ものづくり補助金平成24年度千葉県

5軸マシニングセンタ導入による高精度・高効率・短納期の実現と新規顧客の獲得

株式会社辺見製作所

この事例のポイント

  • 顧客から高い精度の製品を求められているが、3軸加工機では対応できないものが出てきている。
  • 5軸マシニングセンター(FANUC ROBODRILL α-D21MiA5)と5軸対応CAD/CAMを導入した。
  • 3軸機で生じていた工具の届かない問題や反転時の取付け誤差がなくなり、高品質な製品に仕上がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社辺見製作所
所在地千葉県 千葉県八千代市
業種金属製品製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数5人
資本金300万円
設立1970年

事業の背景

当社はプラスチック金型を製作しており、主な取引先は医療メーカー、自動車メーカー、電気メーカーである。近年は顧客から精度の高い製品を求められ、3軸加工機では対応できない案件も出てきていた。また短納期の仕事も多く、リードタイム短縮が強く求められていた。従業員は5名で、売上高は6,000万円(平成30年度)である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度顧客から高い精度の製品を求められているが、3軸加工機では対応できないものが出てきている。
  • 納期・工程短納期の仕事が多く、リードタイムの短縮を強く迫られている。

やったこと

5軸マシニングセンター(FANUC ROBODRILL α-D21MiA5)と5軸対応CAD/CAMを導入した。3軸機では切削工具が届かない場合や反転時に取付け誤差が生じる問題があったが、5軸機ではそれらの問題がなくなった。ワークの乗せ替え時間を短縮し、刃物の突き出し量を短く設定できるようにした。これにより精度の高い製品と短納期の実現につなげた。

加工機5軸マシニングセンター(FANUC ROBODRILL α-D21MiA5)
ソフト5軸対応CAD/CAM

事業の効果

3軸機で生じていた工具の届かない問題や反転時の取付け誤差がなくなり、高品質な製品に仕上がった。ワークの乗せ替え時間と刃物の突き出し量を抑えたことで、従来機より約15%のリードタイム削減を実現した。高精度と短納期により、安値を強みとする中国や韓国の金型メーカーに対して技術的に優位に立てるようになった。新規顧客の獲得にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    プラスチック金型製作を主業とし、医療・自動車・電気メーカー向けの仕事が続いてきたことは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中国・韓国の安値競合に対し5軸導入で技術的優位に立つ、高精度を強みに単価アップを図るとの競争優位の方向性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    3軸機での工具到達性や反転時の取付誤差という課題を認識し、5軸導入で解消したとの記述があり、課題と設備の対応が明確である。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイムを約15%削減できたと実績の数字が示されており、付加価値向上や単価アップの目標も示されているが、賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員5名の小規模体制であることは書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療・自動車・電気メーカー向けの高精度金型という製品価値と顧客層、高精度や短納期が選ばれる理由として具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望で平面研削盤の導入計画と無人運転による多台持ちを示すが、本事業の遂行スケジュールや中長期の課題検証の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    プラスチック金型業界で5軸マシニングセンタの普及率は低いとされ、最先端設備による高精度化で同分野の高付加価値化を図る点が具体的である。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する積極的な理由として、雇用創出や波及効果に関する記述はわずかにうかがえる程度で、明示的には書かれていない。

  • 費用対効果3

    リードタイム15%削減という効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工の導入によるものづくりの高度化はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示的には書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療機器や電子機器分野の精密金型に注力する方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及2

    千葉県八千代市の地域企業として地域社会への貢献意識が述べられるが、地域特性を活かした付加価値創出の具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2020年1月に最新平面研削盤の導入を決定している。平面研削盤による生産性向上とリードタイム短縮で生産能力を高め、新たな金型の開発や新規顧客の開拓につなげて売上増加を目指す。無人運転や熟練工のノウハウの標準化により、一人の従業員による多台持ちや技術の継承を進め、労働生産性の向上を図る。

事業者の声

「若さ」あふれる会社です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。