ものづくり補助金平成24年度東京都

ワイヤーカットで短納期の試作開発に応える体制を強化

株式会社溝上精工

この事例のポイント

  • 試作開発への短納期要求が高まっていたが、チタン材などの超硬材の加工は外注先に依存していた。
  • 取引先からの短納期の要求に応えるため、アジエシャルミー社製のワイヤーカット放電加工機CUT20Pを導入した。
  • ワイヤーカットの内製により、チタン材などの厚物の形状切断を社内で行えるようになり、短納期の要求に応えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社溝上精工
所在地東京都 町田市
業種金属製品製造業
技術分野切削加工
従業員数13人
資本金1,500万円
設立1977年

事業の背景

当社は昭和48年に大田区で創業し、造船関連の仕事を多く請け負ってきた。昭和52年に都の呼びかけで町田市に移り、バブル景気の頃まではワイヤーカットを得意としていた。その後、競争が激しくなり、さらなる付加価値を生み出すためチタンの加工に挑戦した。扱う素材はステンレス、アルミ、マグネシウム、真鍮などの金属が9割弱で、残りは樹脂製品である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程試作開発への短納期要求が高まっていたが、チタン材などの超硬材の加工は外注先に依存していた。
  • コスト・採算超硬材の加工を外注していたため、外注加工費がかさんでいた。
  • 納期・工程5軸加工機で加工した後のチャッキング部分の切り離しや仕上げに時間がかかっていた。

やったこと

取引先からの短納期の要求に応えるため、アジエシャルミー社製のワイヤーカット放電加工機CUT20Pを導入した。これにより、マシニングセンタによる切削加工では困難だったチタン材などの厚物の形状切断を内製できるようになった。また、5軸マシニングセンタでワンチャッキング全面加工した後に、ワークのチャッキング面に残る材料を切り離す切断工程を当設備で行えるようにした。社内でワイヤーカット加工用のワーク取付専用治具も開発し、高精度な切断加工を実現した。

加工機ワイヤーカット放電加工機CUT20P(アジエシャルミー社製)
その他ワイヤーカット加工用ワーク取付専用治具

事業の効果

ワイヤーカットの内製により、チタン材などの厚物の形状切断を社内で行えるようになり、短納期の要求に応えられるようになった。5軸加工後のチャッキング部分の切断から面の加工までの仕上げ時間を大幅に短縮できるようになった。外注に頼っていた加工を内製化したことで、外注加工費の削減にも成功した。工程全体の効率化が進み、試作開発の体制が強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和48年創業の造船関連からワイヤーカットを得意としてきた経緯と、現在の付加価値向上への活用が述べられ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    チタン等超硬材への加工を内製化し外注依存を減らしたとあるが、市場動向との関係や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    仕上げ工程の時間を大幅に短縮し、短納期と外注加工費の削減に成功したと課題解決の結果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、短納期や外注費削減の成功が述べられるのみで数値目標はない。

  • 事業を進める体制3

    ワイヤーカット用のワーク取付専用治具を社内で開発したとあるが、人材や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器や精密機械用の複雑形状部品の試作が得意で1発勝負との記述があり、顧客像は読み取れるが具体性は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    医療機器の試作増加を受けて微細で軽量な部品を追求する方針と、工程効率化を続ける方針が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    チタン等の厚物の形状切断を内製化し高精度加工を実現したとあるが、普及度や市場内での高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    造船や医療機器など取引先の業種に触れるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    外注加工費の削減と短納期化の成功は述べられているが、投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイヤーカットやワーク治具の導入はあるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    三多摩地区や相模原一帯の総合試作ネットワークへの加入が述べられ、地域との関わりがうかがえるがそれ以上の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

試作品は1つずつ違うため段取りが都度必要になるので、全体の工程効率化を続けていく必要がある。医療機器の試作が増えているため、微細で軽量なものも突き詰めていきたいとしている。三多摩地区や相模原一帯の総合試作ネットワークに加入し様々な試作に挑戦している。今後は将来の人手不足にどう備えるかが喫緊の課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。