ものづくり補助金平成24年度山梨県

多層押出成形技術を用いた高品質・高機能性製品の製造技術の確立と商品の上市化

株式会社清水製作所

この事例のポイント

  • 海外からの廉価品の流入により、土木・建築資材が市場から押されていた。
  • 多層押出成形技術を用いて、発泡押出成形品の表層部を異種材もしくは同系同種材で包み、複合素材製品として仕上げる製造技術の確立を目指した。
  • 市場へはすでに自社独自商品としてPSのフェンス材の供給を開始している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社清水製作所
所在地山梨県 北杜市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数43人
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

創業者の清水社長は1983年に山梨県長坂の地で独立し、建築土木資材となる発泡異型押出製品(面木・目地棒など)の製造を始めた。その後は海外品の流入で土木・建築資材が市場から押されていった。木材は大部分が輸入材で、供給減と価格高騰が続いている。国産間伐材は含水率が高く用途が限られ、木粉を50%以上含む合成木は膨張や腐れのトラブルが多発して市場から排除されつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信海外からの廉価品の流入により、土木・建築資材が市場から押されていた。
  • 新製品・新技術自社ならではの工夫を生かした次の主軸品目が必要で、エクステリア分野への展開を模索していた。
  • コスト・採算着色できる無色の再生原料は供給量が限られるため、材料費を抑えつつ高品質な製品を安定して作る方法が求められていた。

やったこと

多層押出成形技術を用いて、発泡押出成形品の表層部を異種材もしくは同系同種材で包み、複合素材製品として仕上げる製造技術の確立を目指した。着色された再生PS製品の上に、必要な色に着色できる少量のバージン原料を被せることで、材料費を抑えながら高品質な積層製品を作れるようにした。金型技術と製造技術の習得を目的に試作開発を行い、全面2層化により製品形状は完成した。表層部の厚みを均一化するため、押出機から出る樹脂の脈動圧を減らす方法を試作と修正の繰り返しで検討し、金型の微修正もほぼ終わりに近づいている。

加工機押出機ライン

新しい製品・サービス:木目調再生発泡ポリスチレン製品(エクステリア向けのPSフェンス材など)

事業の効果

市場へはすでに自社独自商品としてPSのフェンス材の供給を開始している。従来品との商品切り替えは行わず、価格帯もほぼ変えずに高品位商品の品揃えを増やしている。製品は屋外や温泉場などでも使え、木材の代替として水周りなどにも用途が広がる。丸ノコ切断やビス止め、接着もできて工期短縮につながり、廃棄も手軽な環境配慮型の製品となっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の発泡異型押出事業からエクステリア分野へ主軸を転換したと書かれ、一貫性は読み取れるが経営戦略としての明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    木材の輸入減少・価格高騰や合成木の排除といった市場動向を挙げ、再生PSの木目調製品で参入する方針は読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    表層厚みの不均一という課題と、金型の微修正で解決に向かう方針は書かれているが、高付加価値化の数値的な計画は示されていない。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    開発部長と社長の体制や試作を繰り返す方式はうかがえるが、人材や事務処理能力を確保している記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    木材代替、耐久性、丸ノコ加工可能で工期短縮につながる点など製品の価値が具体的に書かれている。顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    金型の微修正がほぼ終わりに近づき、市場へ供給を開始したとあるが、中長期の検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木目調再生発泡PS製品は従来の木材・金属と異なる分野とされ、他社品との差別化による高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    木材やアルミの輸入減少、再生材による環境負荷低減に触れ、社会的意義はうかがえるが経済波及の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    低コストで高級感ある製品を目指し材料費を抑える工夫が書かれるが、補助金に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    リサイクル材の活用と環境負荷低減が書かれるが、日本経済の構造転換に資するとまでは読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県北杜市長坂町での創業と地域の木材事情に触れるが、地域経済の牽引に関する記述は限られる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

「人に使われず思い通りにやってみたかったんだ。ものづくりやとしての血が騒いだのかな。」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。