ものづくり補助金平成24年度兵庫県

改善提案製品の量産化に伴う、設備増強

株式会社中谷製作所

この事例のポイント

  • 従来は委託された内容に従って行う加工業者であり、プラスチック樹脂成形は他社との差別化が図りにくかった。
  • 顧客の海外進出を機に、顧客生産拠点に隣接する工場団地へ工場を新設して移転し、余裕のある工場配置とした。
  • 工場移転と設備のネットワーク化・自動化により、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中谷製作所
所在地兵庫県 加西市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数43人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

従来は様々な最終製品分野の顧客があったが、2008年頃のリーマンショックや顧客生産拠点の中国移転などの影響で、発注が減少・不安定になることがあった。その際に、自社の強みを活かして景気環境に左右されず顧客から求められる企業になる必要があると考えるようになった。補助事業の計画策定を通じて、受託加工から開発提案型企業への転換を目指した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来は委託された内容に従って行う加工業者であり、プラスチック樹脂成形は他社との差別化が図りにくかった。
  • 集客・繁閑2008年頃のリーマンショックや顧客生産拠点の中国移転などにより発注が減少・不安定になることがあった。
  • 生産能力受託生産が精いっぱいで、開発・提案に向ける生産余力がなかった。

やったこと

顧客の海外進出を機に、顧客生産拠点に隣接する工場団地へ工場を新設して移転し、余裕のある工場配置とした。各設備を有線でネットワーク化し、稼働状況を一括でモニタリングできるようにした。射出成形機を複数台導入し、設備には部材を投入するロボットを取り付けて可能な限り自動化し、IoT化により複数台を監視しながら24時間稼働と省力化を実現した。金属部品の樹脂化や金属と樹脂の一体成型に取り組み、工程数を減らしてコストダウンと性能強化を実現した。クリーンルームを別途設けて医療用品等を明確に区分けしたスペースで製造できるようにした。パートナー企業と共同で高強度カーボン複合素材を開発した。

加工機射出成形機(複数台)
ロボット部材投入ロボット
ソフト設備稼働状況の一括モニタリングシステム

新しい製品・サービス:金属部品の樹脂化、金属と樹脂の一体成型部品、高強度カーボン複合素材(共同開発)

事業の効果

工場移転と設備のネットワーク化・自動化により、生産性が向上した。金属と樹脂の一体成型などで工程数を削減し、コストダウンと性能強化を実現した。医療分野向けの樹脂製品を衛生的に生産できる体制を整え、当該分野への進出に成功した。単なる加工屋から開発提案企業へと変わり、顧客からも開発パートナーとして見られるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    請負から開発提案型への転換という方針が書かれ、2008年のリーマンショック後の影響という過去の経緯との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の海外進出や中国移転による発注減少を背景に、樹脂と金属の一体成型や高強度カーボン複合材料で差別化する強みが書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    金属部品の樹脂化で工程を大幅短縮しコストダウンと性能強化を実現したと、課題と解決の方向が具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    共同開発先のパートナー企業の協力や従業員43人の記載はあるが、補助事業の遂行体制の具体的説明は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用樹脂製品をクリーンルームで安価かつ衛生的に生産し、他社では難しい加工の依頼が寄せられるなど顧客ニーズの裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発提案への段階的な取組(金属樹脂化、一体成型、クリーンルーム、素材開発)の順序は示されるが、スケジュールや検証方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属樹脂一体成型や高強度カーボン複合素材など、他社では難しい高付加価値品への取組が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外製造業者にコスト負けしない生産性向上への努力はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果3

    工程数削減によるコストダウンや24時間稼働による生産性向上は書かれているが、投入額との費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによる設備の一括モニタリングやロボットによる自動化を進めたとあり、デジタル活用の要素はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出や複合素材の開発がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    兵庫県加西市の工場団地への移転は書かれているが、地域の経済成長や雇用創出への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

IT活用の高度化による生産性の向上、新機能材料に係る技術向上、複合素材加工の深耕を今後の展開として進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。