ものづくり補助金平成28年度製造業香川県

金型交換ロボット付き鋼板折り曲げ加工機による溶接レス構造の工法開発

安田技研株式会社

この事例のポイント

  • 溶接工程が製造上のボトルネックとなり、リードタイムが長くなっていた。
  • 設計、展開、板金加工の工程と業務内容を見直し、香川県内初となる革新設備「最新金型自動交換ロボット付き折り曲げ加工機」を導入した。
  • 溶接工程をリベット締結工法に変えたことで、リードタイムの短縮と製造コストの削減を図った。

事業者のプロフィール

事業者名安田技研株式会社
所在地香川県 丸亀市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数85人
設立1962年

事業の背景

弊社は1962年に神戸市で金型工場として創業し、1984年に丸亀市に工場を設立した。配電盤、遮断器、制御装置、半導体装置、鉄道車輌各種の板金部品や機械加工部品、塗装を手がけ、営業から配送まで一貫生産を強みとしている。客先からリベット締結工法を併用した溶接構造物の製造依頼があったことを機に、工程全体の見直しを検討した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程溶接工程が製造上のボトルネックとなり、リードタイムが長くなっていた。
  • 人手・技能溶接接合工程は熟練工の技を要し、品質を保つことが難しく、人手不足による技術継承の問題もあった。
  • 品質・精度溶接構造物の製造依頼に対し、溶接に頼らない工法への転換が必要だった。

やったこと

設計、展開、板金加工の工程と業務内容を見直し、香川県内初となる革新設備「最新金型自動交換ロボット付き折り曲げ加工機」を導入した。溶接接合法からリベット締結工法に変更し、設計は面接触構造からはめこみ構造に変えて倒れや捻れを強制することで、溶接と変わらない強度と剛性を確保した。リベット用の穴の位置を合わせるため±0.2mm内の寸法加工精度を実現し、互いのパーツを接触させる平面度と直角精度も確保した。ロボットシステムの自動金型交換機能ATCを使い、熟練工でも40分かかっていた製作を短時間に短縮し、角度や寸法の測定と手直しをなくして曲げ工程の負担を減らした。IoTにより各設備と作業者の負荷を把握し、最適な作業工程を見出せるようにした。

加工機最新金型自動交換ロボット付き折り曲げ加工機
ロボットロボットシステム(自動金型交換機能ATC)
ソフト最新設備の稼働管理システム

新しい製品・サービス:金型交換ロボット付き鋼板折り曲げ加工機による溶接レス構造の工法

事業の効果

溶接工程をリベット締結工法に変えたことで、リードタイムの短縮と製造コストの削減を図った。ATCによる自動金型交換で、熟練工でも40分かかっていた製作が短時間で済むようになった。溶接作業がよりスムーズになり、安全性や環境面も改善され、現場スタッフの生産意欲とモチベーションが向上した。本事業による売上目標は、1年目15,000千円から5年目65,900千円とされている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    溶接工程がボトルネックで、熟練工依存と技術継承の問題を抱えていたと書かれている。事業全体の戦略との位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からのリベット併用溶接構造物の依頼を機に全面リベット化を検討したと書かれている。競争優位の根拠となる市場分析は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    溶接工程を課題と特定し、リードタイム短縮と製造コスト削減を図ったと書かれ、40分の製作時間短縮など数字も示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    売上目標が1年目15,000千円から5年目65,900千円と数値で示され、生産性向上や雇用促進も述べられている。

  • 事業を進める体制2

    熟練工依存の解消や現場スタッフの意欲向上に触れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種・小ロット・短納期・高品質・低価格に対応するVEで競争力を出すと書かれ、鉄道関連機器のシェア拡大も述べている。顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    5カ年の売上目標と、鉄道関連から医療・航空分野への展開という段階的な計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    溶接構造物をリベット締結に置き換える工法で、同分野での高付加価値化を図る記述はわずかにうかがえる。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    新たな雇用創出や鉄道関連など新分野への展開に触れており、社会貢献の観点は読み取れるが数値の裏付けは薄い。

  • 費用対効果4

    投資に対する売上の増加目標が5年分の数値で示され、費用対効果の見込みが読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    IoTによる各設備・作業者の負荷把握や稼働管理システムの活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    成長分野として鉄道関連、医療、航空への参入を検討すると書かれており、構造転換への言及はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    香川県内初の導入や丸亀市での一貫生産に触れるが、地域の特性を活かした付加価値創出の記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は鉄道関連機器のシェアを広げつつ、将来的には医療分野や航空分野への参入も考えている。IoT搭載設備により業務内容の進化と生産性向上を図り、労働環境も改善する。製品需要の拡大を見込み、雇用促進とともに売上向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。