ものづくり補助金平成28年度製造業鹿児島県

日本一おいしい冷凍とんかつの製造とその販路の拡大・構築事業

株式会社鹿鳥食品

成果生産数量 1.5万枚/日→3万枚/日

この事例のポイント

  • 冷凍とんかつを手作りの工程と同じ作業で短時間に大量製造することが、処理時間・工数・ロス率・製品の劣化などの要因で困難だった。
  • ロボット機能を備えた新規導入のスライサーと、最新の金属検出機搭載重量選別機、総合品質管理・制御システムを連動させ、IoTを活用したシステムを構築し、生産体制を整備した。
  • 生産数量 1.5万枚/日→3万枚/日。導入設備での生産は順調に進み、人手による肉塊スライス時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鹿鳥食品
所在地鹿児島県 鹿屋市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,測定計測
従業員数167人
資本金3,000万円
設立1987年

事業の背景

国内のとんかつの生産は、冷凍食品が50%以下にとどまり、半分以上が末端ユーザーの手作りや賞味期限の短いチルド品である。取引関係にある食品商社等からチルド商品や手作りに劣らない冷凍とんかつの要望があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力冷凍とんかつを手作りの工程と同じ作業で短時間に大量製造することが、処理時間・工数・ロス率・製品の劣化などの要因で困難だった。
  • 品質・精度製造現場に隠れたムリ・ムダ・ムラがあり、製品の安定性を確保しづらかった。
  • 人手・技能人手による肉塊スライスに時間がかかり、生産の効率化が課題だった。

やったこと

ロボット機能を備えた新規導入のスライサーと、最新の金属検出機搭載重量選別機、総合品質管理・制御システムを連動させ、IoTを活用したシステムを構築し、生産体制を整備した。IoT化により監視、保守及び分析が可能となり、生産工程プロセスを改善した。パソコンで異物混入や製品バラツキ等の異常データと、重量や肉厚、加工圧力などの日々の生産情報を収集・蓄積・分析し、防止策を講じられるようにした。

加工機ロボット機能付きスライサー
検査測定金属検出機搭載重量選別機
ソフト総合品質管理・制御システム

新しい製品・サービス:手作りに勝るとも劣らない冷凍とんかつ

事業の効果

  • 生産数量 1.5万枚/日→3万枚/日

導入設備での生産は順調に進み、人手による肉塊スライス時間が大幅に短縮された。金属異物や重量バラツキも生産ライン上で発見・対策できるようになった。IoT生産システムにより製造原価の低減も一定の効果を得た。品質の安定した安心・安全で美味しい冷凍とんかつの量産化体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    手作りに勝る冷凍とんかつの商品化と、取引先商社からの要望が目的とされ、事業の方向性は読み取れるが過去の取組との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    冷凍とんかつの市場シェアに触れ、チルド品や手作り品との比較で差別化を狙うことは読み取れるが、強み・弱みの具体的分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    処理時間・工数・ロス率・製品劣化といった課題を挙げ、IoT化で生産工程を改善した点が書かれており、課題と解決策の対応が読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    初年度計画1.5万枚/日に対し3万~3.5万枚/日と目標を大きく上回ったこと、最終目標50万枚/月が数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員167名や設立年などは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はわずかにうかがえるのみ。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    手作りに勝る冷凍とんかつという価値、取引先からの要望というニーズの裏付けが示され、選ばれる理由の方向性は具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後の取り組みとしてOJT・Off-JT、設備増設、新商品開発が挙げられるが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    冷凍とんかつはチルドや手作りに比べ普及が十分でないとの現状認識が書かれ、新市場の開拓姿勢はうかがえるが、高付加価値化の数値的根拠は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    食品商社との取引や地域での事業拡大に触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    生産量が計画を大きく超えたことや製造原価の低減効果が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    スライサー、金属検出機、重量選別機をIoTで連動させ、データ収集・分析で防止策を打つ仕組みが具体的に書かれている。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島県鹿屋市の企業であり地域の事業者という点はうかがえるが、地域特性を活かした雇用・成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

OJTやOff-JTによる従業員の教育・訓練体制を整備し、生産設備の増設・充実化を図る。売上の最終目標数量50万枚/月の早期達成を目指し、市場ニーズに応える新商品の開発・販売で事業の拡大を図る。

事業者の声

食の安心と「美味しい」で世界中を幸せにしたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。