ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

自動溶接装置導入による生産性向上及び溶接作業者の育成と技術の継承

株式会社ケーイーコーポレーション

この事例のポイント

  • 冷媒変更に伴う冷凍空調機器の高効率化により圧力容器の小型化が進み、小型容器の増産と短納期への対応が求められていた。
  • 小型容器の増産に対応するため、ワークの小型化に対応した簡易円周溶接装置を導入した。
  • 簡易円周溶接装置の導入により溶接時間が短縮されただけでなく、圧力容器等の生産工程全体の抜本的な改善が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ケーイーコーポレーション
所在地静岡県 静岡市清水区
業種はん用機械器具製造業
技術分野接合・実装
資本金9,000万円
設立1946年

事業の背景

同社は冷凍空調機械などの圧力容器・熱交換器を製造している。容器は溶接構造物であり、溶接不良は性能不足や重大事故につながるおそれがあるため、品質が重視されている。冷凍空調業界では高効率・省エネ機器の開発競争が激化し、その重要部品である圧力容器も従来品より小型で高性能なものへの対応要請が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力冷媒変更に伴う冷凍空調機器の高効率化により圧力容器の小型化が進み、小型容器の増産と短納期への対応が求められていた。
  • 生産能力既存の自動溶接装置は本体径250mm超の大型容器向けの設計で、径150mm以下の小型容器の生産には向かず効率が低下していた。
  • 人手・技能生産工程の約70%が溶接作業であり、自動溶接機と溶接作業者の組み合わせを見直す必要があった。
  • 生産能力オイルセパレータの溶接の約85%を手作業によるCO2半自動溶接で行っており、自動化が課題となっていた。

やったこと

小型容器の増産に対応するため、ワークの小型化に対応した簡易円周溶接装置を導入した。ワークが小型化したことで作業者が装置への搬入・搬出を直接行えるようにし、機械セットに要する時間ロスを解消した。溶接トーチを2本備え付け、容器の円周2箇所の同時溶接を可能にした。さらに、オイルセパレータの溶接の約85%を手作業によるCO2半自動溶接から自動溶接装置に移行して自動化した。空いた時間を溶接訓練に充て、機械では対応できない複雑な溶接を溶接作業者が行う体制を作った。

加工機簡易円周溶接装置
加工機自動溶接装置

事業の効果

簡易円周溶接装置の導入により溶接時間が短縮されただけでなく、圧力容器等の生産工程全体の抜本的な改善が実現した。取引先からの増産・短納期・低コスト要求に対応できる容器生産が可能となり、価格競争力と納期品質を含むサービス体制が強化された。その結果、競合他社との競争で優位に立ち、受注の拡大が見込まれる。作業者の空いた時間を高度で付加価値の高い仕事に充てられるようになり、人的資源の高付加価値化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既に自動溶接装置を導入済みで溶接技術の強化を続けてきたとの記載があり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの増産・短納期・低コスト要求や競合との競争が記載され、外部環境への対応意識は読み取れるが、市場動向の具体的数値はない。

  • 課題の認識と解決4

    課題として小型容器対応が明示され、簡易円周溶接装置の導入と溶接トーチ2本による同時溶接で解決を図った点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注拡大が見込まれるとあるが、付加価値額や賃上げの目標値、数値による実現可能性の根拠は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    専用の溶接トレーニングルーム、有資格者と検査設備の保有、溶接作業者の育成体制が具体的に記載され、遂行体制がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    小型容器の増産・短納期対応というニーズと、競合に対する優位性は記載されるが、顧客ターゲットの明確な整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    自動溶接機と作業者の融合、溶接トーチ2本の設置、作業者の空き時間の訓練充当など、課題解決の進め方が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    冷凍空調分野の小型高性能化の流れは述べられるが、新市場や高価格化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    冷凍空調業界の高効率・省エネ開発競争の激化に言及するが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由の記述は限定的。

  • 費用対効果2

    溶接時間の短縮や生産工程全体の改善、人的資源の高付加価値化が書かれるが、補助金額や費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動溶接と人の組み合わせによる一人セル生産は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

冷凍空調業界では技術革新がさらに進み、今後も小型で高性能な製品が開発されると想定される。今回の取り組みでこうしたニーズへの対応力を強化し、受注も安定・増加している。今後は冷凍空調業界に留まらず、食品・環境・化学分野への進出も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。