ものづくり補助金平成26年度製造業大分県

日田下駄製造にNCルータ機を導入し、前工程内製化と、多品種少量生産対応を図る

成果NCルーターマシンは0.1ミリ単位での調整が可能

この事例のポイント

  • 木地を木地職人から画一的なサイズでしか仕入れられず、どの工房でも似た製品しか作れず個性が出しにくかった。
  • 倣い面取り鉋とNCルーターマシンの2種の機械を導入し、下駄の木地の内製化を図った。
  • NCルーターマシンは0.1ミリ単位での調整が可能。木地の内製化により作業のスピードアップと完成度の高い製品作りが可能になった。

事業者のプロフィール

所在地大分県 日田市
業種木材・木製品製造業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数4人
設立1948年

事業の背景

日田は静岡市・松永町と並ぶ日本の三大下駄産地のひとつで、全盛期には全国シェアの8割を占め、市内に200軒の会社や工房が下駄関連の仕事をしていた。生活様式の変化などで、現在は下駄に関連する仕事をしているのは10軒あまりに激減している。日田の下駄作りは枕、木地、仕上げの分業制で、本野はきもの工業は仕上げを担う工房である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力木地を木地職人から画一的なサイズでしか仕入れられず、どの工房でも似た製品しか作れず個性が出しにくかった。
  • 人手・技能日田の下駄は枕職人と木地職人がそれぞれ一人しかおらず、どちらかが休業や廃業すると材料が不足する将来への不安がある。
  • 新製品・新技術自由なデザインの下駄を作りたいが、デザイン性を高めるには精密な加工が必要である。

やったこと

倣い面取り鉋とNCルーターマシンの2種の機械を導入し、下駄の木地の内製化を図った。倣い面取り鉋で下駄枕を削ると、足の裏の形に合わせた曲線の加工が可能になる。NCルーターマシンは入力したデータに沿って下駄の下部と側面を削り取り、0.1ミリ単位での調整ができる。これにより自由なサイズやデザインの下駄を自社で作れるようになり、オーダーメイド型ビジネスの試作開発と生産の内製化を進めた。

加工機倣い面取り鉋
加工機NCルーターマシン

新しい製品・サービス:オーダーメイド型ビジネスとしての自由なサイズ・デザインの下駄

事業の効果

  • NCルーターマシンは0.1ミリ単位での調整が可能

木地の内製化により作業のスピードアップと完成度の高い製品作りが可能になった。サイズやヒールの高さ、側面の形状などデザインの制約が解消され、特に女性向けに多彩な下駄を作れるようになった。集成材やアクリルなど従来使われなかった素材も木地に使えるようになり、多様化するユーザーニーズに対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    新店舗建設を機に小売を始め、オーダーメイド型ビジネスを新事業の柱と位置付けている点は読み取れるが、過去の取組との一貫性は詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    浴衣の流行で下駄の人気が回復しつつあるとの外部環境は触れられるが、競争優位性を裏付ける自社資源の強み・弱みの記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    枕・木地職人が一人ずつしかいない将来への不安という課題認識と、内製化による対応は読み取れるが、成長指標や事業計画の数値は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    社員数4名、創業昭和23年で仕上げ工房として営んできたことは書かれるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力は直接書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自由なサイズ・デザイン、ヒールの高さ、集成材やアクリルの素材対応など、顧客ニーズへの対応と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    NCルーターの0.1ミリ単位の調整など機械面の記述はあるが、中長期の課題検証やスケジュール・課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    全盛期の全国シェア8割から市内の下駄関連事業者が10軒あまりに減った中で、オーダーメイド型で多品種少量を高付加価値化する点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    三大下駄産地の伝統技術である日田下駄の分業体制を維持する必要性が示されるが、波及効果の数値的な裏付けは乏しい。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    NCルーターや倣い面取り鉋による精密加工は読み取れるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    日田市の下駄産地という地域特性を活かし、集成材など新素材を取り入れた付加価値づくりが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

汎用品からオンリーワンへと転換し、オーダーメイドで自分だけの下駄を提供する「オーダーメイド型ビジネス」を実現する。アパレルブランドとの提携や下駄の体験型産業観光化などで下駄の魅力を発信していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。