ものづくり補助金平成24年度山梨県

高速スパッタリングによる新カラー成膜(薄膜)法の開発

コミヤマエレクトロン株式会社

この事例のポイント

  • スマートフォンなどのディスプレー周辺部の塗装は厚みにより液晶回路の断線が多発し、その対策でコストが増大している。
  • カラー塗装に代えて光学を活用した新しい成膜技術を開発した。
  • 光学多層膜の成膜により、塗装や染色を使わずに、RGBをはじめとする多様な色や黒、白を表現できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名コミヤマエレクトロン株式会社
所在地山梨県 山梨県南都留郡鳴沢村
業種生産用機械器具製造業
技術分野真空
従業員数80人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

同社は昭和58年に真空装置メーカーの配管製造を下請けとして始め、半導体装置メーカーなどの仕事を請け負う中で技術とノウハウを蓄積し、真空を軸にしたモノづくりへと進んできた。現在は液晶やソーラーパネルの製造用真空装置、粒子線治療などに使われる加速器の真空関連機器、人工衛星のテスト用真空システム、超大型の真空チャンバーなどを手掛けている。ほとんどが依頼主と設計から取り組む提案型の仕事で、手掛ける機器のほとんどがオリジナルである。一方、スマートフォンやタブレットのディスプレーは機能とデザイン性で急速に進化しており、カラーリング技術が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スマートフォンなどのディスプレー周辺部の塗装は厚みにより液晶回路の断線が多発し、その対策でコストが増大している。
  • 新製品・新技術塗装の厚みと重量・全体の膜厚増により、製品のデザインの自由度が制限されている。
  • 品質・精度商品の電波障害をはじめとした静電気・電波への対応が不十分である。
  • 新製品・新技術色彩が塗料に依存するため、色の変化や調整、色の深みへの対応が事実上できない。

やったこと

カラー塗装に代えて光学を活用した新しい成膜技術を開発した。光多層膜の構造色を利用して、RGB三原色を中心とした多様な色、黒色、白色を実現するため、光学膜の材料と膜厚分布を、技術提携企業から提供された技術を用いてVBAソフトで算出したシミュレーションを基に決定した。成膜はDCスパッタ装置によるマグネトロンスパッタ法で行い、通常の蒸着法では耐摩耗性が不足して剥離しやすいため、この方法を採用した。成膜対象は両面テープでカルーセルと呼ばれる基板台に固定して回転させ、ターゲットの成膜レートを安定させて均質でムラのない光学膜を得た。究極とされる純白の実現には約4ヶ月の実験を重ね、膜厚を計算して層を作り、光学測定器で計測してレシピを修正する作業を繰り返した。

新しい製品・サービス:高速スパッタリングによる新カラー成膜(薄膜)法を用いたカラースパッタリング装置

事業の効果

光学多層膜の成膜により、塗装や染色を使わずに、RGBをはじめとする多様な色や黒、白を表現できるようになった。全体の膜厚が薄いため部品の小型化と軽量化が可能になった。スパッタリングで成膜することで均質で良質な多層膜を得られ、コストの削減も実現した。

今後の展望

スマートフォンやタブレット、ウェアラブル機器のタッチパネル、ショウウインドウの装飾、化粧品容器など幅広い分野への提案を進めたいとしている。国内や台湾の展示会に出品し、引き合いは来ているが、まだ具体化には至っていない。

事業者の声

大手メーカーがやっていないところ、大手ではできないところを狙ってやってきました。さまざまな最先端技術を手掛けこいるので、秘密も多いんですよ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。