ものづくり補助金平成27年度製造業大阪府

転造による少数歯スプライン歯車製造で、ロボット分野参入へ

株式会社 ハヤシセーラ

成果月間加工量 45万本→50万本

この事例のポイント

  • 少数歯(13歯以下)のスプラインは歯切りのホブ盤加工が基本でコストが高く、取引先はコストダウンを求めていた。
  • 転造盤を使って少数歯スプラインシャフトの試作を1年以上行い、転造ダイス(金型)を改良しながら何度も加工方法を見直した。
  • 月間加工量 45万本→50万本。試作した製品は品質やコストの面で取引先の要望に合い、現在は取引先で耐久試験が行われている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 ハヤシセーラ
所在地大阪府 東大阪市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数40人
資本金2,000万円
設立1946年

事業の背景

同社は昭和21年創業の精密シャフト製造を基盤とし、もともとは家電業界向けの精密シャフトを手がけていた。技術力を生かして自動車分野に参入し、今では売上の70%を占めるまでになった。品質の良さから取引先が広がり、平成19年に工場拡張のため東大阪市に移転した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算少数歯(13歯以下)のスプラインは歯切りのホブ盤加工が基本でコストが高く、取引先はコストダウンを求めていた。
  • 品質・精度既存の設備や技術では、取引先が求める歯溝の振れの精度をクリアできなかった。
  • 新製品・新技術急激な製造業界の変化に対応しなければならないという危機感があり、産業用ロボット業界の大手メーカーから少数歯の試作を頼まれたことで、転造による少数歯スプラインの製造への挑戦が必要になった。

やったこと

転造盤を使って少数歯スプラインシャフトの試作を1年以上行い、転造ダイス(金型)を改良しながら何度も加工方法を見直した。その結果、歯溝の振れを上限値の30㎛(マイクロメートルは100万分の1m)以内に抑えることができ、中には最小値5.5㎛と上限を大きく下回る試作品もできた。精密な歯車測定器を導入して精度を確認し、新しくホブ盤を導入して高精度な歯車加工に対応するとともに、外注していたホブ加工を内製化した。コストもホブ盤加工より30%程度に収まり、取引先の期待に沿う数値が出た。

加工機ホブ盤
検査測定歯車測定器
ソフトトヨタ生産方式を活用した生産管理システム

新しい製品・サービス:転造による少数歯スプラインシャフト

事業の効果

  • 月間加工量 45万本→50万本
  • 売上高 10億円→14億円

試作した製品は品質やコストの面で取引先の要望に合い、現在は取引先で耐久試験が行われている。このまま受注につながれば、念願のロボット分野への参入が期待できる。ホブ盤の導入により加工の内製化が実現し、切削加工と転造加工の2つから加工方法を選べるようになった。試作品の依頼も舞い込むなど、予想以上の成果が出ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和21年創業の精密シャフト製造を基盤に、自動車分野へ参入した経緯があり、転造加工による少数歯スプライン試作の取組が一貫して読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自動車向け売上が全体の70%を占め、取引先のコストダウン要望に応える試作で、品質・コスト・納期の強みを具体的に示している。

  • 課題の認識と解決4

    ホブ盤の内製化で納期短縮を図り、5年後に売上高10億円から14億円とする目標を示すなど、課題と成長に向けた計画が明確である。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    月間加工量を45万本から50万本に、5年後の売上高を約14億円とする目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    受注増には人員増強が必要だが、人材確保に苦労していると書かれており、遂行体制の確保はうかがえるが具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ステアリング用セレーションシャフトの製品と、産業用ロボット業界の大手メーカーからの依頼という顧客の裏付けは読み取れるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試作を1年以上行い、取引先の耐久試験を経て受注につなげる流れや、将来の設備導入の検討が書かれているが、スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    13歯以下の少数歯スプライン転造は難しいとされる加工で、歯溝の振れを上限30μm以内に抑えたと具体的な数値が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ロボット分野への参入や人員増強の必要性が書かれるが、川上・川下への波及効果や社会的な必要性までは示されていない。

  • 費用対効果3

    ホブ盤に比べてコストが30%程度に収まり、原価低減や人的ミスの減少が期待できると書かれているが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    トヨタ生産方式を活用した生産管理システムの導入や自動梱包の検討がうかがえるが、先端的なデジタル技術の活用は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    産業用ロボット分野への参入を目指す動きが示され、成長分野への進出という方向性は読み取れるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    大阪府東大阪市への工場移転が書かれているが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

受注増を見込み、月間の加工量を45万本から50万本に引き上げたいとしている。また、将来的には設備導入も検討し、転造にホブを加えた幅広いセレーション歯車製造事業を展開する考えである。人員の増強が必要になるが、人材の確保には苦労している。

事業者の声

平成30年にも念願のロボット分野に参入できる

公式の事例集より(原文のまま)

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効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。