ものづくり補助金平成24年度福島県

新設備を導入し風力発電装置タワーの短納期化と低コストを実現し販路拡大を図る

会川鉄工株式会社

成果サブマージ溶接機を稼働させると、そうでない場合に比べ約1/4の短時間で所定の工程を終えられる

この事例のポイント

  • 風力発電タワーの製作では、円筒を組み建てる溶接に極めて高い技術が必要で、1ミリの誤差も許されない中で、以前は半自動溶接・手溶接に頼り熟練工の技術に依存していた。
  • 風力発電タワーの製作に、ロボット型の大型サブマージ溶接機を導入した。
  • サブマージ溶接機を稼働させると、そうでない場合に比べ約1/4の短時間で所定の工程を終えられる。サブマージ溶接機の導入で溶接時間が大幅に短縮され、作業工程が効率化した。

事業者のプロフィール

事業者名会川鉄工株式会社
所在地福島県 いわき市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
設立1926年

事業の背景

当社は昭和期に鋳造所として始まり、炭鉱や火力・原子力発電所向けに機械部品やタンク、大型配管などを納入してきた。東日本大震災と原発事故の翌年に産学連携の研究会へ参加し、再生可能エネルギーの風力発電事業に着目した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力風力発電タワーの製作では、円筒を組み建てる溶接に極めて高い技術が必要で、1ミリの誤差も許されない中で、以前は半自動溶接・手溶接に頼り熟練工の技術に依存していた。
  • 人手・技能熟練工の技術に負う場面が多く、溶接時間の短縮や作業工程の効率化が課題だった。
  • 生産能力量産に向けた態勢を固める必要があった。

やったこと

風力発電タワーの製作に、ロボット型の大型サブマージ溶接機を導入した。高さ40m、基部直径2.6mのタワーを10mごとに4分割した円筒を組み建て、1ミリの誤差も生じない精度で接合する。導入後は工程がスムーズに流れ、稼働により約1/4の短時間で所定の工程を終えられるようになった。

  • 加工機サブマージ溶接機ロボット型の大型溶接機

新しい製品・サービス:風力発電タワー

事業の効果

  • サブマージ溶接機を稼働させると、そうでない場合に比べ約1/4の短時間で所定の工程を終えられる

サブマージ溶接機の導入で溶接時間が大幅に短縮され、作業工程が効率化した。量産に向けた態勢が整い、受注計画も具体化しつつある。現場の技術力向上により受注アップにつながり、国内外のプロジェクトへ参画する機会が増えた。新規分野への参入後、協力会社が約20社増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    鋳造所として創業後、炭鉱や発電所向け納入を経て再生可能エネルギーへ転換し、風力タワー製作を新規分野として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内で100m級タワーを製造できる企業は他にないと述べ、ドイツ・ヨーロッパ向け3基の受注実績もある。

  • 課題の認識と解決5

    手溶接の熟練工依存という課題を認識し、サブマージ溶接機の導入で約1/4の時間短縮を実績として示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後に年間100基という数値目標を掲げ、増産拠点として新工場建設も予定していると述べている。

  • 事業を進める体制3

    協力会社が約20社増えたことや技術力向上の取組は書かれているが、補助事業の実施体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    風力タワーの顧客として電機メーカーとの交渉や海外受注があり、製品の用途と需要の裏付けは読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    5年後の年間100基目標と新工場建設予定はあるが、遂行手順や課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    100m級の大型タワー製造は国内で他社がなく、新規分野で高水準の付加価値化を図っていることがうかがえる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    再生可能エネルギーインフラが産業の連関、集積、雇用拡大を生むと述べ、協力会社約20社の増加も挙げている。

  • 費用対効果3

    溶接時間が約1/4に短縮したと示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高性能なサブマージ溶接機の導入と産学官連携は書かれているが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は少ない。

政策面80%
  • 成長分野への進出4

    国のエネルギーシフトへの対応として風力発電分野へ進出し、再生可能エネルギーの産業構造転換に関わっている。

  • 地域経済への波及4

    浜通りに根ざし、風力関連の雇用創出や地域の産業集積を通じて地域活性化を牽引する姿勢が示されている。

今後の展望

日本での需要増が見込まれる大型タワー(高さ100m)の納入に向け交渉を進めている。5年後には年間100基の生産を目標とし、増産拠点として新工場を建設する予定。産業ロボットの研究開発や廃炉ロボットにも取り組みたいと考えている。

  • 目標:高さ40m、基部の直径2.6m

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。