ものづくり補助金平成29年度製造業兵庫県

高強度カーボン複合材料による高付加価値製品の製造

株式会社中谷製作所

この事例のポイント

  • 2008年頃のリーマンショックや顧客の生産拠点の中国移転により発注が減少・不安定になることがあった。
  • 主要顧客の生産拠点に隣接する工場団地へ工場を新設して移転し、余裕のある工場配置とした。
  • 金属で使用していた部品を樹脂化することに成功し、金属と樹脂の一体成型により工程を大幅に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中谷製作所
所在地兵庫県 加西市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,精密加工,複合・新機能材料,複合・新機能材料
従業員数43人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

プラスチック樹脂成形は差別化が図りにくく、当社も従来は委託された内容に従って加工を行う業者であった。従来は様々な最終製品分野の顧客があったが、2008年頃のリーマンショックや顧客生産拠点の中国移転などの影響で発注が減少・不安定になることがあった。この経験から、自社の強みを活かして景気環境によらず顧客から求められる企業になることを考えるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑2008年頃のリーマンショックや顧客の生産拠点の中国移転により発注が減少・不安定になることがあった。
  • 新製品・新技術プラスチック樹脂成形は差別化が図りにくく、従来は委託内容に従う加工業者であった。
  • 生産能力受託生産が精いっぱいで、開発・提案に取り組む余力がなかった。

やったこと

主要顧客の生産拠点に隣接する工場団地へ工場を新設して移転し、余裕のある工場配置とした。各設備は有線でネットワーク化し、稼働状況を一括でモニタリングできるようにした。複数台の高性能な射出成形機を導入し、材料の投入や取り出しにはロボットを活用して自動化を進めた。金属部品と樹脂を一体成型する技術を開発し、クリーンルームを別途設けて医療用品を区分けして製造できる環境を整えた。さらに素材生産ができるパートナー企業と共同で高強度カーボン複合素材を開発した。IoT化で複数台を監視し、設備の24時間稼働と省力化を実現した。

加工機高性能射出成形機(複数台)
ロボット材料投入・取り出し用ロボット
ソフト設備稼働状況のモニタリングシステム
その他クリーンルーム成形室

新しい製品・サービス:金属部品と樹脂の一体成型部品、医療分野で用いる樹脂製品、高強度カーボン複合素材を用いた樹脂製品

事業の効果

金属で使用していた部品を樹脂化することに成功し、金属と樹脂の一体成型により工程を大幅に短縮した。工程数の削減によりコストダウンと性能強化を実現し、顧客から高い評価を受けた。医療分野へ進出し、設備の24時間稼働と省力化により生産性が向上した。開発パートナーとして顧客の製品開発に欠かせない存在となることができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    従来の受託加工から開発提案型へ転換する方針が、2008年の顧客影響や金属樹脂一体成形の実績とともに一貫して書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外製造業者にコスト負けしない生産性向上や差別化の必要性は書かれているが、市場動向を定量的に示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    発注減少という課題に対し、金属樹脂一体成形で工程を大幅短縮しコストダウンを実現した具体的な対応が書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員43人、設備導入や工場移転の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療用品のクリーンルーム製造や高強度カーボン複合材料など製品価値は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    素材開発の段階的な進め方(樹脂化、融合品、クリーンルーム、素材開発)が示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高強度カーボン複合材料や金属樹脂一体成形などの高付加価値品に取り組むと書かれているが、普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外製造業者へのコスト対応は書かれるが、地域波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果2

    工程削減によるコストダウンは書かれるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTによる複数台モニタリングや顧客との共同開発で、サプライチェーンでの開発提案に貢献する姿勢が読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出や新素材開発がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    兵庫県加西市の立地は書かれるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済成長への言及はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は複合素材加工の深耕、新機能材料に係る技術向上、IT活用の高度化による生産性の向上を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。