ものづくり補助金平成24年度栃木県

医療器具のEOG(エチレンオキサイドガス)滅菌装置導入による小口化対応

栃木精工株式会社

成果小型装置では温度のばらつきや分布、経時変化が5℃以内と小さいことを確認した

この事例のポイント

  • 中堅・中小企業は医療機器の滅菌を社内に設置すると、設置場所、維持保全、回転率、検証、償却、専門従事員の教育などの負担が大きく、外部委託の方がメリットがある。
  • 小型の2.8m³のEOG滅菌装置を導入し、2013年9月に据え付けと稼働の検証を行い問題がないことを確認した。
  • 小型装置では温度のばらつきや分布、経時変化が5℃以内と小さいことを確認した。小型のEOG滅菌装置の導入により、小口の製品に対して価格と納期の両面で対応できる体制を整えた。

事業者のプロフィール

事業者名栃木精工株式会社
所在地栃木県 栃木市
業種一般機械器具製造業
技術分野熱処理
従業員数175人
資本金1億円
設立1948年

事業の背景

医療機器の滅菌について、大手企業は自社内に最終滅菌設備を置いているが、中堅・中小企業は外部専門業者への委託の方が有利と考えられている。国内では放射線滅菌やEOG滅菌を大型設備で大量に受託しているが、小ロットに対応するにはコスト面に課題がある。同社は包装の製造業許可とクリーンルームを備えており、前工程を含む一貫した受託に応えられると考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑中堅・中小企業は医療機器の滅菌を社内に設置すると、設置場所、維持保全、回転率、検証、償却、専門従事員の教育などの負担が大きく、外部委託の方がメリットがある。
  • コスト・採算大型のEOG滅菌設備は大量生産向けで、小ロットに対応するにはコスト面の負担が大きい。
  • 新製品・新技術現在受託しているのはEOG滅菌のみだが、求められているのは滅菌の前工程の包装なども含めた工程である。

やったこと

小型の2.8m³のEOG滅菌装置を導入し、2013年9月に据え付けと稼働の検証を行い問題がないことを確認した。物理的稼働性能と微生物学的稼働性能を確認し、製品に過剰の菌を入れて全滅することを確かめた。さらに有害物質であるEOガスの残留量や製品の劣化について数種類の製品で検証し、問題がないことを確認した。国際規格と日本規格の内容を教育し、社内規定「EOG滅菌バリデーションに関する規定」を改訂した。8社9製品について事前の検証(バリデーション)を行い、販売できる状態にした。

新しい製品・サービス:滅菌コンテナ、ノズルチップ、電気メス、インデフレータ、Yコネクタ、メジニードルなど8社9製品の受託滅菌および医療機器の製造・販売

事業の効果

  • 小型装置では温度のばらつきや分布、経時変化が5℃以内と小さいことを確認した

小型のEOG滅菌装置の導入により、小口の製品に対して価格と納期の両面で対応できる体制を整えた。温度精度が高く製品にやさしい特性を確認でき、多品種製品の受託でPRできる強みになった。8社9製品のバリデーションを完了し、ノズルチップは2014年7月、Yコネクタは9月、メジニードルは10月に販売を予定している。5年目の売上1,500万円を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    医療機器の滅菌受託事業への展開が示され、既存のEOG滅菌事業からの延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大型設備中心の大手に対し小型2.8m装置で小ロット対応し、温度ばらつき5℃以内を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決3

    小ロット・低コスト滅菌への要望を課題として認識し、包装を含む工程対応で応える方針が書かれている。

事業の実現可能性76%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年目に売上1,500万円を目指すと明記されており、具体的な目標値が示されている。実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制4

    国際規格に基づく社内規定の改訂、教育会、装置検証の実施日程が具体的に記載され、体制の整備がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小口製品の受託という顧客ターゲットと、温度精度の高さという選ばれる理由が明確に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    2013年6月から9月の検証手順、8社9製品のバリデーション完了日、2014年の販売予定が時系列で示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小型EOG滅菌装置による小口対応は、同分野の中で差別化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器の滅菌を外部委託する流れや大手と中小の対比はあるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    5年目の売上1,500万円目標は示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術やサプライチェーンへの貢献への言及はなく、滅菌工程の包装を含めた受託が中心である。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    栃木市の企業である点は示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は書かれていない。

今後の展望

新規商品の製造・滅菌の受託業務を増やし、設備の稼働率を上げて5年目に1,500万円の売上を目指す。

  • 目標:5年目に設備の稼働率を上げて1,500万円の売り上げを目指す

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。