ものづくり補助金平成24年度福島県

短納期型自社用生産管理システム導入と歯車加工競争力強化計画

株式会社アラオカ

この事例のポイント

  • 試作案件では納期最優先の引き合いが多いが、工程・機械ごとの進捗や負荷状況の把握が属人的な管理方法に頼っていたため、回答単価・納期の精度が低く、受注を逃すことも多かった。
  • 試作案件の受注拡大と歯車加工競争力の強化のため、3つの設備を導入した。
  • 生産管理システムの導入により、見積り、受注、生産計画作成、在庫管理までを正確かつスピーディーに進められるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アラオカ
所在地福島県 いわき市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数29人
資本金3,200万円
設立1960年

事業の背景

当社は創業以来、歯車の試作加工を得意としており、見積りから加工、納品までを一貫して行えることを強みとしている。試作案件では納期を最優先する引き合いが多く、他社との差別化が今後の課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力試作案件では納期最優先の引き合いが多いが、工程・機械ごとの進捗や負荷状況の把握が属人的な管理方法に頼っていたため、回答単価・納期の精度が低く、受注を逃すことも多かった。
  • 生産能力顧客ニーズに対応するため、見積りから受注、生産計画までを支える生産管理システムの必要性を感じていた。
  • 新製品・新技術当社で加工できない特殊歯車の引き合いが増えており、どんな歯車でも加工できるメーカーを目指すために設備導入が必要だった。

やったこと

試作案件の受注拡大と歯車加工競争力の強化のため、3つの設備を導入した。一つ目は短納期型自社用生産管理システムで、工程毎・機械毎の進捗と負荷状況を共有できるようにし、ハンディターミナルの利用で入力作業の削減も図った。二つ目は特殊歯車加工支援ソフト「フェースギヤ加工プログラム」で、品質の精度向上を目的に導入した。三つ目は歯車回転伝達誤差測定プログラムで、品質面で他社と差別化するために導入した。

ソフト短納期型自社用生産管理システム
ソフトフェースギヤ加工プログラム
ソフト歯車回転伝達誤差測定プログラム

事業の効果

生産管理システムの導入により、見積り、受注、生産計画作成、在庫管理までを正確かつスピーディーに進められるようになった。日報や作業工数の集計によって各個人の作業効率への意識づけにもつながり、生産性が向上した。フェースギヤの3Dモデル作成が可能になり、新たな顧客獲得につながった。歯車回転伝達誤差測定プログラムにより、従来とは別角度からの検査が可能になり、他社との差別化を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の歯車試作加工の強みを活かし、特殊歯車加工の引き合い増加に対応する設備導入と書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の納期最優先の引き合いや他社との差別化の必要性は書かれているが、競合との比較や自社の経営資源の定量的な強み分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    属人的な管理で回答単価・納期の精度が低く受注を逃していた課題を認識し、生産管理システム導入で見積り精度向上につなげたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、生産性向上が実現したとの記述にとどまるため、目標値と実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    設立60年・従業員や体制の記述はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記載はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種小ロット・高精度歯車の加工を得意とし、顧客ニーズへの対応を掲げているが、ターゲット顧客や需要の裏付けに数字はない。

  • 事業化までの道筋2

    事業の遂行方法は設備導入の3点として示されるが、スケジュールや中長期の課題検証の記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    特殊歯車加工やフェースギヤの3Dモデル作成など高付加価値の加工に取り組む記述はあるが、普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器やロボット関連部品など新分野の受注増加に触れるが、波及効果や雇用創出への言及は限定的である。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    歯車加工支援ソフトによる3Dモデル作成や測定プログラムの導入などデジタル活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器やモーターなどロボット関連など成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    いわき工場で当社加工品の100%を製造する体制が示されるが、地域の特性を活かした雇用や経済成長への言及はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

近年は医療機器やモーターなどロボット関連部品など新しい分野からの受注も増加している。今後も歯車及び関連加工技術で社会に貢献し、環境保全を前提に、どんな歯車でも製作できる会社を目指すとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。