ものづくり補助金平成24年度石川県

小ロットに対応した水菓子(ゼリー、水羊羹など)用容器等生産システムの開発

馬場化学工業株式会社

この事例のポイント

  • 食品業界は商品寿命が短く、マーケットニーズに合わせて多種多様な商品を短期間で展開することが求められている。
  • 水菓子用新容器のデザインを金沢美術工芸大学との産学連携で開発し、中間プレゼンテーションで27デザインの提案を受けて絞り込んだ。
  • 小ロットに対応した新容器と充填システムの開発により、金沢駅内で販売しているゼリー商品「鼓の果」「涼菓 彩紙ふうせん」が昨年から販売好調となった。

事業者のプロフィール

事業者名馬場化学工業株式会社
所在地石川県 金沢市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数145人
資本金3,000万円
設立1984年

事業の背景

当社はプラスチック成型品の製造・販売を主力とし、工業用トレーや食品用トレーなどを手がけてきた。主要取引先は三谷商事株式会社、共栄産業株式会社、株式会社マルアイなどである。食品業界では商品寿命が短く、ご当地商品や季節商品など小ロット商品の企画力が問われるようになっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術食品業界は商品寿命が短く、マーケットニーズに合わせて多種多様な商品を短期間で展開することが求められている。
  • 新製品・新技術水菓子容器は中身が変わっても同じ容量・形状の容器を使うため、ラベルだけでは差別化が図れず商品力に頼っている。
  • 生産能力小ロット商品の企画に合わせて容器の形状を柔軟に変えられ、小ロットでも採算が取れる容器充填システムの開発が求められていた。

やったこと

水菓子用新容器のデザインを金沢美術工芸大学との産学連携で開発し、中間プレゼンテーションで27デザインの提案を受けて絞り込んだ。絞り込んだデザインを当社で試作し、当社の金型製造技術と真空成型技術を用いて治具の製造や成型金型の改良を行い、成型品の精度を上げる最適化条件を導き出した。充填機および付帯設備については、食品に適した安全な材質かどうかを検証し、専門家の指導のもとで素材を選定した。充填機装着時のクリアランス等の設置条件を検証し、安定して充填・製造できる条件を探った。食品の腐食原因の一つとなるシールの剥がし強度について、石川県工業試験場などの指導のもと、強度と剥がしやすさを両立する条件を検証した。

加工機容器成型機
加工機小ロット水菓子充填機
金型成型金型
その他充填機付帯設備

新しい製品・サービス:水菓子(ゼリー、水羊羹など)用新容器

事業の効果

小ロットに対応した新容器と充填システムの開発により、金沢駅内で販売しているゼリー商品「鼓の果」「涼菓 彩紙ふうせん」が昨年から販売好調となった。工場も夏季はフル稼働した。今後は付加価値の高い生産体制と品質を保ちながら、顧客が製造工程を見学できるモデル工場づくりを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    真空成型トレー販売の実績や金型・成型技術の保有が書かれ、既存事業との連続性はうかがえる。経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    少量生産分野を狙うと書かれ、金型加工・真空成型技術を保有するとある。市場や競合との比較による優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    従来容器は同じ容量・形状で差別化しにくいという課題は書かれているが、数値を伴う事業計画や成長効果の記述は乏しい。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    産学連携や石川県工業試験場の指導を受けた検証実験が書かれ、外部支援はうかがえるが、人材や事務体制の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小ロット商品の企画力を活かす新容器を開発し、少量生産分野を狙うと具体的に記載されている。顧客層として全国菓子メーカーやJA等も挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    デザイン開発から試作、絞り込みまでの4段階工程が示されている。ただし期間や工程ごとの課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    水菓子容器は従来同じ形状が使われてきたとあり、形状を自在に変える小ロット容器システムは新しさがうかがえる。市場での水準の数値はない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    ご当地商品や地場の食文化を広く支援する、との記述があり地域性はうかがえる。雇用や波及効果の数値はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    金沢美術工芸大学との産学連携や、食品加工工場のモデル化が書かれている。デジタル技術の活用は記載がない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    小ロット・多品種の食品製造への対応が書かれ、食品業界の変化には触れている。日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    ご当地商品や地場商品、金沢の製品を扱い、地域の食文化を支援すると具体的に書かれている。地域の特性を活かした事業である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

秋に向けて販売量が減ることから、販売先となる新たな店舗を探す必要がある。今後は高度な食品加工工場として、容器だけでなく実際の製品づくりにも関わっていく計画である。

事業者の声

安全安心を基本に、進みすぎず、遅れすぎず、有りそうで無いもの、出来そうでできないものに挑戦し続けます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。