ものづくり補助金平成24年度富山県

次世代建材である再生木材の多様化に対応した人工木建材の開発

株式会社呉松

この事例のポイント

  • より高性能で高品質な新製品の開発が必要だった。
  • 木粉と再生樹脂を独自に配合した再生複合材を使い、従来の単層式から二層式構造の人工木材製品を開発した。
  • 二層式構造により耐候性や耐久性が向上し、退色や水染みが従来品より抑えられた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社呉松
所在地富山県 高岡市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1997年

事業の背景

当社は食品卸売業から始まり、平成17年頃から大手金属系建材メーカーの依頼でウッドデッキを中心とする建材の設計・施工管理を主業務とした。平成21年に特許を取得した独自構造のウッドデッキを、翌22年より本格的に市場投入した。ウッドデッキは公園や屋上緑化対策などでの設置が増えており、特許製品を中心に需要を取り込んでいた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術より高性能で高品質な新製品の開発が必要だった。
  • 生産能力多用途に対応するための多種多様な形状の提案と製造体制の整備が必要だった。
  • コスト・採算価格面で安価な海外産製品と対抗できる製品づくりが欠かせなかった。

やったこと

木粉と再生樹脂を独自に配合した再生複合材を使い、従来の単層式から二層式構造の人工木材製品を開発した。二層式にすることで耐候性・耐久性を高め、退色や水染みを抑え、色味のばらつきも減らした。複数の金型を導入して多様な形状の製品を製造できるようにし、工場の生産体制を整備して生産能力の向上と効率化を進めた。

加工機二層式人工木材の押出成型機
金型金型

新しい製品・サービス:帯電防止や遮熱性能に優れた高機能製品、吸水率の少ない原料を使った新たな人工木材、二層式構造の人工木材製品

事業の効果

二層式構造により耐候性や耐久性が向上し、退色や水染みが従来品より抑えられた。色味のばらつきが少なくなり製品品質が高まった。複数の金型導入で多様な形状の製品提案と製造が可能になり、生産能力の向上と効率化も進んだ。新たな引き合いが増え、資金調達に際して信用が高まったという成果もあった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成17年頃からのウッドデッキ設計・施工、平成21年の特許取得など過去の取組の流れは読めるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    安価な海外産製品と対抗できる製品づくりが必要とあり、自社の強みとして一貫施工体制が挙げられているが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    従来の単層式から二層式への転換で耐候性や退色抑制が向上したと記載があるが、課題と成長計画の数値的な裏付けは薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員11人で金型導入と工場整備を行ったとあるが、補助事業の遂行体制や人材配置の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ウッドデッキの需要増や公園・屋上緑化での採用増など顧客ニーズは示されるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋3

    今後は設計事務所や建築コンサルへの提案営業、製品材料の企画販売拡大などの方向性は示されるが、スケジュールは明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    資金調達に際して信用が高まったとの成果はあるが、財務状況や調達額の具体的数字は示されていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    二層式構造や一枚ずつ取り外せる独自構造で業界に先駆けた機能とあり新規性はうかがえるが、高価格化の数値は示されない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    木造建築への注目や国産材の木粉活用など地域・環境面の意義は書かれているが、波及効果や雇用創出の数字はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    二層式構造や金型導入による生産効率化は記載されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    再生樹脂や間伐材を使う環境配慮は記載されるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    地元産材の木粉を取り入れ、射水市の工場で地域の資源を活かす点が書かれているが、地域経済成長への効果は示されない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

木造建築への注目から人工木建材市場のさらなる拡大が見込まれる。より高性能な新製品の開発、不燃や除菌などの新たな性能の付加、地元産材の木粉を取り入れた人工木材の採用などに取り組む。今後は製品材料の企画販売も拡大し、設計事務所や建築コンサルタントへの提案営業を積極的に行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。