ものづくり補助金平成30年度製造業三重県

低振動・低騒音な高精度ウォームギヤの革新的高効率生産体制の構築に資するCNC歯車試験機の導入

株式会社マキシンコー

成果ウォームの仕上げ研削時間 4h→0.9h

この事例のポイント

  • ウォームギヤの「歯当り評価」は統一規格がなく目視で行われており、熟練を要するため作業者による評価のばらつきが生じ、品質を安定させることが困難である。
  • CNC歯車試験機を導入し、歯面形状を自動的に数値評価できる歯車形状計測システムを構築した。
  • ウォームの仕上げ研削時間 4h→0.9h。CNC歯車試験機と既設CNCウォーム研削盤の融合により、0.9hで最良の歯面形状のウォームを製作できるようになり、年間…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社マキシンコー
所在地三重県
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数200人
資本金1億円
設立1940年

事業の背景

昭和15年の創業以来、歯車に関係する事業を堅実に展開しており、現在はウォーム減速機、スクリュージャッキ及びギアードモーター等を主力製品として製造している。これらの製品は機械要素部品として用途範囲が広く、回転寿司のコンベアやパラボラアンテナ駆動部など一般産業界以外でも使用されている。近年はエレベーター等で使用されるウォーム減速機について、低振動、低騒音及び高伝導効率化への顧客要求が一段と高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ウォームギヤの「歯当り評価」は統一規格がなく目視で行われており、熟練を要するため作業者による評価のばらつきが生じ、品質を安定させることが困難である。
  • 品質・精度不具合が発生した場合、原因の特定及び修正が難しいという欠点があった。
  • 生産能力エレベーター等で使用されるウォーム減速機の低振動・低騒音・高効率化への顧客要求が高まっており、高精度かつ高効率な量産体制の確立が必要だった。
  • 生産能力ウォームの仕上げ研削時間及び段取り時間が長く、現状で4~8hを要していた。

やったこと

CNC歯車試験機を導入し、歯面形状を自動的に数値評価できる歯車形状計測システムを構築した。測定精度は0.1μmの最小測定値を実現し、検査成績表から要求されるウォーム諸元との誤差を確認できるようにした。既設のCNCウォーム研削盤と融合させ、計測された形状測定データを研削盤の加工条件設定に用いて、再度の修正データによる仕上げ研削を行う体制とした。当社で製造するMA80-50型を対象に、歯形誤差と歯すじ誤差の測定データを「歯車試験機 ウォーム測定データベース」のフォーマットにデータベース化した。

検査測定CNC歯車試験機

新しい製品・サービス:低振動・低騒音な高精度ウォームギヤ

事業の効果

  • ウォームの仕上げ研削時間 4h→0.9h

CNC歯車試験機と既設CNCウォーム研削盤の融合により、0.9hで最良の歯面形状のウォームを製作できるようになり、年間1,040千円の加工費用を削減できた。製作したウォームギヤの歯当り割合は歯すじ方向35%以上、歯たけ方向30%以上を確保し、JGMA1002-01で規定するB区分のウォームギヤを品質のばらつきなく継続的に製作できるようになった。歯形誤差・歯すじ誤差のデータベース化により、今後他機種にも展開して高品質なウォームギヤを継続的に製作できる基盤が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の歯車事業の展開と、ウォーム減速機などの主力製品が記載されている。過去の取組との連続性は読めるが、経営戦略上の位置づけの説明は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客の低振動・低騒音・高伝導効率への要求、20万種類超の製品、海外代理店網などの強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    歯当り評価の目視依存という課題を明示し、研削時間を4~8hから0.9hへ削減、年間1,040千円の加工費削減という数値が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    最小測定値0.1μm、研削時間の削減目標1~4hに対し実績0.9h、歯当り割合35%以上など数値目標と達成結果が示されている。

  • 事業を進める体制2

    担当体制や人材、事務処理能力についての記述は見当たらず、職人の技術力に触れる程度にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    エレベーター向けジャッキの低騒音・低振動要求など、顧客ニーズと製品の価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    課題A~Dごとに解決方法が示されているが、中長期スケジュールや検証の全体計画の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ウォームギヤの高精度化、歯当り数値化の標準化を目指す点は読めるが、高付加価値化の水準や市場の普及度は具体性が薄い。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用4

    JGMA規格の数値化による標準化で日本の優位性を発揮できると記載され、業界への波及効果が具体的に述べられている。

  • 費用対効果4

    年間1,040千円の加工費削減や研削時間の大幅短縮など、投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    CNC歯車試験機とCNCウォーム研削盤の融合やデータベース化は読めるが、サプライチェーンへの波及は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    標準化ビジネスへの経済産業省の支援に触れるが、日本経済の構造転換との関係は直接書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    地域の特性や地域雇用への言及は見当たらず、わずかに営業所開設や海外展開がうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高精度かつ高効率な大量生産体制が確立すれば、減速機やジャッキの需要増加と品質向上要求に対応できる。エレベーター向けジャッキでは具体的に量産が開始される予定であり、騒音や振動への高い要求に本成果で対応していく。また、歯当たりの規格を数値化して標準化できれば、業界でリーダーシップを発揮できると期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。