ものづくり補助金平成24年度石川県

マテリアルリサイクルに対応した新型ペレット成形装置の試作開発

株式会社アースエンジニアリング

この事例のポイント

  • 嵩比重、粒度、水分値などの性状が異なる原料ごとに、安定した定量供給の条件を求めることが課題だった。
  • マテリアルリサイクル用途に対応するため、新型ペレット成形装置の試作開発に取り組んだ。
  • 試作機と実験により、適正な金型形状、回転数、トルクの条件が確立された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アースエンジニアリング
所在地石川県 石川県金沢市
業種一般機械器具製造業
技術分野金型
従業員数15人
資本金8,000万円
設立1996年

事業の背景

当社はサーマルリサイクル(燃料)用途のペレット成形装置を製造・販売しており、年間の売上高は2億5千万円から3億2千万円である。近年、廃棄物を製品原料として再利用するマテリアルリサイクル用途のペレット化について、引き合いと需要が増加している。当社の水平ダイス押出し式の成形装置は、原料を均一に混練して円柱状に成形できる点で、マテリアルリサイクル用途のペレット品質に有効だとしてユーザーからの問い合わせやペレット化試験の要望が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術嵩比重、粒度、水分値などの性状が異なる原料ごとに、安定した定量供給の条件を求めることが課題だった。
  • 新製品・新技術性状の異なる原料に柔軟に対応しつつ、安定して成形できる成形条件を求めることが課題だった。
  • 品質・精度ペレットサイズによって品質と歩留まりが変わるため、未成形の粉を分離できる分級の仕組みが必要だった。
  • その他原料投入と成形時に出る臭気と粉塵が作業環境を悪化させるため、これを低コストで防ぐ必要があった。

やったこと

マテリアルリサイクル用途に対応するため、新型ペレット成形装置の試作開発に取り組んだ。定量供給機本体、減速機付モーター、制御盤を試作・改良して定量供給の条件を求めた。成形機本体は主軸回転数の可変化、ローラ直径の大型化、多層ダイスシステムの開発を行い、鶏糞堆肥、粉末状紙パルプ、汚泥乾燥品、廃プラスチックなど多様な原料で4mm〜20mmのペレットに成形できるようにした。ペレットサイズごとに分級機を製作し、未成形粉を分離できることを確認した。小型化した発泡セラミックスフィルターの脱臭装置を試作し、安価な集塵装置と接続して運転確認を行った。

加工機定量供給機本体
その他減速機付モーター
その他制御盤
加工機成形機本体(ローラ大型化・多層ダイスシステム)
金型多層ダイスシステム
加工機分級機
その他小型脱臭装置(発泡セラミックスフィルター)
その他集塵装置

新しい製品・サービス:マテリアルリサイクルに対応した新型ペレット成形装置

事業の効果

試作機と実験により、適正な金型形状、回転数、トルクの条件が確立された。客先ニーズに応じて多種のペレットを試作・評価できるようになり、現物を使った提案や装置の運用面を含む提案も可能になった。連続運転試験でコストパフォーマンスの高い新型機の仕様が定まり、小型脱臭装置で臭気が減り集塵装置のコストも下げられることが確認された。平成30年9月にショールームを開設し、試作機を移設して展示したところ来訪者が増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    サーマルリサイクル用ペレット成形装置の製造・販売が本業で、マテリアルリサイクル用途への展開が課題として挙げられているが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    マテリアルリサイクル用途の引合い・需要増加を機会と捉えたと記載あり。ただし自社の強みとの関係や競争優位の具体的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    課題1〜4を設定し試作で解決を図った経緯は読み取れるが、高付加価値化・成長に直結する事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上高は年間2億5千万〜3億2千万円と示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員15人の体制、石川県の工場での試作・運転、課題ごとの技術検証が具体的に記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ペレット径や物性の多様な要求に対応する点、未利用バイオマス500社・廃プラ200社の市場規模が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    課題ごとの検証結果と成果は示されるが、今後の中長期スケジュールや課題解決方法の詳細は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    マテリアルリサイクル向けペレット成形の分野で、ニッチ分野への浸透を狙う点が示されるが、高付加価値化の具体的数値は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    廃棄物処理業界から農林・畜産・食品など排出業者へ市場が拡大すると記載され、新たな需要創出の観点はうかがえる。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は記載されていないが、コストパフォーマンス向上や臭気・集塵コストダウンへの言及がある。

  • イノベーションへの貢献2

    脱臭装置と集塵装置の組み合わせなど環境対策の工夫はうかがえるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    リサイクル分野での市場拡大への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨の記述はない。

  • 地域経済への波及3

    石川県志賀町の工場と金沢市のショールームを拠点とし地域事業として展開しているが、地域経済への波及効果の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

従来のサーマルリサイクル分野に加え、マテリアルリサイクル分野のユーザー獲得を目指し、プラスチック成形加工分野でのシェア拡大も狙う。未利用バイオマス分野で500社、廃プラスチック分野で200社の市場が見込まれ、廃棄物処理業界から農林、畜産、食品、プラスチック製品製造・加工業などの排出業者へ拡大していく。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。