ものづくり補助金平成24年度富山県

H鋼式落石防護柵の嵩上用接合金具の開発

株式会社ビーセーフ

成果落石捕捉性能 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 既設の防護柵を補強・かさ上げする際、支柱や金網をコンクリートごと取り壊して撤去し新設し直す必要があり、資材調達や作業面で大がかりとなり高コスト・工期の長期化を招いていた。
  • 既設の支柱にかさ上げ用の支柱を取り付けるための接合金具を考案し、商品化に向けた性能確認実験を行った。
  • 落石捕捉性能 1倍→2倍。既設の防護柵を撤去せずにかさ上げできるようになり、改修工期は約1カ月から2日程度に短縮され、コストは3割減となった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ビーセーフ
所在地富山県 南砺市
業種総合工事業
技術分野部材の締結
従業員数10人
資本金3,000万円
設立2000年

事業の背景

当社は平成12年に有限会社として設立され、主力製品の「三角フェンス」は落石と雪崩の両方に有効で樹木の伐採も少なく、毎年1キロメートル以上の施工実績がある。地震や土砂災害、豪雪などで災害が全国で頻発し、復興費用は膨れ上がっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既設の防護柵を補強・かさ上げする際、支柱や金網をコンクリートごと取り壊して撤去し新設し直す必要があり、資材調達や作業面で大がかりとなり高コスト・工期の長期化を招いていた。
  • コスト・採算既設防護柵の改修工事はデメリットが多く、防災需要が増える中で低コストで対応できる工法が求められていた。

やったこと

既設の支柱にかさ上げ用の支柱を取り付けるための接合金具を考案し、商品化に向けた性能確認実験を行った。金具は支柱を覆うようにボルトで固定する構造とし、現場で穴あけや溶接といった一切の加工を必要としない形状にこだわった。実験では既設支柱とかさ上げ用支柱を接合した場合の性能を7カ月にわたり検証し、考察と改良を重ねた。開発された工法「ストロンガー工法」は、とやま発明賞を受賞し、平成25年に製造販売を開始した。

新しい製品・サービス:ストロンガー工法(既設H鋼式落石防護柵のかさ上げ用接合金具)

事業の効果

  • 落石捕捉性能 1倍→2倍
  • 改修工期 30日→2日
  • 改修コスト 100%→70%
  • 既設防護柵が3.5メートルまでかさ上げ可能になった

既設の防護柵を撤去せずにかさ上げできるようになり、改修工期は約1カ月から2日程度に短縮され、コストは3割減となった。落石の捕捉性能は2倍以上に高まり、既設防護柵を3.5メートルまでかさ上げできるようになった。製品は国や地方自治体で採用され、受注が増えて売上が伸びている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の三角フェンス・落石防護柵の延長線で、既設防護柵の補強工法に取り組んだ流れが読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    改修工事が工期1カ月かかるところを2日程度、コスト3割減、捕捉性能2倍以上と具体的な優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    既設防護柵の改修時の高コスト・工期長期化という課題を示し、かさ上げ工法で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    工期1カ月→2日、コス3割減、捕捉性能2倍、売上を現在の10倍以上に伸ばす目標が数字で示されている。

  • 事業を進める体制3

    試験場となる技術拠点や研究会での連携は書かれているが、補助事業の遂行体制・人員は具体的に読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ストロンガー工法の顧客は国や地方自治体で、受注が年々増えている点から選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    7カ月の実験と考察・改良を重ねた経過はあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    既設防護柵の補強は防災分野で一般的ではなく、落石捕捉性能2倍超や120キロジュールの耐力と高水準の性能が示されている。

公的補助の必要性80%
  • 波及効果・雇用4

    国土強靭化や防災・インフラ長寿命化に資すること、国や全国の自治体で採用されていることが記されている。

  • 費用対効果5

    補助金で開発し工期1カ月→2日、コス3割減、年平均の施工延長が翌年の6倍以上511.8メートルと費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    環境配慮型・技術のOEM供給は書かれているが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    防災・インフラ長寿命化という国策に乗った分野進出が書かれているが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及3

    富山県の発明賞受賞や南砺市での拠点設置が書かれているが、地域雇用や成長への効果は具体的に読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

災害に強いインフラ整備を進める国土強靭化に役立つ製品として需要の拡大が見込まれるため、売上を現在の10倍以上に伸ばせるよう努める。自社ブランドとしての知名度アップと、開発技術の特許を活かした大手への技術供給(技術のOEM)にも力を入れ、環境に配慮した21世紀型防災システムの構築に貢献したい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。