ものづくり補助金平成26年度製造業福岡県

軽量、低コストで組立容易な常設組立式階段の開発

和新工業株式会社

成果重量 100%→70%

この事例のポイント

  • 階段本体が重く、現場で組み立てる作業員の負担が大きいため、軽量化が必要だった。
  • 設計・解析用ツールを導入して軽量化設計に取り組み、従来の強度を保ったまま30%(約5kg)の軽量化を実現した。
  • 重量 100%→70%。部材の軽量化により現場での作業効率が上がり、作業員の削減や施工コストの低減につながった。

事業者のプロフィール

事業者名和新工業株式会社
所在地福岡県 筑前町
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数27人
資本金4,800万円
設立1973年

事業の背景

昭和48年に設立し、土木・建設・物流の分野で設計から製造までを一貫して手がけてきた金属加工メーカーである。創業当初は建設現場の型枠や足場を製作し、大量生産で事業を拡大したが、バブル経済の崩壊で足場や型枠の需要が減少したため、オーダーメイド方式へと転換した。平成6年に法面管理向けの階段「フリーステップ」を開発し、15年以上にわたり自治体や企業に納入している。東日本大震災を機に津波避難階段「のぼーる」の開発に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力階段本体が重く、現場で組み立てる作業員の負担が大きいため、軽量化が必要だった。
  • コスト・採算部品点数と加工・溶接工程が多く、製造原価が高くなる傾向があった。
  • コスト・採算安価な樹脂製階段に価格面で競り負けることがあり、コスト削減による競争力の強化が必要だった。
  • 納期・工程施工の効率化と納期の短縮が求められていた。

やったこと

設計・解析用ツールを導入して軽量化設計に取り組み、従来の強度を保ったまま30%(約5kg)の軽量化を実現した。踏板の構造を変更してロボット溶接を可能にし、生産量を2倍に増やした。金型を使って加工工数を大幅に減らし、手すり柱は5工程を1工程のプレス金型での作業に集約した。穴あけはレーザー加工機からラジアルボール盤での加工に変え、消費電力を大幅に下げた。試作品の強度評価を行い、従来と変わらない評価を得た。

ソフト設計・解析用ツール
加工機スポット溶接機
金型プレス金型
加工機ラジアルボール盤

新しい製品・サービス:組立式階段「のぼーる」

事業の効果

  • 重量 100%→70%
  • 生産量 1倍→2倍
  • 工程数(手すり柱) 5工程→1工程

部材の軽量化により現場での作業効率が上がり、作業員の削減や施工コストの低減につながった。金型の導入や工程の集約により加工工数と人件費が減り、穴あけ工程の見直しで消費電力も大幅に下がった。運搬時の荷繰りが小さくなったことで運搬コストが下がり、遠方の顧客にも従来より低い価格で提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和48年設立以来の鋼製型枠や法面階段の製作、平成6年のフリーステップ開発など一貫した事業の流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    安価な樹脂製階段に価格面で負けていた点を挙げ、今回のコストダウンで鋼製階段を取り付けられる地域が増えたと、競争環境と強みの関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    課題として組立の負担、コスト、納期が挙げられ、軽量化30%(約5kg)や5工程を1工程に集約する金型化など、解決策が具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量2倍、部品の軽量化や工数削減の効果は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    設計・解析ツールの導入や試作品の強度評価は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    重機が入らない急斜面や狭隘地に人力で設置できる点、東北からの注文増加など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作品の強度評価や構造解析を行った経緯は読み取れるが、事業化の中長期スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    津波避難階段という分野は書かれているが、普及度や認知度の水準、同分野での高価格化についての記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    南海トラフ地震への警鐘と地震・津波対策への関心の高まりを挙げ、避難階段による人命救助という社会的意義が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    軽量化やコスト削減による競争力向上は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボット溶接の導入や設計解析ツールの活用はうかがえるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    福岡県朝倉郡の企業で、東北地方への注文増加が書かれているが、地域の雇用や地域経済成長への牽引についての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

将来予測される南海トラフ地震への警鐘が鳴らされ、全国で地震と津波対策への関心が高まっている。改良によって競争力を高めた「のぼーる」の需要は今後ますます高まると期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。