ものづくり補助金平成24年度千葉県

酒粕・麹でおいしく楽しく元気に発酵生活を

株式会社寺田本家

この事例のポイント

  • 酒粕は冬場にしか製造できず、そのためストックができなかった。
  • 木製の甑を導入し、原料のお米への蒸気の当たり具合を改善して蒸しむらをなくした。
  • 木製の甑と麹室ヒーターの導入により、原料米の蒸しむらがなくなり、麹の働きが安定して発酵食品の品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社寺田本家
所在地千葉県 千葉県香取郡神崎町
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数22人
資本金1,000万円
設立1956年

事業の背景

寺田本家は創業以来340年余り、日本酒を醸造してきた。日本酒の原料となる麹や、その副産物の酒粕には酵素やミネラル、ビタミンB群、食物繊維が豊富である。発酵食品の有用性や健康効果が近年改めて見直されており、日本酒にとどまらない発酵食品の提案を進めたいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力酒粕は冬場にしか製造できず、そのためストックができなかった。
  • 品質・精度原料の米への蒸気の当たり具合にむらがあり、麹室の室温も一定に保ちにくかった。

やったこと

木製の甑を導入し、原料のお米への蒸気の当たり具合を改善して蒸しむらをなくした。麹室にヒーターを導入し、室内温度を約35℃に一定に保つことで発酵食品の品質向上を図った。冷凍庫を導入して冬場にしか製造できなかった酒粕のストックを可能にし、試作用タンクと真空包装機も併せて導入した。これらの設備を用いて、乳酸菌が働いた発酵甘酒であるマイグルトの新商品開発と、酒粕クラッカー・酒粕粉チーズ・マイグルトドレッシングなどの新商品開発に取り組んだ。マイグルトは生酛仕込みの酒母に由来する低温発酵の技術を活かし、アルコール発酵の前段階で止めることでノンアルコールの発酵飲料とした。

加工機木製の甑
その他麹室ヒーター
その他冷凍庫
その他試作用タンク
その他真空包装機

新しい製品・サービス:発酵調味料シリーズとして「酒粕ちいず」「げんまい塩こうじ」「やさしいラー油」「バーニャカウダ」「バーベキューソース」の5種、および「グラノーラ(甘口と塩味)」

事業の効果

木製の甑と麹室ヒーターの導入により、原料米の蒸しむらがなくなり、麹の働きが安定して発酵食品の品質が向上した。冷凍庫の導入により、冬場に限られていた酒粕を使った調味料や酒粕粉チーズ、バーニャカウダを夏場も製造できるようになった。新商品として発酵調味料5種とグラノーラを商品化し、玄米マイグルトも試作を続けている。飲食店からの問い合わせも多く寄せられている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業340年余りの日本酒醸造を基盤に、麹・酒粕を使った発酵食品の新商品開発へ展開しており、事業との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    健康志向で発酵食品の有用性が見直されている点はうかがえるが、市場規模や競合に対する自社の強み・弱みの記載は乏しい。

  • 課題の認識と解決2

    冬場しか作れない酒粕のストック課題に冷凍庫で対応したとあるが、高付加価値化・成長につなげる具体的な計画や数値は示されていない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社員22名の企業規模は書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ノンアルコールの発酵飲料や酒粕調味料5種など製品は具体的だが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    玄米マイグルト・雑穀マイグルトの試作継続や業務用パッケージ対応の検討など今後の方向性は示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    酒粕・麹を使った発酵調味料や玄米マイグルトなど新ジャンルの商品展開は読み取れるが、市場の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の酒造業や発酵食品の魅力発信への寄与はうかがえるが、経済波及や雇用創出に関する記載はない。

  • 費用対効果2

    設備投資の内容は示されているが、補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    健康志向で発酵食品が見直される流れに乗る点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及3

    千葉県香取郡神崎町の酒蔵として、地域の素材を活かした発酵食品の開発を進めている点は読み取れるが、地域経済への効果は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

玄米・雑穀マイグルトの商品化を目指すほか、自社清酒を原料とした米酢を加えたドリンクの開発も検討する。調味料は飲食店からの問い合わせが多いため業務用パッケージへの対応を検討し、酒粕クラッカーや酒粕トリュフなどバリエーションも増やす予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。