転換に資するという記述はうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

ねじ部形状の傾斜・逃げ・すくい角の見直し、8〜12mm程度の小径ねじサイズへの展開、鉄製本体部への超硬製刃部の固定方法の改善を進め、安定した高品位なねじ加工が可能なダイスの提供を目指す。

  • 目標:8〜12mm程度の小径ねじサイズへの展開を今後目指す

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。