ものづくり補助金平成24年度石川県

木工用自動切削装置の開発による高精度な太鼓バチ製造システムの構築

株式会社浅野太鼓楽器店

成果一日当たりのバチ製作数 70組/日→110組/日

この事例のポイント

  • 特注バチは製作に非常に時間がかかり、量産することが不可能だった。
  • 高度な木工用自動切削装置を開発し、顧客のニーズに合わせて左右均一な打音を出すバチや多様な音色を出すバチを短時間で量産できる体制を目指した。
  • 一日当たりのバチ製作数 70組/日→110組/日。木工用自動切削装置の導入により、一日あたりのバチ製作数が70組から110組に増え、月平均で2,240組以上の量産が可能…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社浅野太鼓楽器店
所在地石川県 白山市
業種その他の製造業
技術分野溶接
従業員数35人
資本金100万円
設立1970年

事業の背景

近年、国内外で和太鼓愛好者が急増し、音楽性を追求する和太鼓団体は多彩な音色を出せるバチを求めていた。同社は創業慶長14年(1609年)の老舗で、直径3尺(90cm)以上の大太鼓について国内シェア70%以上を維持している。一方で、伝統の技を継承する職人は今後ますます減少すると見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力特注バチは製作に非常に時間がかかり、量産することが不可能だった。
  • 品質・精度機械を使い人間がバチの太さを揃え面取りしていたため、左右で同一のバチを作れず、左右の打音に違いが出ていた。
  • コスト・採算製品化の途中で資材を破棄することが多く、木材の無駄が大きかった。

やったこと

高度な木工用自動切削装置を開発し、顧客のニーズに合わせて左右均一な打音を出すバチや多様な音色を出すバチを短時間で量産できる体制を目指した。装置により左右のバチの太さの差を0.1ミリ以内におさめ、面取りを左右全く均一に仕上げ、より精度の高い研磨を可能にした。バチの先端を細く削ったり硬度の高い木材を選んだりする特注品の製作にも対応できるようにした。機械化により製品化の途中で破棄していた資材を大幅に削減し、原材料を約15%削減して切削加工を効率化した。加工状況の監視や精度検査も行い品質管理を強化した。

加工機木工用自動切削装置

新しい製品・サービス:多彩な音色を出せる太鼓バチ

事業の効果

  • 一日当たりのバチ製作数 70組/日→110組/日

木工用自動切削装置の導入により、一日あたりのバチ製作数が70組から110組に増え、月平均で2,240組以上の量産が可能になった。左右のバチの太さの差を0.1ミリ以内におさめたことで、左右の手で同じ音色と響きを出せるようになり、音にこだわる愛好者のニーズに応えられるようになった。木材使用量が約15%減り価格を低く抑えられたため、購買層を拡大できた。多様な音色のバチを提供したことで、太鼓が日本国内だけでなく世界で新しい音楽の領域を形成しつつある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業慶長14年から太鼓製造を一貫して行い、大太鼓で国内シェア70%以上を維持している点はうかがえるが、本計画の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    和太鼓愛好者の急増や多彩な音色を求める団体のニーズに触れ、ワールドワイドな市場開拓を目指すとあるが、自社の強み・弱みとの関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    課題はバチの左右差や量産の難しさとして示され、切削装置で解決する方向は読めるが、高付加価値化の計画としての具体性は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    一日70組から110組へ、月平均2,240組以上の量産が可能になったと数字で示され、バチ1組あたりの木材使用量も約15%減少と書かれている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ニーズに応じた左右均一な打音や多様な音色のバチを製作できる点は示されるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として桶自動組立装置の導入を検討中とあるだけで、遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    左右均一に仕上げる高精度バチは従来の人力製作では不可能だったとし、同分野で高水準の高付加価値化を図る内容が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    伝統の技を継承する職人が減少する中で伝統楽器の省力化と普及に努めるとあり、国が補助する必要性は間接的にうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    木材使用量約15%減や量産能力の向上が示され費用対効果の方向性は読めるが、補助金額に対する付加価値増の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動切削装置は導入されているがデジタル技術や新しいビジネスモデルの記述は薄く、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川県白山市の地場企業として木材加工から販売まで一貫して行う点は示されるが、地域経済や雇用への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

伝統の技を継承する職人の減少を見据え、鼓・大鼓の胴切削機械や桶胴太鼓製造のための桶自動組立装置の導入を検討している。今後も省力化と伝統音楽の普及に努めていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。