ものづくり補助金平成24年度山梨県

自動車用精密部品の高速画像検査処理装置の開発

クラウンファスナー株式会社

成果1個あたりの検査時間 25秒→3秒

この事例のポイント

  • 自動車用部品の高付加価値品の受注を開拓するには、量産に対応できる検査能力が必要だった。
  • ディスクブレーキ部品の全数検査を自動化するため、画像検査装置の試作機を開発した。
  • 1個あたりの検査時間 25秒→3秒。検査能力が大幅に向上し、1個あたりの検査時間は25秒以上から3秒以下になった。

事業者のプロフィール

事業者名クラウンファスナー株式会社
所在地山梨県 南アルプス市
業種金属製品製造業
技術分野位置決め
従業員数48人
資本金4,000万円
設立1873年

事業の背景

同社は1873年創業ではなく、昭和48年に小ねじメーカーとして創業し、冷間圧造、転造などの技術を強化してきた。AV機器、OA機器、光学機器、自動車などの業界へ部品を供給している。自動車部品は命にかかわる重要保安部品のため難易度は高いが、高付加価値品が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車用部品の高付加価値品の受注を開拓するには、量産に対応できる検査能力が必要だった。
  • 人手・技能人による検査作業では量産対応に限界があり、高精度な検査の自動化が不可欠だった。

やったこと

ディスクブレーキ部品の全数検査を自動化するため、画像検査装置の試作機を開発した。搬送方式は高速低振動なワイヤー搬送を採用し、カメラは高精度・高機能・高速処理の3種の画像センサーを上部、横上部、横下部の3点に設置した。上部カメラにはレーザーセンサーも取り付け、タップ加工の有無に加えてキズや寸法の検査も同時に行えるようにした。コンテナストッカーと専用落下シュートも開発し、自動交換と打痕防止を実現した。

新しい製品・サービス:自動車用精密部品の高速画像検査処理装置

事業の効果

  • 1個あたりの検査時間 25秒→3秒
  • 1画素あたりの分解能力 1倍→3倍

検査能力が大幅に向上し、1個あたりの検査時間は25秒以上から3秒以下になった。分解能力は3倍以上に上がり、従来の検査装置の8倍以上の高速化を達成した。生産能力は1日あたり約3000個に対応でき、量産にも対応可能になった。今後は自動車業界の新規受注や他業界の製品検査にも展開できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業は昭和48年で小ねじから冷間圧造・転造へ拡張してきた経緯が書かれ、自動車部品への展開との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    タイ工場で自動車部品を新規開拓し売上4億円から16億円に伸ばした実績や、日本での新規受注に向けた検査装置の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    量産対応には人的検査の限界があると課題を示し、高速自動検査機で対応する方針が書かれているが、事業計画の数値は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    検査時間を25秒以上から3秒以下に、生産能力を1000〜3000個/日に対応と数字で目標と成果が示されている。ただし付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員が応えてくれる風土や工場内の設備が触れられているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ディスクブレーキ部品の重要保安部品として全数検査が求められるニーズ、受注先のターゲットが具体的に説明されている。

  • 事業化までの道筋2

    開発の段階や試運転を重ねた経緯はあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の検査装置の8倍以上の高速化を達成し、分解能力3倍以上と高水準の高付加価値化を図る内容が数字で示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    自動車業界の国内受注開拓や業界の品質保証要求への対応が書かれ、業界への波及は読み取れるが、雇用創出や経済波及効果の数値は薄い。

  • 費用対効果3

    人的検査から自動化することで検査時間を大幅に短縮する効果が書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高速画像検査とサイバー的なデジタル活用は見られるが、サプライチェーンや地域イノベーションへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品の高付加価値品への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県南アルプス市の立地やタイ工場の拡張は書かれるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は少ない。

今後の展望

現在の性能には余力があり、自動車業界からの新規受注や他業界の製品検査にも対応できる見込み。タイ工場の生産を日本に移す計画も進めている。

事業者の声

メーカーなので守りに入ったらダメですね。常に先のことを考えて設備投資していかなければなりません。僕は守るのではなく、必ず取りにいきます。今までやってできなかったことはありません

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。