ものづくり補助金平成29年度製造業山形県

画期的ホブ盤・技術導入による、高生産性・高品質・付加価値の向上

株式会社東海林製作所

成果加工速度 1倍→7倍

この事例のポイント

  • 歯車の需要が高まり増産の依頼が来ていたが、受注に対して82%の供給にとどまり低迷していた。
  • 歯切り加工のスピードアップによる生産性と品質の向上を目的に、CNC横型ホブ盤N80を導入した。
  • 加工速度 1倍→7倍。ドライカットホブ盤とスカイビング加工の導入により、歯切りの加工速度が大きく向上し、加工時間の短縮と生産性の向上が図られ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東海林製作所
所在地山形県 天童市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数40人
資本金3,000万円
設立1969年

事業の背景

歯車・歯車装置関連の需要が高まり、当社へも増産の依頼が来ていた。しかし設備の老朽化や人材不足で技能伝承が進まず、生産性が低下して受注に対し82%の供給と低迷していた。当社は自動車・ミシン関連の部品から、高い精度を要する精密歯車・減速機へ生産を切り替えてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力歯車の需要が高まり増産の依頼が来ていたが、受注に対して82%の供給にとどまり低迷していた。
  • 人手・技能設備の老朽化と人材不足により技能伝承が進まず、生産性が低下していた。
  • 生産能力歯切り工程のホブ盤は熟練工にしか扱えない旧型の設定機能で、加工速度が遅いことが大きなネックになっていた。
  • 品質・精度段取り、歯面粗さの修正、刃物の研磨、歯車研削盤での修正に多くの時間が必要だった。
  • その他旧ホブ盤がウェット式のため切削油を大量に使用し、環境負荷が懸念されていた。

やったこと

歯切り加工のスピードアップによる生産性と品質の向上を目的に、CNC横型ホブ盤N80を導入した。N80は従来のホブ盤に対して加工速度が約7倍と速く、焼き入れ後の仕上げ加工も同一機で可能である。導入したホブ盤は、モジュール2.0以下までのドライカット方式による下切りと、熱処理後の歯車歯面の歪みを仕上げるスカイビング加工の2役を担う。ドライカット化により、旧ホブ盤で大量に使っていた切削油も不要にした。さらに導入と同時に、川上から川下へのモノの流れに沿ったレイアウトへ大幅に変更した。

加工機CNC横型ホブ盤N80(ドライカットホブ盤)

事業の効果

  • 加工速度 1倍→7倍
  • モジュール(対応する歯車の大きさ) 2モジュール→6モジュール
  • モータ容量 1.5kW→11kW
  • 昨年の売上は全体の約15%の成果であった

ドライカットホブ盤とスカイビング加工の導入により、歯切りの加工速度が大きく向上し、加工時間の短縮と生産性の向上が図られた。歯面の精度も向上し、高精密歯車製品で他社との差別化ができるようになった。対応できる歯車の大きさと機種の範囲も広がり、付加価値の向上につながっている。切削油の使用をなくしたことで環境負荷も下がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧型ホブ盤のネックや設備老朽化を課題に挙げ、精密歯車の製造を継続する方針が読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    歯車・歯車装置の需要増と受注に対する82%の供給率という外部環境と課題が示される一方、強みの具体的な比較は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    供給率82%、加工速度約7倍、歯面精度向上という課題と解決策が具体的に示され、高付加価値化につなげる構成になっている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工速度約7倍、5年後に本事業売上高40%増という数値目標が示されるが、付加価値額や賃上げの目標は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    従業員40名、熟練工の技能伝承の課題に触れるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な配置は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    精密歯車で差別化を図りモジュール6.0までの大型歯車に対応すると示されるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    昨年秋の導入や今年9月の大型自動ホブ盤導入など段階的な計画の流れは示されるが、遂行方法や課題解決の詳細は限定的。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ドライカット方式やスカイビング加工による高精密歯車での差別化が示されるが、分野の普及度や高価格化の定量的根拠は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    歯車・歯車装置の需要増には触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    加工速度約7倍や売上約15%の成果が示されるが、補助金投入額に対する付加価値増や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ドライカット方式による切削油削減で環境負荷に配慮する点はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形県天童市の企業である点は示されるが、地域の特性を活かした経済成長や雇用創出への言及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

5年後に本事業の売上高を40%増やすことを目指す。大型精密歯車で差別化と付加価値の向上を図り、モータ容量の大きい機種の拡大によってニーズに応えていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。