ものづくり補助金平成24年度福井県

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)用特殊形状ドリル(特許有)、及びエンドミル開発製造

有限会社石川研磨製作所

この事例のポイント

  • CFRP用ドリルの試作・開発を進めるにあたり、バリやデラミネーションの発生を防ぐ高い切削性能と切削抵抗の低減が求められていた。
  • CFRP用ドリルの知見を活用し、刃の素材や形状、コーティングについて試作と試験を重ねた。
  • ハイブリッドドリル「ゼロバリ」は切削工具メーカーや代理店、大手ユーザーから高い評価を得ている。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社石川研磨製作所
所在地福井県 坂井市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数11人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

有限会社石川研磨製作所は、東京品川で創業以来60年以上にわたり特殊なオリジナル工具の製作や加工、再研磨、コーティングを行ってきた。2013年に坂井市丸岡町に福井工場を設立し、CFRP用ドリルの開発などを行ってきた。福井県は同社の技術力を評価し、炭素繊維の供給拠点づくりの核企業として工場を誘致した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力CFRP用ドリルの試作・開発を進めるにあたり、バリやデラミネーションの発生を防ぐ高い切削性能と切削抵抗の低減が求められていた。
  • コスト・採算金属材料の加工では裏面に発生するバリを取る二次作業が加工時間とコストを増大させていた。

やったこと

CFRP用ドリルの知見を活用し、刃の素材や形状、コーティングについて試作と試験を重ねた。アルミ、鉄・ステンレス、CFRTP、チタンなどについて、最適な切削性能と抵抗の軽減を実現した。その結果、エンドミルやリーマなどの特性も備えるハイブリッドドリル「ゼロバリ」を開発し、各素材用に商品化した。新しい生産設備も導入して量産化を進めた。

  • 加工機量産化のための新しい生産設備

新しい製品・サービス:バリの出ないハイブリッドドリル「ゼロバリ」

事業の効果

ハイブリッドドリル「ゼロバリ」は切削工具メーカーや代理店、大手ユーザーから高い評価を得ている。バリ取りのコストがなくなり、工具寿命が長く加工精度も高いため、加工の二次作業を減らせる。切削性能の高さと切削抵抗の低さにより、センタリングが不要で高い精度の位置決めができるようになった。今後は複合材料への対応やクロス穴加工をしやすい形状への改良を進め、バリの出ないドリルの普及を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    東京で60年以上、特殊工具の製作や再研磨を続けてきた経緯が書かれ、CFRP用ドリル開発との連続性はうかがえる。経営戦略上の位置付けまでは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    価格は従来品の2〜3倍だがバリ取りのコストがなく工具寿命も長いと述べ、工具メーカーや大手ユーザーから高い評価を得ていると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    二次作業(バリ取り)がコストを増大させる課題を明示し、ハイブリッドドリルで解決した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    価格差や展示会・OEMでの普及目標は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員11名、手加工からNC化へ移行したことは読み取れるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    バリが出ない特性、位置決め精度、アクリルなどユーザーニーズへのマッチなど、製品の価値と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    複合材料対応やクロス穴加工形状への改良、展示会PR、大手とのOEMなど今後の進め方は書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来品の2〜3倍の価格で、バリが出ないハイブリッドドリルという高付加価値の製品を商品化したと書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    炭素繊維の供給拠点づくりの核企業として福井県が工場を誘致した経緯があり、地域への波及はうかがえるが定量的な記述はない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は書かれておらず、わずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    CFRPや複合材料など新素材の加工に対応する技術的貢献はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの言及は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    炭素繊維やCFRP分野への進出は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    福井県の誘致による地域拠点化と坂井市での工場設立は読み取れるが、地域雇用や経済成長への数値的な効果は示されていない。

今後の展望

複合材料への対応や、クロス穴加工をしやすい形状などへの改良を進めるとともに、展示会でのPRや大手メーカーとのOEMなどを通し、バリの出ないドリルの一層の普及を目指していく。

  • 目標:価格は従来品の2〜3倍と高価だが、バリ取りのコストがなく工具寿命も長い。

事業者の声

お客様の身になって、当社にしかできないものづくりを続けていきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。