森林資源の薪利用による環境保全と魅力あるキャンプ場づくりの両立

山梨県の製造業の会社が、ものづくり補助金で薪製造機を導入し、間伐材を薪にして販売することで森林資源の維持を目指した事例です。

株式会社通

この事例のポイント

  • 高齢化に伴う林業従事者の減少で、適切な間伐が行われなくなっている。
  • 間伐材を効率よく大量に薪へ加工するため、薪製造機「ハッキピルケ 43PRO」を導入しました。
  • 間伐材を薪に加工して販売する取り組みを始めたことで、山林整備で出た間伐材を有効活用し、森林資源の維持につなげています。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社通
所在地山梨県 山梨市
業種その他の製造業
従業員数4人
資本金200万円
設立2015年

事業の背景

アウトドアのキャンプブームが続いており、若年層からシニアまで幅広い人気がある。平日や冬季に一人で出掛けるソロキャンパーも増えている。

一方で、豊かな森林を維持するには人の手による間伐が必要だが、林業従事者の高齢化と減少により適切な間伐が行われなくなっている。株式会社通は平成28年6月に標高約700mの「ほったらかしキャンプ場」を開業し、3カ月先まで平日も予約が埋まる人気を得ている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他高齢化に伴う林業従事者の減少で、適切な間伐が行われなくなっている。

やったこと

間伐材を効率よく大量に薪へ加工するため、薪製造機「ハッキピルケ 43PRO」を導入しました。県内で保有しているのは現時点で当社だけです。

送材、切断、薪割り、排出の全工程を流れるように進められ、加工時間は一般的な薪割り機と比べて4分の1になります。切った薪は少なくとも3カ月間乾燥させる必要があるため、乾燥設備も独自に導入しました。

完成した薪はキャンプ場受付で販売し、キャンプのたき火やたき火料理に利用してもらっています。

新しい製品・サービス:間伐材を加工した薪の販売

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

間伐材を薪に加工して販売する取り組みを始めたことで、山林整備で出た間伐材を有効活用し、森林資源の維持につなげています。薪を使ったキャンプ体験の魅力も高まりました。

薪の加工は環境保護だけでなく、地域の農家が持ち込む桃の伐採木の活用など、地域の農業や林業の課題解消にも役立つと考えられます。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性県内で同機種を保有するのは自社のみと明記され、加工時間は一般的な薪割り機の4分の1という強みを示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け3カ月先まで平日も予約が埋まる人気を示し、眺望や多彩なサイトといった選ばれる理由が整理されている。
  • 4
    波及効果・雇用間伐の担い手減少や森林保全という社会課題に対し、地域の林業・農業の課題解消へ役立つ点が示されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、薪の販売先拡大の意欲が述べられている程度である。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    キャンプ場運営の既存事業と森林保全への着目を継続し、薪製造機の導入で間伐材活用へ展開しており、一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内で同機種を保有するのは自社のみと明記され、加工時間は一般的な薪割り機の4分の1という強みを示している。

  • 課題の認識と解決3

    間伐の担い手不足という林業の課題を認識し、薪販売と薪割り体験などで高付加価値化を図る計画が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、薪の販売先拡大の意欲が述べられている程度である。

  • 事業を進める体制3

    代表者と従業員が重機オペレーションを担え、サイト整備も自前で行える体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    3カ月先まで平日も予約が埋まる人気を示し、眺望や多彩なサイトといった選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    薪は3カ月の乾燥が必要なため乾燥設備を独自に導入するなど、工程上の課題を踏まえた実施方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    キャンプ場で薪を使う体験や薪ストーブ販売など、薪を活用した独自のサービス展開が書かれている。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用4

    間伐の担い手減少や森林保全という社会課題に対し、地域の林業・農業の課題解消へ役立つ点が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    近隣農家の伐採木を受け入れ、間伐材を地域の資源循環につなげる仕組みが示されており、地域連携の貢献が読み取れる。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    山梨市の桃の伐採木や地域林業と連携し、地域資源を活かしたキャンプ場の魅力づくりを進めている。

今後の展望

他のキャンプ場や県内のホームセンターにも薪を幅広く販売していきたいと考えています。薪割り体験、薪ストーブ、薪でピザやバーベキューを調理する体験の場も検討しています。

薪ストーブの代理店販売も検討しています。

事業者の声

「ハッキピルケ 43PRO はかなり大型の薪製造機なので、県内で保有しているのは現時点で当社だけです。効率良く大量に加工できるので、他のキャンプ場や県内のホームセンターにも幅広く販売していきたいです」

「薪の販売だけでなく、薪割り体験や薪ストーブ、薪でピザやバーベキューを調理する体験の場も検討しています。また、たき火を楽しむには火の取り扱いを安全に行うことが前提となるため、初心者キャンパーらを対象に、たき火をはじめキャンプ場における一定のマナー教育を動画や対面で説明していきたいです。薪ストーブの代理店販売も検討しています」

「お客さまに楽しんでもらうため、敷地内にカフェやバーも順次開設しました。さらにコーヒーの焙煎所も設ける予定です」

「私もスタッフも重機のオペレーションができるので、自前でサイトの整備や拡張ができることも大きいです」

「実は知り合いの中小企業診断士から聞くまで知りませんでした」

「利用することができて良かったです。大変価値のある事業だと思うので、もっと広く PR して多くの企業に利用してもらいたいです」

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。