ものづくり補助金平成24年度富山県

液状化現象を抑制するための施工技術及び新機材の開発

株式会社グランテック

この事例のポイント

  • 独自の地盤改良工法を応用して液状化の抑制に特化した新工法を作るには、その抑制効果を実験で詳しく検証する必要があった。
  • 従来の工法より径の小さいスクリューを新たに設計・製造した。
  • 検証実験で十分な液状化抑制効果が確認でき、新工法「スクリュー・プレス液状化対策工法」が完成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社グランテック
所在地富山県 高岡市
業種総合工事業
技術分野鋳造
従業員数63人
資本金2,000万円
設立1983年

事業の背景

1983年に建設機械のレンタル・整備を行う会社として設立された。現在は各種土木工事と土木工事用機材・機器の開発製造が主力で、建設機械の知識と土木の知識を組み合わせた独自工法が強みになっている。北陸地方のほか、首都圏を中心とした関東地方や東海地方でも工事を手がけている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術独自の地盤改良工法を応用して液状化の抑制に特化した新工法を作るには、その抑制効果を実験で詳しく検証する必要があった。

やったこと

従来の工法より径の小さいスクリューを新たに設計・製造した。地盤を強く圧密するため、従来のスクリューでは削孔が難しいためである。パイルに使う砕石の粒形も小さいものにし、地盤が振動したときに砕石の隙間へ砂が入り込むのを防いで液体透過性を保つようにした。長岡技術科学大学との共同研究として検証実験を行い、砕石パイルを打設した地盤を強制的に振動させて間隙水圧の推移を観察した。

新しい製品・サービス:スクリュー・プレス液状化対策工法

事業の効果

検証実験で十分な液状化抑制効果が確認でき、新工法「スクリュー・プレス液状化対策工法」が完成した。先行する類似工法に対しても、抑制効果や低コスト、低騒音といった優位点があり、十分な競争力が期待できる。完成後は首都圏を含む各地の官公庁や企業に周知し、展示会にも出展して好感触を得た。千葉県や東京都で複数の公共・民間工事を受注し、2016年7月に受注した千葉県船橋市の公園整備に伴う液状化対策工事は公共工事への初採用となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    会社は建設機械の知識と土木工事の知識を組み合わせた独自工法を強みとし、自社開発のスクリュー・プレス工法を基にしている。過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地震への懸念から液状化抑制工事の需要が高まるとし、先行類似工法に対して低コスト・低騒音などの優位点を挙げている。外部環境と強みの関係は具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    液状化抑制効果の実証が必須と課題を認識し、長岡技術科学大学との共同研究で検証実験を行ったと書かれている。課題と解決策の対応は具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値増や賃上げにつながる数値目標は書かれておらず、受注増の記述にとどまる。目標値の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    自社開発工法の施工実績や、千葉県や東京都での複数工事受注が書かれており、実施体制の一部はうかがえる。人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    液状化抑制に特化した工法として、地盤強化・残土削減・有害物質の発生抑制などの利点を整理している。顧客として官公庁や企業への周知も記載がある。

  • 事業化までの道筋4

    第三者機関による認定取得をめざし、共同研究を行う大学の選定中と、実験実施に向けた段階的な計画が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    液状化抑制工法は一般的な普及度が低い分野で、独自工法として先行類似工法との差別化を図っていると読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    地震による液状化被害への対策として社会貢献につながると書かれ、公共工事や公園整備での採用実績も示されている。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、効果は定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    地盤改良の新工法であり、デジタル技術や新しいビジネスモデルの活用は書かれていない。地域インフラへの貢献はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北陸地方を拠点とし、関東や東海でも工事を手がけていると書かれている。地域の特性を活かした付加価値創出は具体的には読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

認知度と信頼性を高めるため第三者機関による認定取得をめざしており、必要なデータを得る実験に向けて共同研究を行う大学を選定している。地震への懸念から液状化抑制工事の需要は高まると見込まれ、新工法の普及を通じて社会へ貢献したいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

宮城県平成24年度

超抗菌ニッケルめっきの事業化

神戸製鋼所の抗菌めっき技術を導入し、自社で性能検証を行ったうえで、試作設備(100L槽と付帯設備)を設置・稼働させた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。